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映え~なデトックスウォーターとお好み具材のトルティーヤ
しおりを挟む今日はお庭でピクニック。
お庭といっても、思わず「自然公園?」とか問いかけたくなるほど広くて立派なお庭なのです。
貴族の庭園、ハンパない。
庭師さんが丹念にお世話してるきれいな花々を見て回ったり、広さと隠れる場所が多すぎて難易度激ムズのかくれんぼをしたりして小休憩。
チェック柄の敷物が敷かれた木陰に腰かければ、汗がたらりと顎を伝った。
ハンカチで汗を拭っているとミーナが冷たいお水を注いでくれる。
「暑っいねー」
「ねー」
大き目のピッチャーに入れられているのはただの水ではなかった。
レモンにオレンジ、ライムの輪切りとミントに似たハーブの緑が目にも鮮やかで可愛らしいデトックスウォーターだ。
作り方はごく簡単。
フルーツや野菜、ハーブなどを好みの食材をよく洗ってから食べやすい大きさに切ってお水に浸けておくだけの至ってシンプル。
お水はミネラルウォーターで、浸けおき時間は3時間以上浸けておくとお水に風味がついて飲みやすくなります。
今回はシトラス系がメインだけど、キウイフルーツなども輪切りにすると可愛らしいし、ベリー系を使えば華やかな仕上がりに。
インスタ映え最高。
爽やかな味わいで手軽に水分補給ができるし、甘味料不使用なのでジュースなどよりカロリー低め。
フルーツに含まれるビタミンやポリフェノールが溶け出すことで、手軽なビタミン補給、疲労回復、アンチエイジングにリラックス効果まで狙えちゃう優れものです。
朝起きて直ぐや就寝前、入浴前後の体が水分を欲してる時の摂取が特におススメ。
「最近お庭に出て体を動かしたりしてるからか、前より体調がいい気がしますわ」
「適度な運動や水分補給は必要だよー。あとお日さまにあたるのも」
「ふふっ。そうですわね」
「ねぇお弁当、なに?」
シルクと話をしていると、耐えきれないようにエリシュオンがクイクイとクラレンスの袖を引いた。
そう、お弁当。
ピクニックと言えばお弁当が必須なのです。
ちなみに他所様でも平気で厨房に乗り込んだクラレンスだった。
パカリとバスケットの蓋を開けば覗きこんだ二人がキョトンと首を傾げる。
なぜなら中のものは美味しそうではあるものの……完成系の姿をしていなかったからだ。
「今日のランチはトルティーヤです!好きな具材をのせて巻いてね」
トルティーヤはすりつぶしたトウモロコシを原料にした薄焼きパンだ。
丸く平たい生地に肉や野菜などの具材をのせてくるくる巻きます。
某有名チキンショップの人気商品を思い浮かべていただければわかりやすいかと。
今回用意した具材は、
「こっちがニンニク、タマネギ、ひき肉、ミックスビーンズなんかをトマトで煮込んだチリコンカン。チキンとスパイシーなシーズニングに漬け込んで炒めた牛肉、チーズにウィンナー。お野菜とソース各種!」
指をさしてそれぞれ説明を加える。
「さっ、食べて!」
促せば、どんな具材の組み合わせが合うかをクラレンスに確認しつつ、それぞれ具材とソースを合わせていく。
「美味しいですわ。お野菜とチキンにこのオーロラソース?とかいうソースがとっても合います」
「ぼくのもおいしいよ!レタスとトマトとお肉いれたの」
わいわい楽しそうに好みの具材をチョイスし、味の感想を伝え合う姿ににこにこしながらクラレンスもチリコンカンのトルティーヤをパクリ。
クラレンスが料理をすることに興味を持った姉弟だが……エリシュオンは幼いし、シルクは……実はあまり手先が器用じゃなかった。
うっかり刺繍を見られて涙目になっていた姿が印象的だ。
「不器用」ではなく、あくまで「あまり器用じゃない」と言い張るところに気の強さが透けてみえる。
涙目で恥ずかしがるシルクは可愛かったし、苦手でも努力を怠らない姿はすごいと思うのだけど……。
本人的には納得いかないことらしい。
なので、二人でも「自分でつくれる」楽しみを味わってもらいたいと思ったのだが大成功だったようだ。
「次はクラレンス様とエルにも作って差し上げますわ」
「じゃーぼくも!」
「わー、シルク!そんなにいっぱい入れたら巻けなくなっちゃう」
「え……?お、大きな口でガブっといってくださいませ。ガブっと」
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