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晴天の霹靂 3

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 帰宅した俺は願い叶わず、沢山の使用人たちの訪問を受けた。
 そして可愛い可愛い弟妹の訪問も。

 本来は会いたくなかったのだが……。
 弟妹に対して会いたくないとか思う日が来るとはよもや思わなかった。

 だって心の声っぽいのが聴こえるんだよ?
 お兄ちゃんうざい、とか思われてたら俺泣くよ?!
 人目をはばからず号泣しちゃうよ!

 そんな兄の心を知らず突撃してきた天使たち。正に突撃。
 バーンっ!!と効果音を鳴らさんばかりに開かれた扉。

「兄上っ!!大丈夫ですか?!」

「お兄様っ!!!」

 血相を変えて走り寄ってきたガーネストとベアトリクス。

 知らせを聞き学園から急いで帰宅したのだろうガーネストの額には玉の汗が浮かび、ベッドの側に縋りついて俺の手を握ったベアトリクスの瞳には涙が浮かんでいる。

『カイザー兄上、俺が不甲斐無いばかりに無理をされて……』

 俯いて拳を握りしめるガーネストの頭をぽんぽんと撫でる。
 いやいや、お前の所為じゃないからね。
 ガーネストは何一つ悪くないし。

『死んじゃ駄目っ、お兄様っ!!!』

 まだまろさの残る頬をぽろりと零れる涙を拭ってやりたいのにベアトリクスが手を握ったままだからそれが出来ない。
 いやいや、死なないから。
 全然病気とかじゃねーし。

「心配要らないよ。城付きのお医者様にも看てもらってお墨付きだってある」

「疲れが出たのではないかということなので、今は何よりも休息をとって頂くべきです」

 安心させるように笑いかければ、リフも援護射撃のように天使たちを促してくれる。
 名残惜しそうにしながらも「ゆっくりお休み下さい」との言葉を残して部屋を出て行く弟妹に使用人。
 リフは容体をみる必要があると頑なに出て行かなかった。

 ごめんね、お前のことは大好きだけど。今だけは出て行って貰いたかった。

 ガチ一人になりたいんだわ。

 願い叶わず、一先ず疲れた俺は色々考えるのは後回しにして寝ることにした。


 取り敢えず、
 心配を吹き飛ばすぐらいに俺の天使たちは心の中も天使だった!!

 唯一の安堵を胸に、俺は夢の世界へと旅立った。


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