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◇閑話◇それだけは伝えたい 2

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『リリアさん、何してんの?!確実に忍者に寄せようとしてるでしょ?!』

 実は俺ともう一人の転生者も関与してるんだ。
 襟巻は俺で手甲はソラ。

 だってあのクオリティだぞ?

 リアル忍者、見たいじゃないか!!


「そういえば、影といえば……」

 思い出すふりをして顎に手をやってリリー嬢を見る。

「リリー嬢に以前聞かれた“てんせいしゃ”とかいう言葉を彼らの一人から聞いたことがあります」

「ええっ?!!本当ですか?是非会わせて下さいっ!!」

「それは……」

 前のめりになって詰め寄ってくるリリー嬢から視線を逸らせば、

「何でですか?何か問題でもあるんですか?」

 菫色の瞳に不審を乗せて見上げてくる。

『転生者に会わせたくない?やっぱりカイザー様も転生者なの?それともその転生者にヒロインの存在は危険だって聞かされてでもいる?でも…だとしたらわざわざ話に出す意味がわからないし……』

 バリバリ転生者です。
 そしてソラは転生者だけど乙女ゲームの知識皆無です。

 でもベアトリクスを悪役にさえしないなら邪魔する気はないから安心して?
 むしろバッドエンドは御免だから味方のつもりですよ。

「問題、はないのですが…彼は“その姿を見たものは全て消される”と有名な方で。貴女に危害を加えることはないと思うのですが、万が一…」

「っ!?それ…って、『死神』とか…じゃ?いえ、そんなわけないですよね??」

「引き抜いちゃいました。内緒ですよ?」

 人差し指を一本唇の前で立てて笑う。

「なので女性にご紹介するのもどうかと…」

「いえいえいえ!!結構です!会いたいとかいってすみませんでした。忘れて下さい!!」

「そうですか?」

「はいっ!!」

 両手を突っ張ってブンブンと振るリリー嬢に業とらしく問いかければ敬礼しながらいいお返事をされた。
 何故に敬礼?ノリ?

「では、彼らにはリリー嬢がお礼を言っていたとだけ伝えておきますね」

「宜しくお願いします!」


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