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A notre amitié! 1
しおりを挟む広い室内は豪奢で、それでいて整然とした清潔感を感じさせる。
白を基調とし銀や金の彩りを添えた部屋は持ち主の雰囲気とよく似合う。
光と栄光を具現したかのような王子様・次期王たる我が親友。
どの角度から見てもパーフェクトな王子様、輝くプラチナブロンドの髪と品行方正な性格。
物理的にも心象的にもキラキラしい正しく王子!なティハルトは今日も白と銀の礼服が似合っている。
闇属性の俺に真っ向から対立か!!
俺なんか部屋も暗いんだぞ。
俺が指示したわけじゃないのに黒とか臙脂とか系統だからな。
別に落ち着くからいいけど。
あと闇属性でダークサイド系の俺だけど、内面はどっちかっていうとはっちゃけた陽キャだからな!!とか意味もなく心で叫ぶ程に親友の部屋は俺の部屋とは印象が違う。
まぁ、何度も入ったことあるけど。
王城のティハルトの自室。
堅苦しいパーティーも終わり、形式上でないお祝いの為にそのまま雪崩れ込んだ。
因みにガーネストたちは夜も遅いし、明日も学園があるので馬車で一足先に帰宅した。
俺はこのままお泊り出来るように部屋が一室手配されている。
中央に置かれた座り心地のいい白いソファーの上には、ティハルトとアイリーン。向かいのソファーには俺と室内には気心のしれた人間しか居なく、談笑にも話が弾む。
隣国の王女でもあるアイリーンとティハルトは恋愛結婚だから仲が良い。
婚約が決まったのは随分前だし、留学していたアイリーンとは学園時代の同級生ということもあって付き合いも長い。
嫣然とした女王っぽい彼女は女らしく、だけどサバサバした男っぽさもあって話易い。
あと、外見的にはアイリーンもダークサイドっぽいよね。
妖艶で豊満、それこそ悪の女王様とか魔女とか似合いそうでちょっと親近感。
「お前は相変わらずだな」
シャンパングラスをテーブルに置きつつこちらを見るティハルトの視線には隠すことのない呆れが浮かぶ。
「あら、それでこそカイザー様じゃない」
口元に手を当ててころころと笑うアイリーン。
「……自覚はしてるよ」
自覚はしている。
自覚はしている、が。
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