122 / 348
悪役令嬢フラグ勃発っ?! 2
しおりを挟む「今日は朝から随分とご機嫌だね、ベアトリクス」
可愛さに耐えきれずに頭を撫でればそのまま嬉しそうにすり寄られた。
「だって、今日を本当に楽しみにしていたんですものっ。カイザーお兄様が私たちの学園の教師になられるなんて嬉しすぎます!それに私も高等部に進級出来てまたダイア様たちと一緒に過ごせますし」
最後の言葉だけ頬を染めて小さな声で告げたベアトリクスの破壊力の高さっ!
「僕も嬉しいよ。やっと、また君と過ごせる」
ベアトリクスの手をとってシトリンの瞳を覗きこむダイアの声の甘いこと甘いこと。
近い!近すぎるぞダイアっ!!
「そんなことより俺達もそろそろ行くぞっ!ホームルームに遅れる」
流れ弾に胸を痛めていた俺は二人の空間に割って入ったガーネストに心の中で喝采を贈った。
ナイス!ガーネスト流石ー!!
「兄上、昼食はご一緒出来ますか?」
「私は構わないけど……カトリーナ嬢は構いませんか?」
同席するだろうカトリーナ嬢に確認をとれば、「勿論ですわ」と微笑まれた。
この子も本当にいい子だよな。是非これからもベアトリクスたちと仲良くしてほしい。
「じゃあ、昼休みになったらベアトリクスたちの教室に迎えに行くよ」
昼の約束と取り付けた俺はそのまま皆と別れ、その後は休み時間の度に大規模な鬼ごっこに強制参加の運びとなった。
廊下を走るわけにはいかないので競歩での参加。
鬼ごっこというよりかくれんぼ?
一度、女子に見つかればあっと言う間に生徒に囲まれる。
なので壁の間から廊下を窺い、チャイムの音を待ち望む俺。
物凄い疲労感を抱えつつ、よろよろと個室の扉を開く。
そして鍵!!
鍵の閉まる音にこれ程の頼もしさを覚えたのはかつてない。
ふらふらとソファへと倒れ込む。ぐでーと朝の体勢再び。
何とはなしに片手を額の前に掲げる。
「舐めてたわ。女子学生こわっ……」
呟いた声は疲れ切っていた。
そして同時に我が家のメイドの視線を思い出す。
『わかってますね?手を出したら犯罪ですからね!ベアトリクス様にお兄様なんて嫌いっって言われちゃいますからね!!』
心の声と視線で雄弁にそう語りながら俺を見つめてたリリアさん。
124
お気に入りに追加
421
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます
水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか?
私は、逃げます!
えっ?途中退場はなし?
無理です!私には務まりません!
悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。
一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
今日も聖女は拳をふるう
こう7
ファンタジー
この世界オーロラルでは、12歳になると各国の各町にある教会で洗礼式が行われる。
その際、神様から聖女の称号を承ると、どんな傷も病気もあっという間に直す回復魔法を習得出来る。
そんな称号を手に入れたのは、小さな小さな村に住んでいる1人の女の子だった。
女の子はふと思う、「どんだけ怪我しても治るなら、いくらでも強い敵に突貫出来る!」。
これは、男勝りの脳筋少女アリスの物語。
私はモブのはず
シュミー
恋愛
私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。
けど
モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。
モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。
私はモブじゃなかったっけ?
R-15は保険です。
ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。
注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。
気が付けば悪役令嬢
karon
ファンタジー
交通事故で死んでしまった私、赤ん坊からやり直し、小学校に入学した日に乙女ゲームの悪役令嬢になっていることを自覚する。
あきらかに勘違いのヒロインとヒロインの親友役のモブと二人ヒロインの暴走を抑えようとするが、高校の卒業式の日、とんでもないどんでん返しが。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる