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【その後】
転生司祭は帰省する 2
しおりを挟むもみくちゃの大歓迎には驚いたけど、笑顔で迎えてくれたのは素直に嬉しい。
「うんっ!みんな元気そうで良かったー。エリザちゃんも久しぶりっ!みんなもいい子にしてたー?」
「何人か新しい子が入っているな」
アーサーが言う通り、扉のところからだんごになってこちらを窺う姿には数人見かけない子がいた。
旅に出ている間に新しく入った子たちだろう。
部屋に全員は入りきらないので、「お客さんをおもてなしするんだから大人しくしてなさい!」というエリザの命令で不満そうながら入口で待機している。
視線がすごい。
「騒がしくてすみません。なにせみんな司祭様たちに会いたがっていたもので……」
申し訳なさそうにジャンさんたちに頭を下げるのは、僕の後任で教会と孤児院を任せているクリスだ。
温和で優しい青年なのだが…………優しすぎて気が弱いとこだけがちょっと心配。
くれぐれも胃は大事にね?
「いや、あまりの大人気っぷりに驚いたけど……」
はは、と乾いた笑いで答えるジャンさん。
そして残りの三人もちょっと引き攣った笑いを浮かべている。
うん、僕も大歓迎っぷりにちょっと引いた。
村人たちとはうまくやっている自信はあったけど、思ったより慕われてたっぽい。
……勇者パーティ全員集合とか村の人たちぶったまげないかな?とか思ってたけど、見知らぬ彼らのことはほぼスルー状態で僕らの歓迎してくれてたしね。
このメンバーをスルー出来るってなかなかないぞ。
「変わったことや困ったことはありませんか?」
お茶をご馳走になったあとでクリスへと問いかければ、少しだけ困ったように彼は笑った。
「困ったこと……といえば司祭様たちがいなくなられたことぐらいでしょうか。特に最初は急に泣き出したり、喧嘩する子が絶えなくて情緒不安定でしたから。みんな心配で寂しくて仕方がなかったんでしょう。本当にご無事でなによりです」
それ以外は特に。という彼の返答にほっと肩をおろしたのは一瞬だった。
「ああ、そういえば……最近は村を訪れる人々も増えて村の収入も増加しているようですよ」
「この村に?」
特に名産があるわけでもない、旅人が訪れることなど滅多にない村だ。
「ここは司祭様たちがおられた村ですから」
「成程、勇者たちの生まれ故郷として有名になっているんですね」
「アーサーとユリアもですけど一番多いのは司祭様にご恩がある方たちですよ。司祭様がおられた教会ってことで、ここにも良く来ます」
エリザの言葉に「は?」と驚いていると扉付近からも追撃が。
「「ここに司祭様がっ……!」って感涙しながら拝んでく人とか居ます」
「オレ、知ってる!そーいうの、聖地じゅんれーって言うんだって!!」
「しさいさまのせーち!」
聖地巡礼??
いやまて、一体だれが?と思いかけてバッと隣を見た。
聖地巡礼の意味がまずわからないが、布教をしそうな人物に心当たりがものすごくあった。
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