20 / 401
そうして真実は闇へと葬られる 3
しおりを挟む
(従兄視点)※名無しのモブ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
低俗で無能な父親や親族、暗殺に失敗した役立たずの駒たち。
俺は牢の中で、アイツもアイツの弟も死ぬことも傷つくこともなく。
俺から全てを奪ったあの男と無能な害虫共の所為で!!!
だから何もかもをぶちまけてやった。
今まで家ぐるみで行われていた罪の全て。
親族のものも含めて知る限りの何もかもを。
基本的に本人や付き添いの親族へしか知らされない異能。
最も、その能力を誇り自ら誇示するが故に公に知られることがほとんどだが。
しかし重大な犯罪者であれば、その犯罪に異能が関わっていないか神殿に照会が入ることが稀にある。
俺の異能がバレるわけにはいかない。
だからこその自白。
不審な点がなければわざわざ照会を行うこともない。
そうして俺が牢の中に入れば、アイツは一生『無能』のまま。
溺愛している弟に爵位を奪われることにすらなるかも知れない、そう思えば口元に笑みが浮かんだ。
どうせ助からないのならば、
あの男も、俺を認めなかった害虫共も
地獄へと道連れにしてやる_________!!!
ガチャリと重い鉄の牢が閉まった。
無礼にも背を小突かれ押し込まれた牢は刑が確定するまで入れられていた貴賓牢とはまるで違う粗末で小汚い空間。
これが俺の一生を過ごすことになる世界。
腹の底に湧き上がる憤りと絶望を、道連れにしてやった奴らのことを思って何とか耐える。
「あんた何したんだ?お貴族様がいいザマだな」
向かいの牢から聞こえた下卑た声に思わず害虫を睨みつける。
「おー、怖っ!」わざとらしく肩を竦める下郎。
こんな奴らと同じ空間で過ごすのかと思うと吐き気が込み上げた。
「何しでかしたのか知らねぇけど諦めな。この牢に入った奴らは一生このままだ。お偉いパパもママもだぁれも助けちゃくれねぇし、この中じゃお貴族様の異能だって使えやしねぇ」
ゲラゲラと周囲から響く笑い声。
聞き捨てのならない言葉に思わず鉄格子を握り締めれば、手首を戒める鎖が耳障りに鳴った。
「如何いうことだっ!!?異能が使えないだとっ?!」
怒鳴り声に見張りがやってきた。
犬を払うように鉄格子を蹴りつける牢番に慌てて牢から手を放しながらあまりの屈辱に強く睨みつけた。
嘲りの笑みを浮かべながら此方を見下す牢番。
「何だ?牢破りに便利な異能でも持ってたのか?残念だったな、この空間じゃ特殊技術が用いられてんだよ。どんな凄い異能だって無効だ無効」
「そんな……」
呟いた声は、誰にも届くことなく消える。
ならば俺は、一体何の為に________。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カイザーの異能の真相編。彼の出番は今後ないです。故に名すらナシ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
低俗で無能な父親や親族、暗殺に失敗した役立たずの駒たち。
俺は牢の中で、アイツもアイツの弟も死ぬことも傷つくこともなく。
俺から全てを奪ったあの男と無能な害虫共の所為で!!!
だから何もかもをぶちまけてやった。
今まで家ぐるみで行われていた罪の全て。
親族のものも含めて知る限りの何もかもを。
基本的に本人や付き添いの親族へしか知らされない異能。
最も、その能力を誇り自ら誇示するが故に公に知られることがほとんどだが。
しかし重大な犯罪者であれば、その犯罪に異能が関わっていないか神殿に照会が入ることが稀にある。
俺の異能がバレるわけにはいかない。
だからこその自白。
不審な点がなければわざわざ照会を行うこともない。
そうして俺が牢の中に入れば、アイツは一生『無能』のまま。
溺愛している弟に爵位を奪われることにすらなるかも知れない、そう思えば口元に笑みが浮かんだ。
どうせ助からないのならば、
あの男も、俺を認めなかった害虫共も
地獄へと道連れにしてやる_________!!!
ガチャリと重い鉄の牢が閉まった。
無礼にも背を小突かれ押し込まれた牢は刑が確定するまで入れられていた貴賓牢とはまるで違う粗末で小汚い空間。
これが俺の一生を過ごすことになる世界。
腹の底に湧き上がる憤りと絶望を、道連れにしてやった奴らのことを思って何とか耐える。
「あんた何したんだ?お貴族様がいいザマだな」
向かいの牢から聞こえた下卑た声に思わず害虫を睨みつける。
「おー、怖っ!」わざとらしく肩を竦める下郎。
こんな奴らと同じ空間で過ごすのかと思うと吐き気が込み上げた。
「何しでかしたのか知らねぇけど諦めな。この牢に入った奴らは一生このままだ。お偉いパパもママもだぁれも助けちゃくれねぇし、この中じゃお貴族様の異能だって使えやしねぇ」
ゲラゲラと周囲から響く笑い声。
聞き捨てのならない言葉に思わず鉄格子を握り締めれば、手首を戒める鎖が耳障りに鳴った。
「如何いうことだっ!!?異能が使えないだとっ?!」
怒鳴り声に見張りがやってきた。
犬を払うように鉄格子を蹴りつける牢番に慌てて牢から手を放しながらあまりの屈辱に強く睨みつけた。
嘲りの笑みを浮かべながら此方を見下す牢番。
「何だ?牢破りに便利な異能でも持ってたのか?残念だったな、この空間じゃ特殊技術が用いられてんだよ。どんな凄い異能だって無効だ無効」
「そんな……」
呟いた声は、誰にも届くことなく消える。
ならば俺は、一体何の為に________。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カイザーの異能の真相編。彼の出番は今後ないです。故に名すらナシ。
141
お気に入りに追加
478
あなたにおすすめの小説

妹ちゃんは激おこです
よもぎ
ファンタジー
頭からっぽにして読める、「可愛い男爵令嬢ちゃんに惚れ込んで婚約者を蔑ろにした兄が、妹に下剋上されて追い出されるお話」です。妹視点のトークでお話が進みます。ある意味全編ざまぁ仕様。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。

私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。

落ちこぼれ公爵令息の真実
三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。
設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
投稿している他の作品との関連はありません。
カクヨムにも公開しています。

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。
よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる