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朔の夜は終わりを告げる 4
しおりを挟むそれにしても我が弟妹を始め、ゲームの登場人物たちの人気すげぇ。
光栄なことに顔出しなしのモブキャラな俺も大人気だが、俺は今日は壁の花に徹すると決めてるんでな!
一人踊ったら他と踊らんわけにはいかなくなるし。
ヒロインたちも無事、攻略対象者たちと踊れてるようで何より。
二人とも友人として感が強いのはアレだけど……。
因みにイベントは回収できてなかった…。
ドレスにワインを掛けられそうになるイベントも男子生徒に無理矢理絡まれるイベントも発生はした。
発生はした、が………。
友人であるダイアナ嬢がぶつかったふりをしてワインを掛けようとしたご令嬢の繊手をはしっっと掴み、絡んで来た男子生徒に果敢に立ちはだかり、マリア嬢たちも参戦し見事撤退させてた。
ダイアナ嬢、それ、ヒーローの見せ場だから!!!
イベント発生に喜々とした表情を隠しつつ怯えたふりしてたリリー嬢が、華麗なるダイアナ嬢の登場に超引き攣った顔してた。
でも、そうやって今までもベアトリクスに言い寄る男子生徒もはねのけてくれてたんだよね、有難うダイアナ嬢!!マリア嬢もナイスヘルプ!
これからもウチの子を宜しくね!!
通りがかったウェイターからグラスを受け取り、俺は壁に背を預けた。
賑やかなざわめきを追いやるように思考の海へ沈む。
先日の合宿でとらえたフードの男達はティハルトへと引き渡した。
引き渡すまでの間、此方でも軽く尋問を行った。
拷問の痕とかあったらまずいし、ハンゾー達にもちゃんと「やり過ぎないようにね!」って念押ししたから軽くの筈…。
真相?知らないよ?
俺同席してないし、でも酷い傷痕とかなかったよ。
結果、首謀者は分からずじまい。
これはまぁ、予想の範囲内。
隠し立てしてるわけでなく、直接の黒幕とは接触がなかったらしい。明らかに雇われただけの小物感あったしな。
指示を持ってきた連中を遡って黒幕に近づいていくしかない。
それでもゲームと違い、その道筋を得られただけでも十分な成果だ。
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