ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

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プッツンした 1

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 某テーマパークのアトラクションか……。

 そんな突っ込みが思わず漏れた。(勿論心の中だけで)

 見渡す限り……人、人、人。

 待ち時間の書かれたボードを手に、「只今の待ち時間2時間40分でーす!!」「ご予約の方はこちらへー!!」と声を掛けるスタッフに、長い行列に並びながら頬を染めてコンパクトを覗きこみ身だしなみを整えたり友人とはしゃぐ女の子達。

 彼女たちのお目当ては選りすぐりのイケメンたち。

 ガーネストのクラスの出し物、それはズバリ。
「メイド&執事喫茶」である。

 ガーネストのクラスには学園の生徒会長であるガーネストに、リアル王子であるダイアとアレクサンドラと攻略対象者が三人+サブキャラのシリウスまでいるわけで…。

 学園屈指の美形率の高さに女子が殺到。
 2時間待ち、3時間待ちは当たり前。

 弟の人気が某テーマパークのアトラクション並みな件…。

 いや、雰囲気的にはアイドルの追っかけか?

 長蛇の列を横目にファストパス、もとい予約済みの俺達はすいすいとご入場。
 ダイアが予約とっててくれて良かったわー、絶対並びたくないコレ。


「お帰りなさいませ、ご主人様」

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 教室としての面影がもはやない室内へ足を踏み入れるなりメイドさんと執事が恭しく出迎えてくれた。どうやらクラッシックな雰囲気のメイド&執事らしい。

 良かった…。
 テレビで見たようなテンション高めの「萌え、萌え♡」的なノリでこられたらどうしようかと思った。

 執事役の男子生徒が椅子を引いてくれ、メイド役の女子生徒がすぐさま紅茶とケーキをセッティングしてくれる。
 指名したいメイド&執事が居れば一人につき一人まで指名可能。
 常時ついてくれるわけでなく一瞬席に立ち寄ってくれるだけだけどね。

 そして一組につき最高滞在時間は20分。
 3時間待って20分……。

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