1 / 14
プロローグ
しおりを挟む俺の名前は中村陽太、ごく普通の高校生だ。
まあ「普通」といっても感じ方は人それぞれだが、俺がよく言われるのは、「後先考えない元気すぎるヤツ」
うん。感じ方は人それぞれだな。
友達には、困ってる人を放っておけないせいでいろんな面倒ごとに巻き込まれるってよく笑われるけど、こっちは悪い気がしない。
誰かが笑顔になるのを見られるなら、少しくらい無茶したっていいとさえ思ってる。
いつも通りの学校からの帰り道、夕暮れの公園を歩いていた。人気がなく静かな公園には、橙色の夕日が差し込んでいて、木々の影が長く伸びている。
ふと思い出したかのように、今日の授業やバイトのことをぼんやり考えながら歩いていたそのとき、頭上から妙な声が聞こえてきた。
「調理するならやっぱり、健康的で発育がよく、小さく若い、太くも細くもなく肉付きの良い、旨みのあるものがいいな。今夜のバースディパーティーのメインディッシュになるんだ。大物を頼むぞ」
確かそんな声が、頭上の方から聞こえた。
ここは人気のない公園なのにだ。周りに民家はないし、人だって歩いていない。もちろん頭上は木と空しかない。
怪奇現象とかだったら勘弁して欲しい。
「おいおい、アイテムボックスを悩ませるようなことを言うなよ。ウマけりゃ何でもいいぞ」
うまい?誰か食材でも探しているのか?
でも、一体この声どこから?
「なんだ、もうつながったのか?どれどれ」
頭上の方から聞こえていた声が、さっきより近くなっている気がする。
周りの風景は何も変わっていない。声だけが、
「あ、これか?」
周りを警戒する俺の前に、何もないはずの空間から突然手が現れた。
それは何の躊躇いもなく、俺の腕を掴みーーー
次に目を開けた瞬間、公園にいたはずの俺は、豪華なテーブルの上にいた。
8
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした
エウラ
BL
どうしてこうなったのか。
僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。
なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい?
孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。
僕、頑張って大きくなって恩返しするからね!
天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。
突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。
不定期投稿です。
本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる