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№1はアイリーンさんに決定です 4
しおりを挟む「ベアトリクス」
零れた声は真摯で、なのに砂糖菓子のように甘い。
「大丈夫、君のことは僕が必ず守るよ」
「…ダイア様っ」
王子様フェイスで告げるダイアとうるうるっっと瞳を潤ませるベアトリクス。
少女漫画のように背後に薔薇が見えるのは俺の幻覚なのか何なのか。
だが、残念だったなダイア!!
それさっき俺が既にやりましたーー!!(ドヤァ)
だけど兄がやるのと好きな相手がやるのは違うらしく、ベアトリクスの乙女な反応にお兄ちゃんは心が擦り切れそうです。
俺の隣のガーネストも若干憮然として違う方向見てるし。困るよね、眼の前でイチャつかれると。
そしてアイリーンさん、めっちゃ楽しそうですね。
あれですよね、若い二人の恋模様と俺達の反応含めて全てを楽しんでらっしゃいますよね。知ってる。
「そう言えば、アレク様はどうするの?彼をお相手に狙ってる連中も居るかも知れない以上、あの方にもお話をしておいた方がいいのではなくて?」
「確かにな。ジャウハラの王子に何かあってから遅いからな。それに……」
眉間に皺を寄せて言葉を区切ったティハルトの言いたいことは俺にもわかった。
「権力やアンジェスの再興自体には興味はなくとも、彼女たちには興味を示しそうだ」
「美少女、って噂だものね」
絶対口説く。
賭けてもいい。多分みんなそっちに賭けるから賭けになんないけど。
「一応彼も呼んだ方がいいか。ガーネスト、ダイア、頼んでいいかい?」
そしてあからさまに消沈してる二人。
お疲れですね、苦手なんですね。
わかります、俺もだよ。
「気は乗りませんがわかりました…」
引き受ける声も元気がない。
「何なんですか、アイツ。話し中もメイドが傍に寄る度に手を出すし…。」
「君たちが来る前からそうだよ。挨拶するなり延々と義姉上を褒めたたえるはメイドを口説くは、挙句の果てにはベアトリクスまで…」
おー、見事に黒い雲背負ってるし。
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