274 / 348
俺的には今の状況が割とカオス 2
しおりを挟むその後、到着した騎士団を迎え入れ、騎士団長とともにジストを交えて話をした。
ティハルトへの報告もあるし、俺以外にも事情を知っている者が居た方がいい。
ジストを王城に連れて行くのが一番早いんだろうけど、流石に高位の魔族・しかも黒竜をいきなり王城へ招くのは危険とのことでこうなった。
一通り話をした後、拘束するわけにもいかないのでジストは解放。ジストは当初の予定通り、近隣の山や森をまわってみるつもりらしい。
とはいえ、ジストとは今後も連絡をとる必要がある。
そこで合宿の時のブレスレット登場!
理事長に掛け合って一つ譲って貰いました。
発信機つきのブレスレットがあればいつでも居場所がわかるしね。それとは別に数日後に約束もしたけど。
こういう時、本当に前世の携帯は便利だなとつくづく思う。
誰か発明してくれないかなー。
騎士団長はそのまま理事長たちと学園に騎士を配置する件について話し合いがあるので俺は一時席を外させて貰った。
まだ多少の動揺は残しながらも、生徒たちは落ち着きを取り戻していた。
騎士の到着もあり家からの迎えに帰宅する生徒も居れば、多くの生徒は後片付けや引き続き明日の学園祭の準備に追われている。
いつもより一層多くの注目を浴びながら俺は教えて貰った部屋へと向かう。
因みに服装は騎士達が到着する前に既に着替えてある。
これ以上魔王呼ばわりは御免だし、さほど奇抜ではないとはいえ、ヴァンパイア・ロード仕様で騎士に向かい合うのも城へ連行されるのも御免だった。
そして向かう部屋に居る騎士を聞いて、英断だったと思う。
だって笑う。絶対笑われる。
そして揶揄われる。
「カイザー、お前本当にいい加減にしろよ」
開口一番、ちょっとキレ気味に笑顔を見せたのは副団長のディークだ。
「お疲れ様です、ディーク副団長」
「おぅ、さらっと流してんじゃねーよ」
「先輩、素が出ちゃってます。王子殿下たちの目の前ですよ」
「別にいいんだよ。楽にしていいって許可頂いてるから」
室内には攻略対象者たちが勢揃いだった。
そしてまたもヒロイン不在……。
扉の前に騎士が数人居たし、ダイアやアレクサンドラは王子という立場上護衛も兼ねてだろう。
ガーネストやサフィアは学園の生徒会長・副会長として明日以降の学園祭や警備の話など詳しい話を聞くためだろうか。
メラルドは……多分暇だったからじゃないかな。
あの子は遊びに来てただけだから学園祭の片づけや準備も関係ないしね。
「…で?」
若干オラつきながら顎をしゃくられて問いかけられ、ひとまず手近な椅子を引いて腰かけた。
っていうか俺への対応がぞんざい過ぎませんか?
爵位放棄したとはいえ仮にも公爵家なのに…なんて思いながら経緯を掻い摘んで説明する。
「……と、いう訳で黒竜はひとまず去りました。魔獣の乱獲・売買については問題ですし、魔王の件もありますから騎士団長から改めて陛下へと報告が上がるでしょう」
そう、“魔王”。
俺の魔王疑惑とは別にマジモンの魔王問題が勃発していた。
寧ろその魔王問題があったからこそ俺の魔王疑惑が発生したといってもいい。
あの後、何故かリフとハンゾーに異様に怯えていたジストから聞いた話曰く。
“魔王”というのは“種”の名前であるらしい。
131
お気に入りに追加
421
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます
水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか?
私は、逃げます!
えっ?途中退場はなし?
無理です!私には務まりません!
悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。
一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
今日も聖女は拳をふるう
こう7
ファンタジー
この世界オーロラルでは、12歳になると各国の各町にある教会で洗礼式が行われる。
その際、神様から聖女の称号を承ると、どんな傷も病気もあっという間に直す回復魔法を習得出来る。
そんな称号を手に入れたのは、小さな小さな村に住んでいる1人の女の子だった。
女の子はふと思う、「どんだけ怪我しても治るなら、いくらでも強い敵に突貫出来る!」。
これは、男勝りの脳筋少女アリスの物語。
私はモブのはず
シュミー
恋愛
私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。
けど
モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。
モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。
私はモブじゃなかったっけ?
R-15は保険です。
ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。
注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。
気が付けば悪役令嬢
karon
ファンタジー
交通事故で死んでしまった私、赤ん坊からやり直し、小学校に入学した日に乙女ゲームの悪役令嬢になっていることを自覚する。
あきらかに勘違いのヒロインとヒロインの親友役のモブと二人ヒロインの暴走を抑えようとするが、高校の卒業式の日、とんでもないどんでん返しが。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる