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1章 始まり
8.フェンスの中の⦅軍基地⦆にお邪魔します…
しおりを挟む日向たちが歩いていると、フェンスが2重になっているところが見えてきた。
2重のフェンスの間には人1人が中に入れそうな箱があり、どうやらここから中に入れるようだ。
「これで体についたウイルスを吹き飛ばすんだ」
そうバリーが言うと、先に日向を、次に紫郎が入るように並ばせた。
箱に足を踏み入れ、中のボタンを押すと、突風と謎のミストが360度日向に吹きかかり、スカートから髪から何から何まで吹き飛ばされた。
幸いにも箱の外からは中の様子が見えないようであったが、さすがの日向もスカートがめくれ上がった時にはびっくりした。
だがそれは紫郎も同じだったらしく、紫郎は着物を直しながら、むくれた顔で外に出てきた。
「あまり好きにはなれない…」
そんなことを言っていた。
ようやくフェンスの中に入れた日向たちは、先程日向達のヘリコプターが降り立った建物の中に案内してもらった。
「この建物の3階だ。」そうバリーが説明してくれた。
…自分たちが非常階段から降りた事でバリーのことを助けることはできたが、それにしても遠回りである…
建物の中に入って、3階まで階段を上ると目の前には広間があり、左右に廊下が続いていた。
広間の手前にはソファが2つ机を挟んで向かい合って置いてあり、その奥には12個の画面が壁に広がっていた。
「おお!かっこいいな!」そう紫郎が言うように、アニメに出てきそうなその場所では、画面の一つ一つが違う映像を映しており、どうやら島の監視カメラと繋がっているようだった。
日向と紫郎が部屋を見ていると、
「君たちはここで待っていてくれ」
とバリーがソファを案内してくれたので、2人は向かい合って座った。
ヘイデンに肩を借りているバリーは全身の怪我でここに来るまでに結構疲労しているようだったが、
バリー自身は自分の体よりもずっと他のことを気にしているようで、「はぁ、またか…」と呟きながら広間の右側にある扉の奥へと入っていった。
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