転生司祭は逃げだしたい!!

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【その後】

転生司祭は転職したい 2

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そんなこんなで、若干ゴタゴタはありつつもアルベルト様とアルトたちも帰った。
そして残された勇者パーティ一同はそのまま解散するでもなく雑談の流れになった。

「王子殿下たち、驚いてましたね」

ぽつりと呟いたヨハンくんの言葉にそっと目を逸らす。
驚いてもいたし、ドン引きされてましたね。

勇者パーティの隠された一面は果たして明らかにして良かったのだろうか。

ある意味、魔王よりヤベェ奴認識されてない?

「ま、まぁミシェルの不当な評価も改善されるだろうしそこは良かったじゃん!」

あからさまにアーサーたちの本性バレた件から話そらしましたねジャンさん。

「素直に喜べないのは何故でしょう」

僕にしても胃をチクチク、いやザクザク?刺激してやまなかった不審、蔑み、侮蔑や怒りに満ちた視線はなくなったけど……代わりに最後の方はビッミョーな視線向けられてた気がするの気のせい?

大変ですねっていう同情とかあれやそれのね。
うん、気のせいじゃないな。

「司祭様の素晴らしさが伝わってないのは由々しき事態です。この機会に司祭様の偉功を広く伝えるべきです!」

「そうだアーサー!パーティーとか式典で伝えるのはどう?」

「お願いやめて!?」

思わず叫んだ。
ほんとやめて。お願いだから。

「保護者は大変だね」

「笑ってないで止めて下さい。本来なら貴方の役割なんですから!」

「はっ?俺?」

人差し指で自分を指すジャンさんに大きく頷く。

「実質的なリーダーは勇者であるアーサーですけど、調整だのまとめ役は年長者のジャンの役目でしたし」

「俺はリーダーも司祭様だと思ってます!!」

アーサーはちょっと黙っててくれるかな?
ユリアもコクコクしない。

そんでもって「年長者ってならババアのシルフィーナじゃねーか」って失言して顔ギリギリに風魔法ぷっぱなされたウルフは無視します。
女性に年のこと触れるのが悪い。
ましてやシルフィーナはエルフだし見た目の年齢が全てなんだよ。

「そもそも本来なら私は旅のメンバーではなかったですし」

死にキャラだしね、僕。

「危険な旅に子供だけで向かわせるのは気が咎めたので私も同行しましたけど、正直魔王討伐まで同行すること自体予想外でしたよ。自分の力不足は嫌と言う程認識してましたしジャンを仲間にしたらお役御免だと思ってました。普通に足手まといで脱落宣言されるだろうなって」

なんでジャンさんかって?
シルフィーナは我儘だし、ウルフは脳筋だからね。
保護者にはちょっと……。

そーいえば、ゲームのジャンさん今より年とってること差し引いてもくたびれてた気がするけど色々大変だったのかな?
まぁそのくたびれた感じも気怠げな大人の色気に溢れてたけど。美形は得だな。

「えー、司祭様が抜けちゃったらわたしたちも抜けます」

いや、聖女と勇者は抜けちゃ駄目だろっ?!

「ミシェル様を足手まとい扱いなんてしたら……魔王の二の舞じゃないですか?」

「普通に殺すな」

「「「…………」」」

さも当然、って感じで何言ってんのっ?!
やだ、この子こわい。

視線の端ではウルフは尻尾を握りしめながら「美味い飯に餌付けされてて良かった!!」って呟いてるし、シルフィーナもちょっと肩をビクつかせてた。
二人が一番危なかったしね。

不穏な雰囲気を払拭しようと別の話題を探しつつ、「あっ」と声を上げる。

「そうだ、今後は私のことは“司祭”様じゃなく名前でいいですよ。
 今回の件で私は司祭を辞そうと思ってるので」

「「「「「はっ?!」」」」」

あーそうだ、伝えとかなきゃ。ぐらいの気持ちで告げたら漏れなく全員に身を乗り出して驚かれて逆にこっちはちょっとのけぞった。

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