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バレました 3

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 普段は優雅な黒鳥という皮を被っているうえ、色々と溜め込んでいたものが限界だったのだ。

 別にここまで来なくてもベストプレイスに鍵を掛けて閉じこもってればいいじゃないか、と思うかも知れないが…。

 先に述べたように授業を抜け出して訪れる生徒がいるあそこはもはや完全なる安息の地とは呼び難い。
 壁も薄いから声だって漏れるし。 

 それに窓がある。

 流石に校舎内に侵入というのは防犯上問題があるため、窓からベアトリクスたちを見守ってくれている“影”たちに丸見えっていうね。
 確実に気が触れたと思われますよね。

 殿ご乱心ーっ!!って。

 殿じゃねーけど…………。

 その点、この旧図書室は校舎の奥深く、かつ窓のない地下室。
 誰も眼も届かねーぜ!!

 いや、周辺警護をしてくれてるハンゾーさんたちは有り難いんですよ?
 非常に有り難いんですけど色々めちゃくちゃ取り繕ってる俺としては迂闊うかつに下手な独り言も呟けない状況でして。

「そもそもリリー嬢何なの?見た目と中身が違い過ぎるんですけどっ!いや、これは俺も他人のこととやかく言える立場じゃないのは重々承知してるけどさ。
そしてあの子確かにリリアを彷彿ほうふつとさせるわ。むしろ名前もちょっと被ってるし。あの子ら絶対、気が合うよ。あの子らがマブダチとかになったら暴走特急すぎて怖すぎるからマジ勘弁だけど!」

 ってか、リリー嬢完璧俺を攻略対象者って勘違いしてるしねっ?!

 残念、唯のモブですけどっ!!

「もう無理。俺の心が死にかけてる。女生徒怖い…。生徒だけじゃなくてあからさまに誘惑してくる先生とかもいるしさ、この学園の風紀どうなってんの?風紀委員とか居ないの?
マイエンジェルたちが日々癒しを補給してくれなきゃ確実に俺の心は死んでた。ってか、あの子たちが居なきゃ教師になんてならなかったけどね。試練、試練なの?俺のブラコンとシスコンが試されてるのっ?!」

 情緒不安定な心の内を思うがままに吐き出し、
 髪をぐちゃぐちゃと掻き回して顔を上げた。

 そして、
 顔があった。

 こちらを見つめる視線と、
 好奇心旺盛なペリドットの瞳と。



 ………。
 ………ヤバい、どうすんのコレ?!


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