【完結】大好きなラノベ作家の正体が初めてを捧げたワンナイトラブの相手だったので今すぐに爆発します。

コウヨリモカ@新作ヒーヒー執筆中✏️💦

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第一章 別れの後に、出会いがある。

聖なるテレホンセックス。

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 驚いたことに、たろさんは、呼び出し音1回で電話に出てくれた。

「……マミリン?」

「……もしもし? たろさん、こんな時間にスミマセン……寝てたよね」

「……え? いや、ちょうどオナってたとこ」

 ……エ?

「……おなっ……てんの? 今も?」

「……ん? うん」

 いや、うん、じゃねえーんだわ。

「……かけ直します」

「ダイジョブ、ダイジョブ」

「いや、何もダイジョばないから!」

「……マミリンがでしょ」

「……え」

「マミリンが全然大丈夫じゃないんだよね……ハァハァ……こんな時間に、どした?」

「……あの……俺、今、女装してて」

「……は? 女装!? ……あっ、ちょっと急に止めてよ、もうイクとこだったのに引っ込んじゃったじゃん」

 いや、もう、なんだか、申し訳ないのは重々承知の上で、いっそチ○コごと引っ込めてもらいたかった。

「……邪魔してスイマセン……」

「……ねえ、なんか大吉クンの話してよ……」

「……え?」

 山田の? この状況で?

「ねえ、俺が早くイクようなこと、なんか言ってみて」

 ぶっちゃけ、かなりたくさん思い浮かんだけど、急にいろいろと、思い出したせいで鼻の奥がツンとしてきたから、俺は要点だけ言った。

「めっちゃ遅漏でした」

「……は?」

 たろさんが、電話の向こうでフリーズしてるのが気配で伝わってくる。

「……なんで、そんなこと知ってんの? ……待って、ああ、でも……なんだか興奮してきた……」

 途端に電話越しに、たろさんの「ハァハァ」する声しか聞こえてこなくなった。何の罰ゲームだコレ。

「……ハァハァ、ねえサイズは?」

「……は?」

「……ハァハァ、だから大吉クンの……サイズだよ」

「巨チンです」

「んアーッ! ヤバい……イきそうっ」

 だからコレって、何なんすかね。

 それから、しばらくの沈黙のあとで、極めつけの声がした。

「……ンアッ……アッ! アアアアッ! ……んあっ……あっ……ハァハァハァ……」

 うーん、と。

 どこの世界に恋敵同士でテレホンセックスするヤツがいんだよ……。

 あれ? なんだか、俺って今日、立て続けにセックス無しで男2人も射精させてない?

 致さずの2発してない?

 でもなあー、正直なところ、この山田太郎を相手にして、勝てる気なんてしないんだよな……。だって、恋敵使ってまでして好きな男とエアセックスしてるんだぜ? いっそ、その技を伝授してもらいたいくらいだよ……。

「……あの、たろさん」

「……ハァハァ……」

「……あの、なんか、なぜか元気出てきました」

「……ハァハァ……」

「ありがとうございます……じゃ」

「……ハァハァ……すごい……」

「……え?」

「……すごい、いっぱい出た……」

「メリークリスマス」

 俺が電話を切ると、すぐさま、たろさんから折り返してきた。まあ、フツーにシカトする。

 とりあえず、たろさん以外で頼れそうな誰かを探そうとするも、立て続けに、たろさんから電話がかかり続けてくるせいで、全然スマホを操作できない。

 ほんっとに、シツッコイな。そう諦めて、電話に出るも、俺は本当はちゃんと分かっていた。たろさんの他に、頼れる人など誰もいないこと。

「……もしもし?」

「ちょっとさっき、マミリンに聞き忘れてたことあるんだけど」

「あー、なんで女装してるかですか?」

 俺は、うそぶいた。

「なんでマミリンが、大吉クンの射精の傾向知ってんの?」

「……ふふっ、遠回しに言うのウケる」

「女装して迫った?」

「……いや」

 俺は、シワだらけになってみすぼらしいスカートと、ありえないレベルで痛みを訴えてくるパンプスの足元を見た。

「女装なんてする必要がない、俺の目の前で山田に迫ってるのを黙って見てらんなかった……で、酒のせいにして暴走しちゃった……みたいな感じです」

「……それで?」

「……え?」

「女子には勝てたの?」

「……あ、うん……まあ」

 その瞬間、たろさんは、力強くため息をついた。

「でかした! よし、なら太郎サマが助けてしんぜよう」

 ……っあー、限りなく望みの薄い恋をしてる者同士の、ピンチのときの団結力ってハンパねえー……。

 こうして無事に、俺は、たろさんに、危うく変質者になりかけた人生ごと、回収されたのだった。

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