絶対好きにならないはずなのに

ジカ

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3.カンボジア

6.甘い甘い時間

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 急展開にも拘わらず、全く不自然ではなかった。
 スムーズに行きすぎるくらいで、ちょっと怖いくらいだ。

 目の前に榊が私の乳房を揉みながら、交互に乳首を吸っている。
 中に出された精液をそのままに、榊の太い肉棒で封じている状態だ。

 中に出されたのはイヤじゃなかった。
 ……むしろ、すごく嬉しいくらいだ。

「ありすさんって……すっごくエロいですよね」
 突然何を言い出すのだろう。

 私は羞恥心でいっぱいになって、「そんなこと……」と誤魔化そうとする。

「そうやって恥ずかしそうにするのも、エロいです」
 榊がそう言うと、乳房を揉みながら私の唇に口付けをした。

「一回ちょっと抜きますね。いっぱい出してしまったし」
「あっ……」
 ぬるん、と抜かれて、白い粘液が私の秘部から滴り落ちていった。

「結構溜まってたみたいですね……、すみません。いっぱい中に出しちゃって」
 ティッシュ箱を持ってきて、その粘液を榊が拭き取ってくれる。
 股を開いたままの格好なのが恥ずかしい。

「もう一回してもいいですか? また硬くなってきちゃいました」
「あんっんんぅっ」
 私の返事を待たずに榊が中に再び挿れてきた。

 出してから少し柔らかくなっていたのがもうガチガチに硬くなって膨張している。
「ありすさんがすごいエロいから……またムラムラしてきました」
 キスをしながら、ゆっくりと腰を振る。

 精液の粘りが強すぎるのか、肉体がぶつかり合う度に皮膚が引っ張られて痛い。
 けれどそれ以上に強い快感に抗えず、激しいセックスを続けた。

 榊は見た目はそこまで男らしいという形容詞がないのに、ベッドの上では非常に男らしく、ガツガツと私を求めた。
 二回目の果てた後も、ベッドの上でしばらくイチャイチャして再びセックスをした。

「こんなに性欲が強いとは思いませんでした」
 そう言いながら、私の膣の奥まで強く突き続ける。

「ありすさん……愛してます」
 気持ちよさそうに眉を歪めて、私に熱烈なキスを繰り返した。

 私のことを本当に好きで好きでたまらない、と言わんばかりに強く抱き締めながら中に果てる。

「三回しちゃいましたね」
 ようやくここで恥ずかしそうにはにかむ榊の顔を見て、胸がきゅっと締め付けられた。

 これで終わりかと思いきや、翌日の仕事の昼休みに榊に呼ばれた。
「ちょっと僕の部屋で……」
 素直に榊の部屋に向かうと、ドアを閉めた途端に熱いキスをしてきた。

「ちょ、ちょっと……仕事中なのにッ」
 榊に強引にTシャツとブラ同時に捲り上げられ、露わになった乳房を吸われる。
「ああっ……、こんなこと……」
「我慢出来なくて……ごめん」
 ベッドの上に押し倒され、ズボンを剥ぎ取られた。
「ありすさんッ……」
 あっという間の出来事だった。
 ずぷっと大きく膨らんだペニスを貫かれ、強い快感が押し寄せてくる。

「ああんっ……やだ、気持ちいっ……」
「ありすさん……愛してる」
 激しい腰の振りに、私はたまらず声を漏らした。

 中に出されるまで五分もかからなかっただろうか。
 ビクン、ビクンッ、と中で榊のモノが痙攣した。

「すみません……仕事中に」
「ううん……すっごく興奮しちゃいましたね」
 申し訳なさそうな顔をする榊を見てくすっと笑った。

「帰ったら、一緒に暮らしませんか? 急な話ではあるんですけど」
「そんなに一緒にいたいんですか?」
「はい、一秒たりとも離れたくないです。やっと……やっと付き合えたんですから」
 切なそうに私を見て、優しいキスをする。

「ふふ、嬉しい。今すぐにはちょっと難しいけど、ちゃんと考えますね」
「はい、僕の家に引っ越してくれればいいので大丈夫です」
「あら、二人で暮らせるほどの広さなんですか?」
「大丈夫ですよ。ありすさんの会社も近くになりますよ」
 てっきり二人で新しい家を探すと思っていたが、すでに分譲マンションを持っているとのことだったので、話が早かった。

「じゃあ……お言葉に甘えて、引っ越しの準備をしようかしら」
「是非! お願いします! あ……そろそろご飯を食べないとダメですね。今、抜きます」
 ハメたままだったので、急に恥ずかしくなった。
 ぬぷん、といやらしい音を立てながら抜かれ、白粘液が零れる前にティッシュで抑え込む。

「また夜にしましょうね」
 ズボンをはき直している時に榊に後ろから抱き締められた。
「すごいですね、榊さん……これだけいっぱいしても、まだ元気なんですか?」
「おかしいな、普段はここまでじゃなかったんですけど。やっぱりありすさんだからかなあ」
 服の上から乳房を揉まれる。
「ほら、ありすさんの乳首もこんなに硬いままですよ」
 くりくりっと摘ままれる刺激に耐えながら、「もうっ……」とズボンのチャックを締めた。

 二人でダイニングルームに出てくると、すでに食卓にご飯が並べられていた。
 信田と通訳士が並べてくれたようだ。
「すみません」
 と榊がしれっと言う。
 私はショーツの中に違和感を覚えつつも、「遅れてごめんなさい」と謝った。

「いいえ、とりあえず食べましょう」

 信田が意味ありげな笑みを含ませながら、私に座らせるように椅子を引く。

「ありがとうございます」

 ---------------------

 その夜も、榊と愛し合った。
 早朝にバスに乗ってシェムリアップに行かなければならないので、一回だけね、と約束したのに、結局もっとしたいと榊にせがまれて二回ヤッた。

 肉欲に溺れてしまった感じがして、ちょっとみっともないような感じもする。
 仕事中なのに、セックスに明け暮れているような気分だった。

 どうにか早起きをして、信田と三人でシェムリアップに向かう。

 信田は気付いているのだろうか。
 だが一向に「付き合ってるの」と聞いてこない。
 素知らぬ顔をして、飄々としている。

 勘の良さでいったら信田の方が上なのに、気付かないわけがない。
 信田に見えない角度で、榊が私の身体をタッチしてくる。
 別にバレてもいいのだが、何となく秘密裏にイチャイチャした。

 ホテルに着くと、榊が信田に言った。
「じゃ、僕たちはこの後予定があるので、また」
「はーい」
 信田は興味なさそうにホテルに部屋に消えていった。

「……気付いているんですよね? 私たちが付き合ってること……」
「だと思いますけど。僕が村に戻ったら信田先生に気をつけてくださいよ?」
「はいはい、分かってますよ」
 榊に注意されながらも、腰に手を回されて喜ぶ自分がいた。

 アンコール・ワット遺跡は壮大だった。
 榊は二回ほど行ったらしいが、何度来ても迫力があって感動する、と話していた。
 カンボジアの神様の前でいちゃつくのはどうかと思うが、抗えない。
 人気が全くなくなった瞬間に、榊からキスをせがまれて口付けを交わすというような、性的な行為を神の前でやってしまう。

 散々歩き回って疲れているのに、ホテルに戻ったらセックスしまくった。
 私が馬乗りになって、乳房を揺らしながら腰を振ることもした。

 自分がこんなにもエロいとは思わなかった。
 ホテルの備え付けの鏡に、私と榊が交わる姿が映っているのが見えた。
 気持ちよさそうに顔を歪ませている自分の姿が見えて、アダルトビデオを鑑賞しているような妙な気分になる。
 鏡の前に立って、バックで突かれてよがる自分の顔も見た。
 淫らでエロい自分の姿を直視して、より興奮する。

「ああっ、もっと奥まで来てぇ!」
 最初は羞恥心でいっぱいで何も言えなかったのに、今では堂々とせがむようになった。
 榊の突き続ける張りのある尻を掴み、ぐいぐいと奥まで貫くように誘う。

「出るッ……」
「いっぱい中に出して……ッ」
「くっ……」

 恥ずかしい言葉も榊には言える。
 自分が解放されたような気持ち良さがあった。

 榊宗佑という人を好きになって良かった、と心の底から思った。

「宗佑さん……愛してる」
「ありすさん……ッ! 僕もありすさんを愛してます」

 次の日はどこにも出掛けずに、セックスに浸ってしまった。
 朝から榊がムラムラして覆い被さってきて、そのまま行為に至ってしまった。

「止まらない……。ずっとありすさんに触れていたすぎて狂ってしまったのかな」
 榊がそう言いながら元気に勃つ自身を見下ろしながら、苦笑いする。
「私もおかしくなっちゃってるかも……。ずっと濡れっぱなしだし……」
「日本に戻ったら早く一緒に暮らそう」
 はっきりと結婚も視野に入れていることも榊から言われている。
「うん……、楽しみ」
「じゃ、もう一回」
「もう?」
「うん、ダメ?」
「ダメじゃ、ない……」
 榊が私の中に挿れて腰を沈めていった。

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