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211話 ひとには譲れないものがあったりする
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まさしく艱難辛苦(かんなんしんく)の極みにある給仕長リオックは、まず店の事務室に寄り、そこで居眠りをしていた店長をたたき起こしてから、この勇者テーブルへと雪崩れ込んだ。
そして、つっかえつっかえしながらも、なんとか自らが愛するこの店が今、未曾有の窮状にあることを"ある者"に向け、切々と訴えかけたのである。
そう──
その者というのは、二時間ほど前、この一般客には堅く封印されていた特別貴賓席を、煌めく青い鋼鉄の五芒星をかざし
「これハゲチャビンよ!! この御方をどなたと心得る!!」
と喚いて無理矢理に開かせた、御歳(おんとし)五千歳のカミラーである。
だが──
「フン! いやじゃ。このわらわは高雅な嗜(たしな)みのひとつとして、何処(どこ)の如何(いか)なる街を訪れるとも、まずそこの最高級茶葉を賞味し、比較審美したその上で、特別気に入ったものに関しては、そこに逗留する間、仮の寝所にても朝・宵につけ、ゆるりと喫する為、それを必ず過不足なく買いつけることにしておるでな」
と、誉れ高き吸血貴族の長であり、自らを一端の趣味人と謳(うた)うカミラーは、人間族のゴルゴン一門など知らぬ、存ぜぬ、顧みぬ、であり、一度買い占めた茶葉を少しも譲る気がないだけでなく、続け様に
「この度の茶葉じゃが、見事、このわらわの眼鏡にかなったこと、まずまず親子三代まで誉れとして語り継ぐがよい。
うむ、苦しゅうない。ギャハハハハッ!」
と、むしろ誇らしげに宣うのだった。
だが無論、店の存亡がかかった店長らは
「んはぁっ!! これは有り難き幸せ、って、いやいやいやっ!! そこをなんとか! お、お助け下さいませー!!」
と必死になって、希少なる茶葉の返還を懇願するのだった。
だが、元はといえばこの窮地、カミラーが気前よく放った茶葉の代金が、通常の相場を軽く10倍は越えていたので、その過剰なまでの差額を、そっくりそのまま着服(ネコババ)してしまえ、と、つい在庫のすべてを放出してしまった給仕長の阿漕(あこぎ)な強欲が招いた当然の報いでしかなかったという。
さて、この妙な展開とやり取りとを、しばし静観していた女勇者達であったが、そのうちでも最も良識のある?魔法賢者ユリアが、気の毒なほどに逼迫(ひっぱく)したリオックらの顔を見ておれず、真っ先に愛らしいソバカス顔を引き締めた。
「あのー、ちょっとカミラーさん?さっきから黙って聞いていれば、ちょーっと、おとなげないんじゃありませんか?
大体、さきほどカミラーさんが買ったミントティの茶葉って、確か三箱はあった筈ですよね?それって、さすがにひとりで飲むには多すぎませんかねー?
先ほどからああして、お店の方達も、とーっても困ってるみたいだし、その、少しくらい分けてあげてもいいんじゃないですか?」
言いながらユリア自身も、この五千歳の超絶頑固吸血姫が決して折れず、まして御満悦でお気に入り認定したモノのお裾分けなど、先ず先ず叶わぬ夢であろうな、と思いつつも、一応は役割分担。
それらしい良識を列(つら)ねてみせた。
「そーそー、んなチョイと香りがいいくらいのお茶なんてさー、まぁたどこででも買えるでしょ?
ヒック! 大体さー、この世界を救おうっていう伝説の光の勇者さんがさー、たかがお茶の葉っぱくらいでヘンな意地はってどーすんのさ?」
すっかり大虎になったマリーナでも、これくらいの分別くさいことは言える。
「うん。それもそうだが、店主殿。このカミラーがさきほど購入したモノは、あれきりとして、なにかそれに次ぐような等級の茶葉はないものか?」
さすがにシャンは、先の二人よりもう少しカミラーを読んでおり、幾らか現実的な打開策を提言した。
「は、はぁ……それも勿論考えましたが、あのゴルゴンの方々に、一等級がないから二番手で妥協しろ、などとは、その……むしろ余計に怒りを買ってしまいそうで……」
「光の勇者様っ!! 何卒先ほどの茶葉! 二倍、あいや三倍で買い取らせて下さいませっ!!」
リオックも店長も、この南部で生きる、しがない一般人でしかなかった。
だが、こちらの小粒なお嬢様ときたら、"五千年仕込み"の超弩級お姫様気質と、端(ハナ)からモノが違うのだ。
もうこうなるとテコでも動かない。
「んたわけいぃっっ!! もとより金子の問題ではないわいっ!!」
と一喝し、いかに女勇者たちが束となり、なだめすかそうとも
「ほほーぅ、じゃなにかぇ?売り物として売っていたモノを、気持ちよーく正当に買うた、このわらわにこそ責めるべき過失があり。
あいやぁー、ついつい考えもなく売りすぎちまっただー、んはー、これでは他の客が困ってしまうべ?
ん?だがよ、あすこさいって、ちょーっくら頭下げて返してもらえば済むはなしだべ?
なんのなんの、ヌハハハハー!! と勝手宣うコヤツらの方が、あぁ可哀想……てか?!おー!?」
と余計に火に油。文字通りの牙をむき、まったく始末におえなかった。
そうこうしていると、いよいよゴルゴンの方でしびれを切らしたか、遂に、リンリーン……遠く離れたテーブルの銀製の呼び鈴が振るわれた。
「はほぁっ!? ゆ、勇者様ぁっ!! こここ、ここは我々を助けると思って! どうか!どうか! 一箱だけでもなんとかなりませんかー!?」
こうなると文字通り死活問題。店側の両人はいい歳をして、幼女みたいなカミラーのヒール先へと、もろ手をついてひざまずき、半泣きの命乞いを極(き)めた。
「くどい! 大体その餓鬼娘ら、そのように喉から手が出るほどに、この茶が欲しいというのなら、ふんぞり返って鈴などならす前に、直々にここへと参って、コレコレこーゆう訳で、どうか幾らか恵んでくだされませぇ、と、こう頼みにくるのが筋であろうが? ええ?
コレ、ハゲチャビン!! どっかわらわが間違えておるか!? 泣かいでもええから、間違えておったら遠慮のうゆうてみい!!」
と、あくまで譲歩を知らぬカミラーは吼えつつ、その手元では悠然とポットを傾け、なるほどの格調高い香気を漂わせては、これ見よがしに、ゆるりと喫してからの「ウーン美味い!」である。
当然これに勇者仲間達はタメ息を吐いて「ダメだコリャ」と頭を抱えるが、なんと言われようが蛙の面にナンとやらである。
「ウム。カミラーよ……」
と、ここに来てようやく魔王が口を開いた。
これに、アンとビスも含めた皆が期待の眼差しを向ける。
「カミラーよ、単なる小娘らを相手に、先ほどから見苦しい。
そのような陳腐な茶の葉の一摘まみなぞ、さっさと恵んでやらぬか。それより葡萄が切れたぞ」
との、お手打ちを期待したのだったが──
「フフフ……。ウム、そのお高くとまった鼻持ちならん増上慢の驕慢(きょうまん)娘どもだが……今宵あえて、その者らが、はち切れるまで煽り立ててみるのも一興、何やら楽しそうだ。
それにだ、驕った豪商一族の威を借り、なんでもかんでも自儘が通ると思い込んでおる人間を懲らしめてやるというのも、ひとつ! 我ら光の勇者様の務めではないか?
ウム、俺が間違っておったら遠慮なく申せ」
ドラクロワも悪い方に興が乗って来たようで、言って、いつもは決して手を伸ばさぬカミラーのポットを、ガッと掴み、空いていた適当なグラスに注ぐや、サアッとあおり
「ウーム不味い」
紫の親指の爪で白い歯に触れ、最高級のアメジストみたいな瞳を爛々(らんらん)と輝かせた。
そう、ブルカノンの酒とは、味は勿論、その度数の高さでも評判だった、とか。
この鶴の一声にカミラーは心を打たれ、やはり、この名君についてきた甲斐があった、と目頭を熱くして、口をへの字に結んでは恭しく頭を垂れた。
これにユリアをはじめとした女勇者達は顔を見合せ、即座の反論に窮した挙げ句、一斉に店主達の湿った顔を見るしかなかった。
「んええーー!!? っか、勘弁してくだいよぉおー!!」
無論、南部最大のお偉いさんの一族と、伝説の光の勇者との板挟みになった店側として、決して面白いでは済まされなかった。
そこで、リオックと店主の血を吐くような、たっての願いから、ユリア、シャン、マリーナの三名がゴルゴンのなだめ役として選抜され、美しき夜叉三匹の待つ敵陣へおもむくこととなった。
そして、つっかえつっかえしながらも、なんとか自らが愛するこの店が今、未曾有の窮状にあることを"ある者"に向け、切々と訴えかけたのである。
そう──
その者というのは、二時間ほど前、この一般客には堅く封印されていた特別貴賓席を、煌めく青い鋼鉄の五芒星をかざし
「これハゲチャビンよ!! この御方をどなたと心得る!!」
と喚いて無理矢理に開かせた、御歳(おんとし)五千歳のカミラーである。
だが──
「フン! いやじゃ。このわらわは高雅な嗜(たしな)みのひとつとして、何処(どこ)の如何(いか)なる街を訪れるとも、まずそこの最高級茶葉を賞味し、比較審美したその上で、特別気に入ったものに関しては、そこに逗留する間、仮の寝所にても朝・宵につけ、ゆるりと喫する為、それを必ず過不足なく買いつけることにしておるでな」
と、誉れ高き吸血貴族の長であり、自らを一端の趣味人と謳(うた)うカミラーは、人間族のゴルゴン一門など知らぬ、存ぜぬ、顧みぬ、であり、一度買い占めた茶葉を少しも譲る気がないだけでなく、続け様に
「この度の茶葉じゃが、見事、このわらわの眼鏡にかなったこと、まずまず親子三代まで誉れとして語り継ぐがよい。
うむ、苦しゅうない。ギャハハハハッ!」
と、むしろ誇らしげに宣うのだった。
だが無論、店の存亡がかかった店長らは
「んはぁっ!! これは有り難き幸せ、って、いやいやいやっ!! そこをなんとか! お、お助け下さいませー!!」
と必死になって、希少なる茶葉の返還を懇願するのだった。
だが、元はといえばこの窮地、カミラーが気前よく放った茶葉の代金が、通常の相場を軽く10倍は越えていたので、その過剰なまでの差額を、そっくりそのまま着服(ネコババ)してしまえ、と、つい在庫のすべてを放出してしまった給仕長の阿漕(あこぎ)な強欲が招いた当然の報いでしかなかったという。
さて、この妙な展開とやり取りとを、しばし静観していた女勇者達であったが、そのうちでも最も良識のある?魔法賢者ユリアが、気の毒なほどに逼迫(ひっぱく)したリオックらの顔を見ておれず、真っ先に愛らしいソバカス顔を引き締めた。
「あのー、ちょっとカミラーさん?さっきから黙って聞いていれば、ちょーっと、おとなげないんじゃありませんか?
大体、さきほどカミラーさんが買ったミントティの茶葉って、確か三箱はあった筈ですよね?それって、さすがにひとりで飲むには多すぎませんかねー?
先ほどからああして、お店の方達も、とーっても困ってるみたいだし、その、少しくらい分けてあげてもいいんじゃないですか?」
言いながらユリア自身も、この五千歳の超絶頑固吸血姫が決して折れず、まして御満悦でお気に入り認定したモノのお裾分けなど、先ず先ず叶わぬ夢であろうな、と思いつつも、一応は役割分担。
それらしい良識を列(つら)ねてみせた。
「そーそー、んなチョイと香りがいいくらいのお茶なんてさー、まぁたどこででも買えるでしょ?
ヒック! 大体さー、この世界を救おうっていう伝説の光の勇者さんがさー、たかがお茶の葉っぱくらいでヘンな意地はってどーすんのさ?」
すっかり大虎になったマリーナでも、これくらいの分別くさいことは言える。
「うん。それもそうだが、店主殿。このカミラーがさきほど購入したモノは、あれきりとして、なにかそれに次ぐような等級の茶葉はないものか?」
さすがにシャンは、先の二人よりもう少しカミラーを読んでおり、幾らか現実的な打開策を提言した。
「は、はぁ……それも勿論考えましたが、あのゴルゴンの方々に、一等級がないから二番手で妥協しろ、などとは、その……むしろ余計に怒りを買ってしまいそうで……」
「光の勇者様っ!! 何卒先ほどの茶葉! 二倍、あいや三倍で買い取らせて下さいませっ!!」
リオックも店長も、この南部で生きる、しがない一般人でしかなかった。
だが、こちらの小粒なお嬢様ときたら、"五千年仕込み"の超弩級お姫様気質と、端(ハナ)からモノが違うのだ。
もうこうなるとテコでも動かない。
「んたわけいぃっっ!! もとより金子の問題ではないわいっ!!」
と一喝し、いかに女勇者たちが束となり、なだめすかそうとも
「ほほーぅ、じゃなにかぇ?売り物として売っていたモノを、気持ちよーく正当に買うた、このわらわにこそ責めるべき過失があり。
あいやぁー、ついつい考えもなく売りすぎちまっただー、んはー、これでは他の客が困ってしまうべ?
ん?だがよ、あすこさいって、ちょーっくら頭下げて返してもらえば済むはなしだべ?
なんのなんの、ヌハハハハー!! と勝手宣うコヤツらの方が、あぁ可哀想……てか?!おー!?」
と余計に火に油。文字通りの牙をむき、まったく始末におえなかった。
そうこうしていると、いよいよゴルゴンの方でしびれを切らしたか、遂に、リンリーン……遠く離れたテーブルの銀製の呼び鈴が振るわれた。
「はほぁっ!? ゆ、勇者様ぁっ!! こここ、ここは我々を助けると思って! どうか!どうか! 一箱だけでもなんとかなりませんかー!?」
こうなると文字通り死活問題。店側の両人はいい歳をして、幼女みたいなカミラーのヒール先へと、もろ手をついてひざまずき、半泣きの命乞いを極(き)めた。
「くどい! 大体その餓鬼娘ら、そのように喉から手が出るほどに、この茶が欲しいというのなら、ふんぞり返って鈴などならす前に、直々にここへと参って、コレコレこーゆう訳で、どうか幾らか恵んでくだされませぇ、と、こう頼みにくるのが筋であろうが? ええ?
コレ、ハゲチャビン!! どっかわらわが間違えておるか!? 泣かいでもええから、間違えておったら遠慮のうゆうてみい!!」
と、あくまで譲歩を知らぬカミラーは吼えつつ、その手元では悠然とポットを傾け、なるほどの格調高い香気を漂わせては、これ見よがしに、ゆるりと喫してからの「ウーン美味い!」である。
当然これに勇者仲間達はタメ息を吐いて「ダメだコリャ」と頭を抱えるが、なんと言われようが蛙の面にナンとやらである。
「ウム。カミラーよ……」
と、ここに来てようやく魔王が口を開いた。
これに、アンとビスも含めた皆が期待の眼差しを向ける。
「カミラーよ、単なる小娘らを相手に、先ほどから見苦しい。
そのような陳腐な茶の葉の一摘まみなぞ、さっさと恵んでやらぬか。それより葡萄が切れたぞ」
との、お手打ちを期待したのだったが──
「フフフ……。ウム、そのお高くとまった鼻持ちならん増上慢の驕慢(きょうまん)娘どもだが……今宵あえて、その者らが、はち切れるまで煽り立ててみるのも一興、何やら楽しそうだ。
それにだ、驕った豪商一族の威を借り、なんでもかんでも自儘が通ると思い込んでおる人間を懲らしめてやるというのも、ひとつ! 我ら光の勇者様の務めではないか?
ウム、俺が間違っておったら遠慮なく申せ」
ドラクロワも悪い方に興が乗って来たようで、言って、いつもは決して手を伸ばさぬカミラーのポットを、ガッと掴み、空いていた適当なグラスに注ぐや、サアッとあおり
「ウーム不味い」
紫の親指の爪で白い歯に触れ、最高級のアメジストみたいな瞳を爛々(らんらん)と輝かせた。
そう、ブルカノンの酒とは、味は勿論、その度数の高さでも評判だった、とか。
この鶴の一声にカミラーは心を打たれ、やはり、この名君についてきた甲斐があった、と目頭を熱くして、口をへの字に結んでは恭しく頭を垂れた。
これにユリアをはじめとした女勇者達は顔を見合せ、即座の反論に窮した挙げ句、一斉に店主達の湿った顔を見るしかなかった。
「んええーー!!? っか、勘弁してくだいよぉおー!!」
無論、南部最大のお偉いさんの一族と、伝説の光の勇者との板挟みになった店側として、決して面白いでは済まされなかった。
そこで、リオックと店主の血を吐くような、たっての願いから、ユリア、シャン、マリーナの三名がゴルゴンのなだめ役として選抜され、美しき夜叉三匹の待つ敵陣へおもむくこととなった。
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