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お気楽四人旅
シザリスとソワード
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リーバルダーへ行く道中、簡易テントにて……私、エネミー・ヴァイオレットはシザリスの弟だと言うソワードに抱きしめられ、存分に愛でられていた。
「ソワード、そろそろソイツ風呂入れるから離せ」
誠に遺憾なペット扱いである。私、魔王の娘なのだけれど。まあ、シザリスは私の事を献身的に世話をしてくれる私の僕だから、別に気にならなくなってきた。主人とは、寛容なものである。敬愛するお父様が良く言っていた。
「は? なに、一緒にお風呂入ってんの?は?」
ソワードがかなりの低音で……ドスをきかせてるっていうのかしら? シザリスにはいつも全身洗って貰ってるし、別に怒る要素は全く無いと思うのだけれど……。
「コイツが何もしないと全く動かないから仕方なく一緒に風呂入ってるだけで、深い意味で考えているであろうソワードの方がヤベーと思う。小さい頃もよく一緒に風呂入ってただろ? そんな感じだよ」
「え、発情しないの?」
……ブラッドに同じような説明された時は拳一発で済ませていたようだけれど、今回はどうなるのかしら? そもそも私とシザリスは女同士(?)なんだから特に気にすることでもないでしょうに。例えシザリスが仮に男だったとしても別に今と変わりないなら別に良い。
「しないですね。はい、没収~!」
呆れしか篭っていない瞳でソワードを見つつ、私の両脇を持ち上げられる。そしてこのまま風呂へ連行されるのだ。気分は売られる牛である。
「……いや、普通逆ですよね?」
背景と化していたブラッドが口を開いた。逆?
「せっかく妹さんが仲間に入ったんですから、エネミーさんはそちらに預けた方が良いのでは? シザリスさんは男なんですし」
「え、シザリスって男なの?」
思わず口から漏れ出してしまった。人間の性別なんて興味ないけど、確かに全裸になると胸無くなって不思議だったけど! 人間って、そんな生き物なのかなって、思うじゃない? 普通。私は悪魔で人間じゃないんだし。ていうかソワードが妹って事は男じゃなくて妹……って事よね? ああ、情報量多すぎてパンクしそうだわ。
「え、逆に気付いてなかったのかよ!!」
「気付く訳ないでしょう! 本に書いてなかったんだから!」
……かくして、性別誤認事件は幕を閉じたのであった。
「ソワード、そろそろソイツ風呂入れるから離せ」
誠に遺憾なペット扱いである。私、魔王の娘なのだけれど。まあ、シザリスは私の事を献身的に世話をしてくれる私の僕だから、別に気にならなくなってきた。主人とは、寛容なものである。敬愛するお父様が良く言っていた。
「は? なに、一緒にお風呂入ってんの?は?」
ソワードがかなりの低音で……ドスをきかせてるっていうのかしら? シザリスにはいつも全身洗って貰ってるし、別に怒る要素は全く無いと思うのだけれど……。
「コイツが何もしないと全く動かないから仕方なく一緒に風呂入ってるだけで、深い意味で考えているであろうソワードの方がヤベーと思う。小さい頃もよく一緒に風呂入ってただろ? そんな感じだよ」
「え、発情しないの?」
……ブラッドに同じような説明された時は拳一発で済ませていたようだけれど、今回はどうなるのかしら? そもそも私とシザリスは女同士(?)なんだから特に気にすることでもないでしょうに。例えシザリスが仮に男だったとしても別に今と変わりないなら別に良い。
「しないですね。はい、没収~!」
呆れしか篭っていない瞳でソワードを見つつ、私の両脇を持ち上げられる。そしてこのまま風呂へ連行されるのだ。気分は売られる牛である。
「……いや、普通逆ですよね?」
背景と化していたブラッドが口を開いた。逆?
「せっかく妹さんが仲間に入ったんですから、エネミーさんはそちらに預けた方が良いのでは? シザリスさんは男なんですし」
「え、シザリスって男なの?」
思わず口から漏れ出してしまった。人間の性別なんて興味ないけど、確かに全裸になると胸無くなって不思議だったけど! 人間って、そんな生き物なのかなって、思うじゃない? 普通。私は悪魔で人間じゃないんだし。ていうかソワードが妹って事は男じゃなくて妹……って事よね? ああ、情報量多すぎてパンクしそうだわ。
「え、逆に気付いてなかったのかよ!!」
「気付く訳ないでしょう! 本に書いてなかったんだから!」
……かくして、性別誤認事件は幕を閉じたのであった。
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