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キャラが違うから言わない 2
しおりを挟む「カイザー様、あれだけ鍵ねぇけどどうする?取り敢えず先運ぶだけ運ぶか?」
耳元で小さく問うソラの視線の先には先程まで舞台にあった大きな檻。
他の檻はランやサスケが倒した男達の懐を探って鍵を開けてからソラが転移させたがあの檻だけ鍵が見当たらないらしい。
もしかしたら突然の停電で鍵を持った男が人を呼びにどこかへ移動してしまったのかも知れない。
「いや、中の子を早く出してあげたいし私が開けるよ」
「は?どうやって…」
檻の中にぎゅうぎゅう詰めにされた彼ら彼女らへ屈んで動かないように告げる。
暗闇の中、状況もわからない彼らは怯えながらも言葉に従う。
メラルドに持っていた灯りで檻の上部を照らして貰い、剣を抜いた俺は高く飛んだ。
横に凪ぐように剣を払う。
風を切るような音と、次いで硬質な何かが地へ落ちる音。
そしてその後には上部を斬りおとされた檻があった。
「わぁっ!!凄い!恰好いいです!」
「お見事です」
メラルドやランの称賛を受けながら、眼を真ん丸にしたソラに「宜しく」と告げれば、リリアから「ちょっと待って下さい!」と声が掛かった。
何かと思って振り向くと。
「その前に、剣をしまいながら「またつまらぬ物を斬ってしまった」って言ってみてくれませんか?」
「「「………」」」
石○五ェ門かっ?!!
何なの?今日はアニメブーム到来なの??
そしてこの状況でよく大真面目な顔でそんなこと言えたな!!
言わねぇわ!!
そしてソラとリリー嬢も一瞬リリアのことジト眼で見た癖に期待した顔で俺を見るんじゃないやい!!
俺も第三者だったらそっち側に居たかも知れないという事実には見ぬふりをする。
俺は無言で斬鉄○ならぬ愛用の剣をしまって再びソラへと振り向いた。
ガッカリした空気?知らんわ、そんなん!!
「そんなことより、そろそろ人が集まって来てしまうよ。君たちは早く紛れないと」
疲れた息を吐きつつ彼らを促す。
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