転生司祭は逃げだしたい!!

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【その後】

転生司祭は休日を過ごす 4

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僕に気付いている年長の騎士が状況を手短に説明すれば、大仰な礼こそしないものの目礼された。

その様子に若い騎士も流石に異変に気付いたのだろう、不安そうに先輩に小声で問いかけようとするも「黙ってろ」と黙殺されていた。

きっと大貴族のお忍びとかめっちゃ偉い人と思われてんだろうな。
マズイ態度を取ってしまったとどんどんと蒼褪めていく若い騎士に「大丈夫だよー」の意味を込めて柔らかさを意識して笑いかける。

「その……もしも万が一、事情をお伺いする事態が発生したときは……その、お時間をとらせて大変申し訳ないのですが……後日お伺いすることがある……かも、しれません」

「もちろんです」

大変歯切れ悪い騎士の言葉ににこやかに返せば気を悪くしていないことにたいしてかほっと息を吐かれた。

待って、ねぇ僕ってもしかして危険人物扱いされてる?

騎士さんたち汗ダラダラなんだけど。

「お勤めご苦労様です。それでは、あとはお任せしてよろしいですか?」

「はっ!」と綺麗な敬礼とお辞儀を受けて、やがてゴロツキどもは縄を巻かれて引かれていった。

とりあえず露店の板を戻し、実はずっと空中停止させたままだったフルーツたちをゆっくりとそこに着地させる。

「大丈夫だった、レーネ?」

声をかければぽかんと口を開いたまま心ここにあらずだったレーネが激しく瞬きした。
それにつられたように周囲の人々も徐々に動きを再開。

「すげー!魔法だ!お兄さんめっちゃ強い!恰好いい!!」

キラキラした瞳を向けて少年が叫んだ。
さっきも「魔法だ!」と叫んでた露店の少年だ。
女主人の子どもらしく、男が刃を振り上げた際には脇に居る小さな妹と母親を両手をいっぱいに広げて守ろうとした実に勇敢な少年。

「魔法が好きなのかい?」

「うん!だって恰好いい!」

胸の前で両こぶしを握って力説する少年の前にふわりとパイナップルを浮かべた。ナイフは危ないので回収済み。

軽く指を弾くようにすれば一瞬で凍りつく果実。
そして綺麗に等間隔に分解された状態で宙に浮かぶそれに「わぁ!」と歓声が漏れた。

「お母さんのお手伝いをして偉いね。ご褒美にどうぞ。冷たくておいしいですよ」

「ありがとうっ!」

「頼りになる恰好いいお兄さんがいてよかったね」

男の子に、そしてその背から顔を出す小さな女の子に冷凍パインを手渡せばお礼をいった子どもたちは早速それにかぶり付いた。

「すごい!おいしい!」「冷たい」と楽しそうな声が聞こえるなか、レーネにも一つ差し出した。

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