勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?

文字の大きさ
26 / 99

念願のおしょうゆさま

しおりを挟む


その日、食堂の厨房でエマは震えていた。

いつものごとく宿の主人との交渉の結果、厨房の使用権を得たエマがマヨビームを小皿に出していたそのとき。

脳内に響いたレベルUPを告げる音。

もちろんいまは戦闘中でない。
……となれば、あがったのはマヨビームのレベル。

いそいそとエマはステータスを確認した。

以前エアリスが言っていたとおり、マヨビームは使うほどにその能力をあげていた。

コレステロールを下げるマヨネーズしかり、カロリー1/2のものや、からしマヨネーズをはじめ、ドレッシング数種にタバスコなどその域はもはやマヨにとどまらない。

余談だが、タバスコはたまに戦闘で使用したりもする。
主に敵の目や口へ向けて。

盗賊とか敵が人間のときは殺傷能力が低くておススメ。

けどたまにブチ切れられて狂暴化したり、目が見えない反動かムチャクチャな動きで暴れられたりもするので注意も必要だったり。

それは置いといて。

いまはステータスの確認だ。

そうしてエマは目を見開いた。
じっとそこに浮かぶ文字を見つめ……よっしゃあぁ!と全力のガッツポーズをかます。

マヨビームに“しょうゆ”が加わりました。

その一文に狂喜乱舞した。

おしょうゆ。
念願のおしょうゆさま。

手に入れたからには使うっきゃない。急遽メニュ―変更です。

エマはさっそくおしょうゆを使うべく、手持ちの食材を確認した。

「なにがいいかなー?お刺身食べたいけど生魚はないし……う~ん、ここはマヨしょうゆにでもするか」

そうして選んだ食材はエリンギ。

まずはエリンギを手で裂いて……と。
ボウルにエリンギをポイポイしたら、次はフライパンに火をつける。

なお、このフライパンは調理用です。

さすがに魔物の血とか肉片のついたフライパンは料理に使いたくない。
いつものとは別物ですのでご安心ください。

フライパンにマヨネーズを投入し、ふつふつしはじめたらエリンギをざざっと入れてコショウをふりふり。
エリンギさんに焼き目をつけたいのであまりヘラなどで動かさず、じっくり焼きます。
いい感じに焼き目がついたらしょうゆをまわしかけて完成!

じゅわぁぁ、と鍋肌のしょうゆが焦げる香りに思わず鼻がくんくん動く。
なんとも懐かしく、いい香りだ。

宿の一階に備え付けられているシャワーを浴びた帰りか、髪がわずかに濡れたままのクルトがひっこりと顔をだした。

「やっぱエマだ。なんかしょうゆのめっちゃ香ばしい香りがした気がしたんだ」

「さすが鼻が利くね。マヨビームにておしょうゆさまをGETしました!」

サムズアップでドヤ顔を向ければ「やった!すげぇ」とクルトが厨房へと入ってくる。
いままさにフライパンからお皿に盛り付け途中のエリンギにひょいとそのまま手を伸ばす。

「あっ」

「いーじゃんちょっとくらい。うまっ!マヨしょうゆヤベー。メシ、いくらでも食べれそうなんだけど」

つまみ食いを非難するエマだが、あまりにおいしそうに食べるクルトにつられエマもついつい手を伸ばす。

「うわー……おしょうゆ」

懐かしい、和の風味に思わず感動が込み上げた。

エリンギの歯ごたえにマヨのコクとしょうゆの香ばしさ、パクパクつまめる一品はおかずにもお酒のおつまみにもぴったり。
キノコはカロリー低めなのもまたうれしい。

気付けばつまみ食いで予定外の量を消費してしまい、追加でさらに作り足すことになったのでした。

つまみ食いってなんであんなにおいしいんだろう。
揚げ物とか、アツアツのものって特に出来立てに手を伸ばしたくなっちゃいますよね……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!

mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの? ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。 力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる! ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。 読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。 誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。 流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。 現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇 此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。

『ラーメン屋の店主が異世界転生して最高の出汁探すってよ』

髙橋彼方
児童書・童話
一ノ瀬龍拓は新宿で行列の出来るラーメン屋『龍昇』を経営していた。 新たなラーメンを求めているある日、従業員に夢が叶うと有名な神社を教えてもらう。 龍拓は神頼みでもするかと神社に行くと、御祭神に異世界にある王国ロイアルワへ飛ばされてしまう。 果たして、ここには龍拓が求めるラーメンの食材はあるのだろうか……。

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

この町ってなんなんだ!

朝山みどり
児童書・童話
山本航平は両親が仕事で海外へ行ってしまったので、義父の実家に預けられた。山間の古風な町、時代劇のセットのような家は航平はワクワクさせたが、航平はこの町の違和感の原因を探そうと調べ始める。

ローズお姉さまのドレス

有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です* 最近のルイーゼは少しおかしい。 いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。 話し方もお姉さまそっくり。 わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。 表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~

楓乃めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。 いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている. 気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。 途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。 「ドラゴンがお姉さんになった?」 「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」 変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。 ・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。

処理中です...