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見目麗しい青年サラリーマンが取引先の嗜虐的な女社長の策略に嵌められて男達にいたぶられる話。
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『得意先の社長に、昨夜の件で謝罪をする。先方を怒らせたのは結城、お前だ。相手の怒りを収める為に土下座は当然だからな…』
社会人二年目。
まだまだ新人に毛が生えたような俺は昨夜、接待の席で取引先の女社長にセクシャルハラスメントを受けた。そして、それを拒絶した事によって彼女を激怒させてしまった件で朝から上司から詰められていた。
セクハラを受けた側が女か男かでだいぶ受け取られ方が違う世の中で。男だったらお触りされても、そのくらい我慢しろよ…と影で言われる始末。そりゃ腕力では男のほうが強いが、社会的地位は女社長のが強い。
自分の無力さと相手への嫌悪感で腹が立ったが今の自分にはなんの権力もないもない。言われるがまま従うしかないのだ。
ここで謝罪をしなければ、俺の会社での居場所が抹消されてしまう…なんとか挽回しなくてはならない。
上司と俺で謝礼に伺うとの約束らしく、退社後に得意先指定の場所へ向かう予定になっている。地獄の土下座仕事だ。
今度こそ、そつなくこなさなければ俺は見た目だけが良い、ただの能無し役立たずと言われてしまう。まだ社会人として二年目なのに先輩社員たちの容赦ない評価。特に容姿で目立つ俺に対しては妬みも混じっている。見た目で贔屓されてるんだろうなどとか。確かに見た目で得をする事もあるが、嫌な思いもそれ以上にしてきた。幼い頃は変なおっさんに声を掛けられて連れて行かれそうなったり、学生時代は女子にチヤホヤされる事で同級生に嫌がらせを受ける事も多々あった。女性から痴漢されるという被害にあったことが結構トラウマとなっている。
大人になった現在、子供の頃とあまり世界は変わらないんだと実感して落胆した。
憂鬱な一日をなんとかこなし、就業後に会社から直行で約束の場所に向かう。
指定の場所は高級老舗料亭で、店の者はすでに話を聞いているのか俺の名前を告げるとすぐに奥の離れに案内された。
林のそばにひっそりと佇む隠れ家的な外観。
和で統一されたモダンな内装の部屋に通されると、まだ女社長は到着していなかった。
俺は少し緊張が解けて重い溜息を吐いた。
緊張していない訳がない。
昨日の事を詫びなければ。例え、俺に落ち度がなかったとしても…
理不尽だが社会とはそんなものだと学んだ。そこで生きてく為に無理矢理飲み込んだ言葉などいくらでもある。侘びて機嫌を取り、良好な関係に戻すのが今日の俺にできる最善の仕事なんだ。会社にとって大きな得意先を失ったらこの職場での立場は危うくなるのは間違いないだろう。
女社長は年齢不詳な女性だ。若いのか、歳を重ねているのか解らない見た目だが、かなりの業績を上げている企業だから俺より年上だと思われる。纏っている雰囲気も上に立つ人間の独特なオーラを纏っている。つまりは癖が強いという事だ。
社長を待っている間、頭の中でいろいろと謝罪の言葉をシュミレーションをしていると、しばらくして女社長はやって来た。背筋を伸ばし、挨拶をしようとするが頬が強張っていて上手く表情がつくれない。
「お疲れさま…結城くん」
女社長は笑顔だった。だが、その笑顔が威圧からくるものだと本能で感じた俺は瞬時に立ち上がった。
畳で慣れない正座をしていたせいで足が痺れおぼつかない有り様で情けなかったが、なんとか立ち上がると膝に着くほど頭を垂れた。
「今日はお時間をとって頂き、ありがとうございます。昨夜は酒に酔っていた為、失礼な態度をとってしまい… 誠に申し訳ございませんでした…」
相手の機嫌が悪くならないように。失態を犯したのは俺だったと詫びた。体を触られたセクハラ被害者だったとしてもだ。
「いいのよ、私も酔ってたのよ。
結城くんが酔ってる姿が可愛くてつい…ごめんなさいね」
俺は初めての接待の席で加減が分からず、注がれる酒を飲み過ぎた挙げ句、酔った手元のグラスから酒が零れ、彼女のスーツを汚してしまったのだ。慌てておしぼりで濡れた箇所を拭こうとする俺の手を握り、ふふっと意味ありげに女社長は笑った。
そして周囲に聞かれないように俺の耳元で囁いた。
『最近、いつセックスしたの?』
『……!!』
『ねぇ…いい体してるわね。この後どこかでゆっくりしない?』
そして空いている反対側の手を俺の太腿の内側にスルリと忍ばせてきた。
反射的に握られていた手を思い切り振りほどいて立ち上がった俺はあの後の事はあまり覚えていない。女社長が怒り出した事で周囲は慌てだし騒ぎになっていたようだ。一体どうやって家に帰ったのかも、うろ覚えだ。
翌朝、上司からは彼女は痛くお怒りだと聞いた俺は青ざめた。なのに今、意外な程にあっさりと許されて戸惑ってしまっていた。
「まぁ、立ち話もなんだから座って。飲み物でも頼みましょう」
二人っきりの部屋でこれ以上何を話せばいいのか困ったが、とりあえずビールを頼んでもらった。
冷えた酒が緊張で渇いていた喉を潤す。
少し気持ちも落ち着いてきてホッとする。
勧められた彼女のお気に入りのワインも飲ませて貰った。
「ここは入手困難なワインや日本酒が手に入るのよ。日本酒は特に美味しいわ」
「日本酒ですか…お酒お強いんですね」
「結城くんは弱いほうよねぇ…」
そうだ。
昨夜はそれで失態をしでかしたのだから。
調子に乗って飲み過ぎたら駄目だろう。
「す…すみません。
社長の大切なスーツを酒を溢して汚してしまって…本当にお許しくださいっ」
俺は畳に頭を擦り付けるように再度謝罪した。
「スーツなんてどうでもいいわ。
あの時貴方が突然、私をつき飛ばしたから驚いただけよ」
それは貴女が俺の… その、股間の辺りをまさぐってきたからであってですね…
言い返せず、困惑しているのを分かった上で弄ぶかの様に彼女は言葉を続けている。
もしかして、今夜ここに呼び出したのは謝罪要求する為でなく、あの時の続きを求めてる?俺はここで彼女の相手をしなければならない?…だから離れの個室なのか…?まだ許された訳じゃない…?
「結城くん…あの時、私が貴方を誘ったと思ってる?」
「えっ…いや、えっと…
…そう、…じゃないんですか?」
「誘ったんじゃないわ。大人げないけど貴方って見てると虐めたくなっちゃうのよね」
「意地悪ですね、…勘弁してください」
「困ってる顔も綺麗ね…。
その綺麗な顔を見てると…無性にいたぶりたくなるわ」
先ほどまで普通に話していたのに…
彼女の声の調子から、微妙に苛立っているのを感じた。
俺は返答に迷っていた。どう返事を返せば彼女は気が済むのだろうか。
彼女は部屋の窓際にアンティーク調のソファーが置かれている場所へ移動するとその椅子に腰掛け、高級バックから煙草とライターを取り出した。指先で挟んだ煙草を薄い唇の間に咥えて火をつけた。紫煙が一筋の糸のように流れていく様を俺はただ眺めていた。
上を向きながら煙を吐き出し、多少、苛立ちが収まったのか彼女は言った。
「結城くん、私は貴方に抱かれたい訳じゃない。むしろその逆なのよ」
縮こまって畳に正座している俺の姿を彼女はソファーから見下ろした。全身を舐めるような卑猥な視線で。
「貴方は… 抱かれる方が似合ってる。そう思わない?」
「え…?」
「私はね…
綺麗な男の子が、男に捩じ伏せられている姿を観るのが好きなのよ」
な、 に…?
なにを言ってるんだ…この人は?
彼女の発した言葉の意味が理解できずにいた。理解しようとした時、その意味が喉に声が張り付いて言葉が出てこない。
「じゃあ…始めましょうか?」
高揚を滲ませ、喜びが抑えきれない表情でニタリと笑う女が目の前にいた。
________
彼女の言葉が合図かのように、2人の男が部屋に乱入してきた。俺より背も高く骨格もいいスーツを着た男達が俺に近づいてくる。襖を開け逃げようとしたがそこは奥座敷になっていて、驚くことに広い布団が敷かれていた。用意周到すぎて戦慄した。
どう見てもヤバい状況でここから逃れようと試みたが腕を捕まれ、一人に後ろから羽交い締めにされる。必死で抵抗して暴れたが、もう一人の男に頬を叩かれて意識が朦朧している隙に俺は布団の上に押し倒された。
男が俺にのしかかって来る。両足を拡げられ、間に強引に体を割り入れてくる。
抵抗して体をよじっても難なく押さえられ、もう一人の男が頭上で俺の両手首を抑えて、ネクタイで縛りあげられた時、絶望を感じた。
「薬がそろそろ効いてくる頃じゃない?」
薬って…?
まさか、さっき勧められた酒に…
「な、に…入れ…た…?」
「媚薬よ。貴方は男とのセックスは初めてかしら?どうせならするなら気持ちいいほうがいいと思ってね」
ゾクリとした。
媚薬で疼いてるのか、アルコールのせいなのか体が火照っている。男達が疼く体を弄り始める。嫌なはずのに、感じたくないのに、体はもっとしてくれと昂ってくる。一度火が付き始めたら熱くてたまらない。
「君を初めて見た時から抱きたいと思ってた」
この男、以前から俺に目をつけてた…?
背後から俺を羽交い締めにしてる男が耳たぶを甘く噛みながら囁いた。興奮が抑えきれない男に俺は耳の穴に舌を差し込まれ、舐められる。同時に胸の乳首を摘まれて揉まれたが女の胸じゃないんだから触られても感じる訳ないだろ…
そう悪態をついていたら目の前の男に股間を大きな手でもみしだかれる。
あ…、勃ってきた…ヤバい…と焦る俺の尻のラインを男達の手が這い回る。こいつら本気で俺をヤル気だ…。そう確信したら冷や汗が背筋を流れていった。
頭がぐるぐると混乱している。
頭では恐怖に支配されているのに、体は薬のせいでイキたくて反応する。
ワイシャツのボタンを全て外され上半身を裸にされた。腰のベルトも外され、ジッパーをゆっくりと引き降ろされ、下着の上から俺の硬くなったものを指先でなぞり始めた。下着の中からガチガチに硬化したペニスを引き出されるとそれはプルンッと勢いよく飛びだした。
男の手は躊躇いもなく結城のペニスを掴むと先走りを潤滑油代わりにして何度も上下にしごいていくと更に硬度が増していった。反り返って震える先端からぷくりと溢れた液体はペニスの筋を通ってしっとりと滴っていく。
勃起した股間を男どもの欲望が滾った視線で視姦され、恥ずかしさで身体が熱く火照る。薄桃色の小さな乳首を手首を押さえていた男のゴツい指がクリクリといじくりまわす。
ペニスも唾液まみれになるまで口内で舐め回されてながら吸われてもて遊ばれた。袋を揉みながらペニスの裏側に浮き上がった血管を根本からなぞり上げるように男の厚い舌は結城の弱い箇所をしつこく舐め続けてくる。
気持ちよすぎて悶える結城を追い詰めるかのように亀頭の先端の穴を舌先で抉じ開けられると、快感から逃れるかのように自然と腰が浮いてしまう。これ以上刺激されたら気が狂ってしまう。だが、逃げることも叶わず男達にされるがまま嬲られるしかなかった。
頭上で腕を押さえている男が結城の股の間にいる男に問いかけた。
「お前ばっかり愉しんでるじゃないか…早く代われよ」
「嫌だね、ようやくこいつを抱けるんだ。時間をかけて愉しませてくれよ。けど、こいつのやらしい格好見てるだけで勝手にいっちまいそうで…もう、ぶち込んでいいよな」
「ぶち込むったって、この子後ろは絶対に処女だよ」
「どうだろう… 実際に確かめてようぜ」
彼らが話していた内容が実行される。残されていた下半身の衣類も全て剥ぎ取られた。暴かれた秘部にはたっぷりとローションが垂らされていく。果実に蜂蜜が垂らされていくようにとろとろと波打つように。男の指先がそれを一雫掬って襞に塗りつけて解してくる。初めはくすぐったい感覚だったのが時間を掛けて中までを解されていくと男の指を逃さないように襞は纏わりつも徐々に飲み込んでいった。一本だけだった男の指も二本目を咥え込ませていた。
「おい…ひくついてんぞ…ほんとに処女かよ…」
興奮して増々息が荒くなっていく男の息が太腿に当たったと感じた時にはたっぷりと解された蕾に舌をヌルリと挿入された後だった。結城の身体はビクリと跳ねた。蠢く舌は生き物のように結城の奥深い敏感な場所を犯していく。
「あっ… んっ! ああっつ!」
舌がチロチロと柔らかい肉の奥を円を描くように舐め取りながら奥へ進んでくる。
女のように喘ぎ声を出す結城を弄ぶように攻め続けていく。身体中が快楽の虜になっていた結城の蕾に男の硬くなったペニスの先端が押し当てられた。
熱い塊が徐々にめり込むように押し入ってきて思わず結城は声をあげた。それは悲鳴だったのか歓喜の声だったのか解らない。
性交用のローションがたっぷりと塗りたくられているため、結城の背筋に熱い快楽が稲妻のように走る。初めて感じる感覚。体の中に熱い棒が入って来る衝動に慄いて震えた。
「最初から全部は突っ込まねぇよ…まだ先っぽしか入れてないから安心しな」
「あ… あぅっ…やっ…ん!」
「最初、抵抗してた割にいい声で啼くよね」
何度も体を揺さぶられいるうちに男の大きな亀頭が次第に身体の奥に馴染んでくる。後孔がヒクヒクと疼き、背骨がゾクゾクするような快感に変わっていく。
嘘だ…初めてなのに男のアレを入れられて感じるなんて俺はおかしいんじゃないのか…
いくら薬を使われてるからって…嘘だ… 嘘だ
結城は自分が信じられなくなっていた。
手慣れた男は俺の脚を抱え直すとパンパンッと腰を打ち付け始めた。ゆっくりと前後に揺すられて結城の感じる箇所を探るように突いてくる。
「ここはどうだ?」
「あ…っ そこっ… やぁっ!」
「ヤバいね… 僕も早く入れたいよ」
腕を押さえていた男が俺達の痴態で興奮し、自らの股間を押さえて呻いている。
絶頂を目指し始め、前後に何度も揺さぶられ俺の身体が上にずり上がる度に、腰を引き寄せられて男根で貫かれる。欲望を奥にたっぷりと射精されると結合した部分の隙間から白濁がダラダラと溢れてくる。好き勝手にされ、散々抱かれた。
獣のように淫らに絡み合い、終わらないまぐわい。男同士の肉体が欲望を激しくぶつけ合い、絡み合う。
射精した一人目の男が俺の中からズルリと出ていくと、俺の両腕を拘束していた男の体躯が覆い被さってきた。
口調は穏やかだった男は今や余裕も無くなり、まるで発情期の獣のように、ギラついた雄の顔で俺を貪る。
まだ最初の男が吐き出した性液が後孔から漏れ出てくるのに…
すると男は指先を蕾に潜り込ませると、先の男が放ったものを中から掻き出すように動かし始めた。クチュクチュとやらしい音を立てられ、いじくられた俺の体がはイッたばかりだからなのか快楽の余韻で再び股間が熱くなってくる。
精液が纏わりついた指を引き抜いた男は自らの欲望を俺の濡れそぼった後孔にグジュ…リと卑猥な音をさせて押し入ってきた。
勃起して反り返ったカリ首で中の残滓を掻き出す為に何度も擦りあげる。
「あぁっ!やめっ… だ…めぇっ」
「ダメじゃないよね? 腰…動いてるよ?」
容赦なく何度も壁をこすり上げられ、男の亀頭が俺の奥に潜む性感帯を刺激する。媚薬で全身が敏感になってしまった身体は絶頂を迎える事しか考えられない。淫乱になってしまった結城の体は、快楽を欲しがり男の腰に脚を絡めて腰を引き寄せると、大きな背中に腕を回して縋り付いた。
男根を孔に咥えこみ、快感に震える浅ましい結城の体を男達は愉しんだ。
その淫らな光景を女社長は楽しそうに欲情した瞳で眺めていた。
社会人二年目。
まだまだ新人に毛が生えたような俺は昨夜、接待の席で取引先の女社長にセクシャルハラスメントを受けた。そして、それを拒絶した事によって彼女を激怒させてしまった件で朝から上司から詰められていた。
セクハラを受けた側が女か男かでだいぶ受け取られ方が違う世の中で。男だったらお触りされても、そのくらい我慢しろよ…と影で言われる始末。そりゃ腕力では男のほうが強いが、社会的地位は女社長のが強い。
自分の無力さと相手への嫌悪感で腹が立ったが今の自分にはなんの権力もないもない。言われるがまま従うしかないのだ。
ここで謝罪をしなければ、俺の会社での居場所が抹消されてしまう…なんとか挽回しなくてはならない。
上司と俺で謝礼に伺うとの約束らしく、退社後に得意先指定の場所へ向かう予定になっている。地獄の土下座仕事だ。
今度こそ、そつなくこなさなければ俺は見た目だけが良い、ただの能無し役立たずと言われてしまう。まだ社会人として二年目なのに先輩社員たちの容赦ない評価。特に容姿で目立つ俺に対しては妬みも混じっている。見た目で贔屓されてるんだろうなどとか。確かに見た目で得をする事もあるが、嫌な思いもそれ以上にしてきた。幼い頃は変なおっさんに声を掛けられて連れて行かれそうなったり、学生時代は女子にチヤホヤされる事で同級生に嫌がらせを受ける事も多々あった。女性から痴漢されるという被害にあったことが結構トラウマとなっている。
大人になった現在、子供の頃とあまり世界は変わらないんだと実感して落胆した。
憂鬱な一日をなんとかこなし、就業後に会社から直行で約束の場所に向かう。
指定の場所は高級老舗料亭で、店の者はすでに話を聞いているのか俺の名前を告げるとすぐに奥の離れに案内された。
林のそばにひっそりと佇む隠れ家的な外観。
和で統一されたモダンな内装の部屋に通されると、まだ女社長は到着していなかった。
俺は少し緊張が解けて重い溜息を吐いた。
緊張していない訳がない。
昨日の事を詫びなければ。例え、俺に落ち度がなかったとしても…
理不尽だが社会とはそんなものだと学んだ。そこで生きてく為に無理矢理飲み込んだ言葉などいくらでもある。侘びて機嫌を取り、良好な関係に戻すのが今日の俺にできる最善の仕事なんだ。会社にとって大きな得意先を失ったらこの職場での立場は危うくなるのは間違いないだろう。
女社長は年齢不詳な女性だ。若いのか、歳を重ねているのか解らない見た目だが、かなりの業績を上げている企業だから俺より年上だと思われる。纏っている雰囲気も上に立つ人間の独特なオーラを纏っている。つまりは癖が強いという事だ。
社長を待っている間、頭の中でいろいろと謝罪の言葉をシュミレーションをしていると、しばらくして女社長はやって来た。背筋を伸ばし、挨拶をしようとするが頬が強張っていて上手く表情がつくれない。
「お疲れさま…結城くん」
女社長は笑顔だった。だが、その笑顔が威圧からくるものだと本能で感じた俺は瞬時に立ち上がった。
畳で慣れない正座をしていたせいで足が痺れおぼつかない有り様で情けなかったが、なんとか立ち上がると膝に着くほど頭を垂れた。
「今日はお時間をとって頂き、ありがとうございます。昨夜は酒に酔っていた為、失礼な態度をとってしまい… 誠に申し訳ございませんでした…」
相手の機嫌が悪くならないように。失態を犯したのは俺だったと詫びた。体を触られたセクハラ被害者だったとしてもだ。
「いいのよ、私も酔ってたのよ。
結城くんが酔ってる姿が可愛くてつい…ごめんなさいね」
俺は初めての接待の席で加減が分からず、注がれる酒を飲み過ぎた挙げ句、酔った手元のグラスから酒が零れ、彼女のスーツを汚してしまったのだ。慌てておしぼりで濡れた箇所を拭こうとする俺の手を握り、ふふっと意味ありげに女社長は笑った。
そして周囲に聞かれないように俺の耳元で囁いた。
『最近、いつセックスしたの?』
『……!!』
『ねぇ…いい体してるわね。この後どこかでゆっくりしない?』
そして空いている反対側の手を俺の太腿の内側にスルリと忍ばせてきた。
反射的に握られていた手を思い切り振りほどいて立ち上がった俺はあの後の事はあまり覚えていない。女社長が怒り出した事で周囲は慌てだし騒ぎになっていたようだ。一体どうやって家に帰ったのかも、うろ覚えだ。
翌朝、上司からは彼女は痛くお怒りだと聞いた俺は青ざめた。なのに今、意外な程にあっさりと許されて戸惑ってしまっていた。
「まぁ、立ち話もなんだから座って。飲み物でも頼みましょう」
二人っきりの部屋でこれ以上何を話せばいいのか困ったが、とりあえずビールを頼んでもらった。
冷えた酒が緊張で渇いていた喉を潤す。
少し気持ちも落ち着いてきてホッとする。
勧められた彼女のお気に入りのワインも飲ませて貰った。
「ここは入手困難なワインや日本酒が手に入るのよ。日本酒は特に美味しいわ」
「日本酒ですか…お酒お強いんですね」
「結城くんは弱いほうよねぇ…」
そうだ。
昨夜はそれで失態をしでかしたのだから。
調子に乗って飲み過ぎたら駄目だろう。
「す…すみません。
社長の大切なスーツを酒を溢して汚してしまって…本当にお許しくださいっ」
俺は畳に頭を擦り付けるように再度謝罪した。
「スーツなんてどうでもいいわ。
あの時貴方が突然、私をつき飛ばしたから驚いただけよ」
それは貴女が俺の… その、股間の辺りをまさぐってきたからであってですね…
言い返せず、困惑しているのを分かった上で弄ぶかの様に彼女は言葉を続けている。
もしかして、今夜ここに呼び出したのは謝罪要求する為でなく、あの時の続きを求めてる?俺はここで彼女の相手をしなければならない?…だから離れの個室なのか…?まだ許された訳じゃない…?
「結城くん…あの時、私が貴方を誘ったと思ってる?」
「えっ…いや、えっと…
…そう、…じゃないんですか?」
「誘ったんじゃないわ。大人げないけど貴方って見てると虐めたくなっちゃうのよね」
「意地悪ですね、…勘弁してください」
「困ってる顔も綺麗ね…。
その綺麗な顔を見てると…無性にいたぶりたくなるわ」
先ほどまで普通に話していたのに…
彼女の声の調子から、微妙に苛立っているのを感じた。
俺は返答に迷っていた。どう返事を返せば彼女は気が済むのだろうか。
彼女は部屋の窓際にアンティーク調のソファーが置かれている場所へ移動するとその椅子に腰掛け、高級バックから煙草とライターを取り出した。指先で挟んだ煙草を薄い唇の間に咥えて火をつけた。紫煙が一筋の糸のように流れていく様を俺はただ眺めていた。
上を向きながら煙を吐き出し、多少、苛立ちが収まったのか彼女は言った。
「結城くん、私は貴方に抱かれたい訳じゃない。むしろその逆なのよ」
縮こまって畳に正座している俺の姿を彼女はソファーから見下ろした。全身を舐めるような卑猥な視線で。
「貴方は… 抱かれる方が似合ってる。そう思わない?」
「え…?」
「私はね…
綺麗な男の子が、男に捩じ伏せられている姿を観るのが好きなのよ」
な、 に…?
なにを言ってるんだ…この人は?
彼女の発した言葉の意味が理解できずにいた。理解しようとした時、その意味が喉に声が張り付いて言葉が出てこない。
「じゃあ…始めましょうか?」
高揚を滲ませ、喜びが抑えきれない表情でニタリと笑う女が目の前にいた。
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彼女の言葉が合図かのように、2人の男が部屋に乱入してきた。俺より背も高く骨格もいいスーツを着た男達が俺に近づいてくる。襖を開け逃げようとしたがそこは奥座敷になっていて、驚くことに広い布団が敷かれていた。用意周到すぎて戦慄した。
どう見てもヤバい状況でここから逃れようと試みたが腕を捕まれ、一人に後ろから羽交い締めにされる。必死で抵抗して暴れたが、もう一人の男に頬を叩かれて意識が朦朧している隙に俺は布団の上に押し倒された。
男が俺にのしかかって来る。両足を拡げられ、間に強引に体を割り入れてくる。
抵抗して体をよじっても難なく押さえられ、もう一人の男が頭上で俺の両手首を抑えて、ネクタイで縛りあげられた時、絶望を感じた。
「薬がそろそろ効いてくる頃じゃない?」
薬って…?
まさか、さっき勧められた酒に…
「な、に…入れ…た…?」
「媚薬よ。貴方は男とのセックスは初めてかしら?どうせならするなら気持ちいいほうがいいと思ってね」
ゾクリとした。
媚薬で疼いてるのか、アルコールのせいなのか体が火照っている。男達が疼く体を弄り始める。嫌なはずのに、感じたくないのに、体はもっとしてくれと昂ってくる。一度火が付き始めたら熱くてたまらない。
「君を初めて見た時から抱きたいと思ってた」
この男、以前から俺に目をつけてた…?
背後から俺を羽交い締めにしてる男が耳たぶを甘く噛みながら囁いた。興奮が抑えきれない男に俺は耳の穴に舌を差し込まれ、舐められる。同時に胸の乳首を摘まれて揉まれたが女の胸じゃないんだから触られても感じる訳ないだろ…
そう悪態をついていたら目の前の男に股間を大きな手でもみしだかれる。
あ…、勃ってきた…ヤバい…と焦る俺の尻のラインを男達の手が這い回る。こいつら本気で俺をヤル気だ…。そう確信したら冷や汗が背筋を流れていった。
頭がぐるぐると混乱している。
頭では恐怖に支配されているのに、体は薬のせいでイキたくて反応する。
ワイシャツのボタンを全て外され上半身を裸にされた。腰のベルトも外され、ジッパーをゆっくりと引き降ろされ、下着の上から俺の硬くなったものを指先でなぞり始めた。下着の中からガチガチに硬化したペニスを引き出されるとそれはプルンッと勢いよく飛びだした。
男の手は躊躇いもなく結城のペニスを掴むと先走りを潤滑油代わりにして何度も上下にしごいていくと更に硬度が増していった。反り返って震える先端からぷくりと溢れた液体はペニスの筋を通ってしっとりと滴っていく。
勃起した股間を男どもの欲望が滾った視線で視姦され、恥ずかしさで身体が熱く火照る。薄桃色の小さな乳首を手首を押さえていた男のゴツい指がクリクリといじくりまわす。
ペニスも唾液まみれになるまで口内で舐め回されてながら吸われてもて遊ばれた。袋を揉みながらペニスの裏側に浮き上がった血管を根本からなぞり上げるように男の厚い舌は結城の弱い箇所をしつこく舐め続けてくる。
気持ちよすぎて悶える結城を追い詰めるかのように亀頭の先端の穴を舌先で抉じ開けられると、快感から逃れるかのように自然と腰が浮いてしまう。これ以上刺激されたら気が狂ってしまう。だが、逃げることも叶わず男達にされるがまま嬲られるしかなかった。
頭上で腕を押さえている男が結城の股の間にいる男に問いかけた。
「お前ばっかり愉しんでるじゃないか…早く代われよ」
「嫌だね、ようやくこいつを抱けるんだ。時間をかけて愉しませてくれよ。けど、こいつのやらしい格好見てるだけで勝手にいっちまいそうで…もう、ぶち込んでいいよな」
「ぶち込むったって、この子後ろは絶対に処女だよ」
「どうだろう… 実際に確かめてようぜ」
彼らが話していた内容が実行される。残されていた下半身の衣類も全て剥ぎ取られた。暴かれた秘部にはたっぷりとローションが垂らされていく。果実に蜂蜜が垂らされていくようにとろとろと波打つように。男の指先がそれを一雫掬って襞に塗りつけて解してくる。初めはくすぐったい感覚だったのが時間を掛けて中までを解されていくと男の指を逃さないように襞は纏わりつも徐々に飲み込んでいった。一本だけだった男の指も二本目を咥え込ませていた。
「おい…ひくついてんぞ…ほんとに処女かよ…」
興奮して増々息が荒くなっていく男の息が太腿に当たったと感じた時にはたっぷりと解された蕾に舌をヌルリと挿入された後だった。結城の身体はビクリと跳ねた。蠢く舌は生き物のように結城の奥深い敏感な場所を犯していく。
「あっ… んっ! ああっつ!」
舌がチロチロと柔らかい肉の奥を円を描くように舐め取りながら奥へ進んでくる。
女のように喘ぎ声を出す結城を弄ぶように攻め続けていく。身体中が快楽の虜になっていた結城の蕾に男の硬くなったペニスの先端が押し当てられた。
熱い塊が徐々にめり込むように押し入ってきて思わず結城は声をあげた。それは悲鳴だったのか歓喜の声だったのか解らない。
性交用のローションがたっぷりと塗りたくられているため、結城の背筋に熱い快楽が稲妻のように走る。初めて感じる感覚。体の中に熱い棒が入って来る衝動に慄いて震えた。
「最初から全部は突っ込まねぇよ…まだ先っぽしか入れてないから安心しな」
「あ… あぅっ…やっ…ん!」
「最初、抵抗してた割にいい声で啼くよね」
何度も体を揺さぶられいるうちに男の大きな亀頭が次第に身体の奥に馴染んでくる。後孔がヒクヒクと疼き、背骨がゾクゾクするような快感に変わっていく。
嘘だ…初めてなのに男のアレを入れられて感じるなんて俺はおかしいんじゃないのか…
いくら薬を使われてるからって…嘘だ… 嘘だ
結城は自分が信じられなくなっていた。
手慣れた男は俺の脚を抱え直すとパンパンッと腰を打ち付け始めた。ゆっくりと前後に揺すられて結城の感じる箇所を探るように突いてくる。
「ここはどうだ?」
「あ…っ そこっ… やぁっ!」
「ヤバいね… 僕も早く入れたいよ」
腕を押さえていた男が俺達の痴態で興奮し、自らの股間を押さえて呻いている。
絶頂を目指し始め、前後に何度も揺さぶられ俺の身体が上にずり上がる度に、腰を引き寄せられて男根で貫かれる。欲望を奥にたっぷりと射精されると結合した部分の隙間から白濁がダラダラと溢れてくる。好き勝手にされ、散々抱かれた。
獣のように淫らに絡み合い、終わらないまぐわい。男同士の肉体が欲望を激しくぶつけ合い、絡み合う。
射精した一人目の男が俺の中からズルリと出ていくと、俺の両腕を拘束していた男の体躯が覆い被さってきた。
口調は穏やかだった男は今や余裕も無くなり、まるで発情期の獣のように、ギラついた雄の顔で俺を貪る。
まだ最初の男が吐き出した性液が後孔から漏れ出てくるのに…
すると男は指先を蕾に潜り込ませると、先の男が放ったものを中から掻き出すように動かし始めた。クチュクチュとやらしい音を立てられ、いじくられた俺の体がはイッたばかりだからなのか快楽の余韻で再び股間が熱くなってくる。
精液が纏わりついた指を引き抜いた男は自らの欲望を俺の濡れそぼった後孔にグジュ…リと卑猥な音をさせて押し入ってきた。
勃起して反り返ったカリ首で中の残滓を掻き出す為に何度も擦りあげる。
「あぁっ!やめっ… だ…めぇっ」
「ダメじゃないよね? 腰…動いてるよ?」
容赦なく何度も壁をこすり上げられ、男の亀頭が俺の奥に潜む性感帯を刺激する。媚薬で全身が敏感になってしまった身体は絶頂を迎える事しか考えられない。淫乱になってしまった結城の体は、快楽を欲しがり男の腰に脚を絡めて腰を引き寄せると、大きな背中に腕を回して縋り付いた。
男根を孔に咥えこみ、快感に震える浅ましい結城の体を男達は愉しんだ。
その淫らな光景を女社長は楽しそうに欲情した瞳で眺めていた。
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