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寒さの原因は夜風か、俺か 3
しおりを挟む「まぁ、確かに。色々有能であられるようだな」
剣と料理の皿へと眼をやってアレクサンドラが呟いた。
ドーモ。
コイツ、色々いけすかない部分も多いけど、王族なんて身分の割にさっぱりしてるよな。
皿を運びつつ、ふと小窓を見上げて「あ」と声が漏れた。
因みに皿洗いの手伝いはリフに断固として拒否された。
「良かったら少し外に出てみませんか?」
何故?という疑問が皆の顔に浮かぶ。
「星、綺麗ですよ。こんな大自然の中で星を眺めるなんてそうそう出来ませんし。テラスなら危険は無い筈です」
折角の合宿だ。
散々な目にもあったが想い出作りにはぴったりだろう。
そこに広がるのは、満点の星空。
数多の宝石を散りばめたかのような星空は想像を遥かに超えて綺麗だった。
少し肌寒いが、澄んだ空気は星がくっきりと見える。
そこかしこから感嘆の声が聞こえ、息を呑んで雄大な大自然の美に圧倒される。
手を繋いでうっとりと星空を見上げるティーナ嬢とロイ青年。
完全にカップル成立ですね、おめでとうございます!
ロマンチックな光景を恋を育むにはぴったりで、俺はそっとその場を離れテラスの端へ。
邪魔者は離れてるから、リリー嬢とナディア嬢はバッドエンド回避のためアレクサンドラの好感度アップ頑張って!チャンスだよ!
「お躰が冷えますからどうぞ」
「アリガトウ」
掛けられた上着を抑えた俺の返事は片言だ。
何で俺が上着をそっと掛けられるとかいうヒロインみたいな扱い受けてんの?
リフ、そういうのは女の子にするもんだよ?
気遣いは有り難いし、そういう意味じゃないのはわかってるけど何か納得いかなかった。
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