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バレました 2
しおりを挟むせめてリフが居れば少しはマシなんだけど…。
有能な従者は物理的攻撃のみならず、押しかける生徒たちまで華麗にシャットアウトしてくれるから。
っていうか、俺が言っても引いてくれない癖に何でリフが言ったら引くの?
むしろ俺が叱っても「きゃー!」って頬染めて喜ばれるだけなんですけど。
イジメ?
新手の教師イジメなの?
本人が望んでくれるとはいえ、リフには他に任せなきゃいけない仕事もあるから毎日学校に同行してもらうわけにもいかないのだ。
と、いうわけで自主避難。
辿り着いたのは地下の一室。
薄暗い、まではいかないまでも先程歩いていた校舎内に比べれば採光の低い室内。閉ざされた部屋の中は少しだけ埃っぽい。そして紙特有の独特な香り。
「久しぶりだな」
首を上げて高い本棚を見上げながら足を踏み出せば、音のない室内に思いのほか靴音が響く。
特に目的の書架があったわけではないのだけれど、書架の迷路を奥へ、奥へと進む。
静寂に靴音だけが響く。
幾つか置いてある机と椅子には誰も居ない。
今は授業中だし、何よりこの部屋を訪れる者は殆ど居ないから。
存在を知るものすら稀な筈。偶に専門書を求めて教師が訪れるくらいか。
そんな場所を何故俺が知っているか。
簡単だ。
俺が在籍していたころはこの場所が図書室だったからだ。
本の劣化を防ぐために地下へと作られた図書室。
だが、校舎の改装と共に図書室は今は五階の一室へと移された。
遮光のための暗幕染みたカーテンと、最新の書籍が並ぶ書架。読書スペースは暖かな陽の光が差し込み、広々とした机が並ぶのが現在の図書室だ。
地下の此処に残るのは、あまり使われない専門書の類や取り残された古い家具。
本に満たされた、落ち着いた空間。
生徒が授業を抜け出て俺を尋ねてくることもなく、
ここはハンゾーたち“影”の眼も届かない。
つまりは、
俺以外に誰も居ない空間__________!!
おもむろに俺はその場にしゃがみ込むと両手で頭を抱え。
「あー!!誰も居ないって最高!!偶には一人になる時間ってやっぱ必要だわ。っていうか俺もう限界なんですけどっ?何なの、思春期の少年少女こわっ!!子供と思って接してたけど、よくよく考えればもう成人間近だもんな。いや、でも、だからって教師誘惑してくるのどうよっ?肉食系怖い…。そもそも俺はぐいぐい来られるの苦手なんだよっっ!!!」
吐き出した。
怒涛の如く溜まりに溜まった鬱憤を。
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