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そんな眼で見ないで 1
しおりを挟む「おはようございます、よく眠れましたか?」
少女たちがパチパチと眼を瞬かせたのは確実に俺の所為だろう。
昨日のことがあるとはいえ、キッチンでおたま片手に優雅に微笑む公爵家という絵柄が寝起きの頭には上手く馴染まなかったらしい。
因みに男性陣にも同じような反応された。
ああ、昨日のこと夢じゃないんだな、みたいな。
これで三角頭巾に割烹着とかいう出で立ちだったら俺だってきょとんとするけど、別に俺がキッチンに立ってることにそんな現実見失ったみたいな顔しなくても良くない?
貴族が料理したっていーじゃん。
俺は庶民派なんだ!
「着替えを用意してありますから、朝食前にどうぞ支度をしてきてください」
昨夜学園側に俺達の無事を報告ついでにソラに送って貰ったものだ。少女達に説明しつつ、着替えを促す。
リフと一緒に作った朝食は、豆とウィンナーの煮込み。
味付けはトマト缶をベースにちょっぴりスパイシー。
バゲットはそのままと、たっぷりチーズをのせてトーストしたものの二種。デザートにフルーツといったそこそこボリューミーなメニュー。
朝から森を歩くし腹持ちを考慮してみた。
食事をとりつつ今後の予定を確認する。
幸い合宿二日目の今日は班ごとの自由行動。
取り敢えず、一度本来の宿泊先のホテルへ向かい学園側へ経過の報告。その後は出かけるなり、他の生徒が戻ってくるまでホテルで休むなりすればいい。
「では、行きましょうか。途中で足が痛くなったり具合が悪くなった方は遠慮せず言って下さいね。もれなく昨日の彼らがお姫様抱っこで運んでくれます」
昨日怪我をしたロイ青年と女性陣へ向けて俺は微笑む。
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