上 下
107 / 348

美少女の手作り=プライスレス!! 1

しおりを挟む

「今日はよろしくお願いします」

 厨房にて、頭を下げる美少女二人。
 その背後には料理が出来ないメイドと、すっかりお菓子担当の認識の元ベアトリクスに引っ張り出された弟の従者。

 バレンタインのお菓子教室、ルクセンブルク公爵邸にて開催である。
 講師は俺、カイザー・フォン・ルクセンブルクにてお送りします。

 カトリーナ嬢の訪問がばれないように、ガーネストは公爵見習いの勉強と銘打ってリフが連れ出しております。
 そして代わりにとリアンが俺の従者についた設定。

 別に今日は生クリーム泡立てないし、リアンの異能は必須ではないんだが……。
 ベアトリクスはお菓子作り=リアンの異能が必要!と思い込んでる様子。

 完全なる巻き込まれ。
 すまん、リアン……美少女に囲まれて役得と思って諦めてくれ。

 背中を向け合って、お互いのエプロンの紐を結び合う美少女たち。
 お菓子作りのため、今日はシンプルなワンピースに長い髪も三つ編みに編み込んで更にはエプロン!!初体験にきゃっきゃと燥ぐ少女たちは超絶可愛い!!

「今日はレアチーズケーキとクッキーを作ろうと思う」

「「はい」」

 手を洗い、俺が本日作るメニューを発表すれば緊張の混じった声で応える二人。

 一応事前に希望を聞いたところ、メニューは別にチョコでなくてもOKということだったのでこれにしてみた。

 何せベアトリクスもカトリーナ嬢も生粋の公爵令嬢。料理なんてしたこともなければ、その実力も未知数。

 前世の次女やリリアレベルでないことを祈るっ……!!

 怪我のリスクのある火や包丁はなるべく避けたい。

「まずは、このビスケットを砕いてくれるかな?手を叩かないよう気をつけて」

 袋にビスケットをつめ、めん棒で軽く叩いて見せる。

「砕いちゃうんですか?」

「うん、チーズケーキの下に敷き詰めるからね。細かすぎず荒すぎずぐらいがいいかな」

 二人が交代でビスケットを砕く間、俺はバターを溶かし、砕き終わったビスケットと混ぜ合わせる。

「型はどれがいいかな?」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます

水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか? 私は、逃げます! えっ?途中退場はなし? 無理です!私には務まりません! 悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。 一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜

三月べに
ファンタジー
 令嬢に転生してよかった〜!!!  素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。  少女漫画や小説大好き人間だった前世。  転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。  そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが? 【連載再開しました! 二章 冒険編。】

傍観している方が面白いのになぁ。

志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」 とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。 その彼らの様子はまるで…… 「茶番というか、喜劇ですね兄さま」 「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」  思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。 これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。 「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

今日も聖女は拳をふるう

こう7
ファンタジー
この世界オーロラルでは、12歳になると各国の各町にある教会で洗礼式が行われる。 その際、神様から聖女の称号を承ると、どんな傷も病気もあっという間に直す回復魔法を習得出来る。 そんな称号を手に入れたのは、小さな小さな村に住んでいる1人の女の子だった。 女の子はふと思う、「どんだけ怪我しても治るなら、いくらでも強い敵に突貫出来る!」。 これは、男勝りの脳筋少女アリスの物語。

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

気が付けば悪役令嬢

karon
ファンタジー
交通事故で死んでしまった私、赤ん坊からやり直し、小学校に入学した日に乙女ゲームの悪役令嬢になっていることを自覚する。 あきらかに勘違いのヒロインとヒロインの親友役のモブと二人ヒロインの暴走を抑えようとするが、高校の卒業式の日、とんでもないどんでん返しが。

過程をすっ飛ばすことにしました

こうやさい
ファンタジー
 ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。  どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?  そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。  深く考えないでください。

処理中です...