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俺的には今の状況が割とカオス 2

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 その後、到着した騎士団を迎え入れ、騎士団長とともにジストを交えて話をした。
 ティハルトへの報告もあるし、俺以外にも事情を知っている者が居た方がいい。

 ジストを王城に連れて行くのが一番早いんだろうけど、流石に高位の魔族・しかも黒竜をいきなり王城へ招くのは危険とのことでこうなった。
 一通り話をした後、拘束するわけにもいかないのでジストは解放。ジストは当初の予定通り、近隣の山や森をまわってみるつもりらしい。

 とはいえ、ジストとは今後も連絡をとる必要がある。

 そこで合宿の時のブレスレット登場!

 理事長に掛け合って一つ譲って貰いました。
 発信機つきのブレスレットがあればいつでも居場所がわかるしね。それとは別に数日後に約束もしたけど。

 こういう時、本当に前世の携帯は便利だなとつくづく思う。
 誰か発明してくれないかなー。

 騎士団長はそのまま理事長たちと学園に騎士を配置する件について話し合いがあるので俺は一時席を外させて貰った。
 まだ多少の動揺は残しながらも、生徒たちは落ち着きを取り戻していた。
 騎士の到着もあり家からの迎えに帰宅する生徒も居れば、多くの生徒は後片付けや引き続き明日の学園祭の準備に追われている。

 いつもより一層多くの注目を浴びながら俺は教えて貰った部屋へと向かう。

 因みに服装は騎士達が到着する前に既に着替えてある。
 これ以上魔王呼ばわりは御免だし、さほど奇抜ではないとはいえ、ヴァンパイア・ロード仕様で騎士に向かい合うのも城へ連行されるのも御免だった。

 そして向かう部屋に居る騎士を聞いて、英断だったと思う。

 だって笑う。絶対笑われる。
 そして揶揄からかわれる。

「カイザー、お前本当にいい加減にしろよ」

 開口一番、ちょっとキレ気味に笑顔を見せたのは副団長のディークだ。

「お疲れ様です、ディーク副団長」

「おぅ、さらっと流してんじゃねーよ」

「先輩、素が出ちゃってます。王子殿下たちの目の前ですよ」

「別にいいんだよ。楽にしていいって許可頂いてるから」

 室内には攻略対象者たちが勢揃いだった。

 そしてまたもヒロイン不在……。

 扉の前に騎士が数人居たし、ダイアやアレクサンドラは王子という立場上護衛も兼ねてだろう。
 ガーネストやサフィアは学園の生徒会長・副会長として明日以降の学園祭や警備の話など詳しい話を聞くためだろうか。
 メラルドは……多分暇だったからじゃないかな。
 あの子は遊びに来てただけだから学園祭の片づけや準備も関係ないしね。

「…で?」

 若干オラつきながら顎をしゃくられて問いかけられ、ひとまず手近な椅子を引いて腰かけた。

 っていうか俺への対応がぞんざい過ぎませんか?
 爵位放棄したとはいえ仮にも公爵家なのに…なんて思いながら経緯を掻い摘んで説明する。

「……と、いう訳で黒竜はひとまず去りました。魔獣の乱獲・売買については問題ですし、魔王の件もありますから騎士団長から改めて陛下へと報告が上がるでしょう」

 そう、“魔王”。

 俺の魔王疑惑とは別にマジモンの魔王問題が勃発していた。
 寧ろその魔王問題があったからこそ俺の魔王疑惑が発生したといってもいい。

 あの後、何故かリフとハンゾーに異様に怯えていたジストから聞いた話いわく。

 “魔王”というのは“種”の名前であるらしい。


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