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教育者として存在否定 1
しおりを挟む「来週から学園が大騒ぎになりそうだな」
苦笑いを浮かべながらそう切り出したのはティハルトで。
「確かに。女生徒たちの注目の的になりそうだね」
ちょっぴりげんなりしながら俺もそれに同意する。
だけどそれとは別に、女生徒の意識が俺から逸れるかもという期待も少々。
「あら?カイザー様こそ女の子たちに追い掛け回されてるって聞いているけど?どうなのかしら、ベアトリクスちゃん」
面白そうに俺を上目遣いで見つめたアイリーンはあろうことかベアトリクスに問いかけた。
「はい。とても大人気でらっしゃいますわ」
緊張しながら答えるベアトリクス。
「人のことは言えないじゃない。色男サン」
艶やかな紅い唇を綻ばせるアイリーンはアレクサンドラに負けぬ色気の権化だ。
「色男だなんてとんでもない。色気というならとても君には敵わないよ」
いや、マジで。
今日も今日とてゴージャスな美貌の女王様(違った、王妃様だった)はドレスからはみ出んばかりの魅惑の谷間も、表情も仕草もお色気満点である。
何なら、ベアトリクスより断然悪役令嬢の風情がある。
……いや、やっぱ悪役令嬢というのには語弊があるな。
彼女は学園に通ってた令嬢だった頃から既に女王様やら女帝といった風格があった。
そんな本心から告げた俺の言葉だったが。
「お前たちもあの王子も大差ない。充分青少年やら少女の教育に悪そうだ」
にべもなくティハルトに斬り捨てられた。
待って、教育に悪いって何っ?!
俺、仮にも教師なんですけど?!
愕然としつつティハルトを見ればふん、と軽く流された。
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