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第一章 別れの後に、出会いがある。
9年越しの大失恋。
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たった数時間前までは、趣味の悪いラブホのチープな臭い床の上に転がっていたはずだった。尻を丸出しにして、女装の格好で。
なのに俺は今、いわゆるタワマンと思わしき超高層マンションの最上階の部屋で、全面ガラス張りの窓に両手を付かされて、後ろから何度も何度も激しくアナルを突き上げられている。……化け物みたいなサイズのチ○コに。
……これ……もしや、山田のよりデッケーんじゃね?
……山田っていうのは、俺の初恋相手で、もうずっと、初めて出会った高1の頃から好きな男のことだ。もう、ずっとずっと。大人になった今でもずっと。
でも、俺の腰を鷲掴みにしながら、猛烈な勢いでピストンを続けている、この男の名前は、残念ながら山田ではない。
チ○コがデカい。たぶん……山田のよりも。今、確かなことは、それだけだ。
――そもそもの、全ての悪夢の引き金を引いたのは、他ならぬ俺自身だった……――
ことの発端は、広告代理店の営業という立場を利用して、不純な動機で高校時代の親友と、どうにか仕事で関わりたいと目論んだことが、全ての始まりだ。親友だなんて思っているのは相手の方だけだったから、なおさら厄介だった。
高校のときは良かった。毎日、この目を離さずに、山田のしてることやっていることを、逐一監視することができたからだ。完全に、あの環境は、チート過ぎた。
ほんと、一生卒業なんてしたくなかったよ……一生童貞のままでいいから。でも、その願いはもちろん、叶わなかった。この恋は自分じゃもう、どうにも止められないとこまで来てたけど、人生だって、誰にも止めることなんてできないみたいだからさ。
俺と山田は、大学に入った途端に、高校時代が全て幻だったんじゃないかってくらいに、音沙汰がすっかり無くなってしまった。
……いや、俺は連絡したんだけど。
俺は、ね。
山田はもともと、他人に関心が無いタイプだから、高校時代に女にどんなに目をかけられようが、そんなのどこ吹く風だったけど、それは単に、色恋沙汰に興味が無かっただけの話で。
山田はゲイじゃない。
そんなことは、分かってる。
だけど、それでも、俺以外にロクに友達も作らずに、何をするでも俺が声を掛ければ笑って素直に付いてこられたらさ、嫌でも期待するだろ、フツー。
ダメだダメだって、頭では分かってても、身体が……心が、勝手にドキドキしちゃうんだよ。
それで、山田が人材派遣会社で働いていることを無理矢理こじつけ理由にして、つまり社会人になってから、ようやく再会できて、また前みたいに……高校のときみたいに、二人で仲良くやれたらな……だなんてな。
俺が甘かったよ。
そもそも仕事の件で、山田の会社を訪れるたびに半勃ちしてたしな。
山田のスーツ姿とか……ヤバ過ぎだろ……制服のブレザーで見慣れたとか抜かしてたヤツどこの誰よ……ってそれ俺だわ。いや、過信してた……スーツなにあれ、エロ過ぎだろ。頼むから誰か、R指定にしてください……。せめて、モザイク入れといてよ……。
うっかり気を抜いたら、ファスナー下ろしちゃいそうだったんだぜ……。
あ、思い出しただけでまた勃起してきた。
うん……もう、ね。
山田は……山田は、俺のことをちっとも好きなんかじゃなかった……。きっと、山田の中で、俺は、高校のときの、あのキレーな青春してたときのまんま、止まってんだろうな。
でもな、ははは。残念だったな、山田。
美しい青春の1ページ気取ってたの、お前だけだからな。
俺は……俺は、ほぼ毎日お前をおかずにして抜いてたからな。……それも……後ろでな!
……あー……、やりたかったな、山田と。
さっき、めっちゃ勃起してたな、アイツ……。
たぶんアレが、最初で最後のチャンスだった。
白状すると俺は、仕事とクリスマスにかこつけて山田を飲み屋に呼び出し、泥酔状態になった山田をラブホに連れ込んで、どうにかことに及ぼうとしていたのである。
何がどうなったとしても、お互い「酔ってた」で誤魔化せたのに。
あと……あと、ちょっとだったのに……。
そいや、フェラはさせてもらえなかったけど、結果的に顔射されたから、これ、俺らってセックスした内に入んのかな? ……んなわけねえーな。
俺が、タイミングよく口の中に放たれた、山田の精液を思わず飲み込んでしまったあとの、さっきのアイツの引きつった顔がまだ頭から離れない。
なんで飲んじゃうかな、俺。クソまずかったのにさ。……あー、でもまだ口ん中に残ってんな。山田の味がする。
たまらずに俺は、舌で自分の口の中をまさぐった。
まだ恍惚状態で山田の精液を飲み込んだまま、ぼんやりしていると、俺に無理矢理ディープキスされたせいで、気持ち悪くなり、トイレに駆け込んで嘔吐してる山田の声が聞こえてきた。
「……ウォエエエエエッッ!!」
……要するに、まあ……この差ですからね。
でも当の俺は、そのとき、
(山田の山田……山並みのデカさだったな)
強引にキスしたせいで、山並みの山田に蹴り飛ばされラブホの床に転げ落ち、尻を丸出しにしたまま、俺は、そんなことを性懲りもなく考えていた。
でも結局、山田が洗面所から出てくる前に、スゴスゴとラブホを退散したのだった。
なのに俺は今、いわゆるタワマンと思わしき超高層マンションの最上階の部屋で、全面ガラス張りの窓に両手を付かされて、後ろから何度も何度も激しくアナルを突き上げられている。……化け物みたいなサイズのチ○コに。
……これ……もしや、山田のよりデッケーんじゃね?
……山田っていうのは、俺の初恋相手で、もうずっと、初めて出会った高1の頃から好きな男のことだ。もう、ずっとずっと。大人になった今でもずっと。
でも、俺の腰を鷲掴みにしながら、猛烈な勢いでピストンを続けている、この男の名前は、残念ながら山田ではない。
チ○コがデカい。たぶん……山田のよりも。今、確かなことは、それだけだ。
――そもそもの、全ての悪夢の引き金を引いたのは、他ならぬ俺自身だった……――
ことの発端は、広告代理店の営業という立場を利用して、不純な動機で高校時代の親友と、どうにか仕事で関わりたいと目論んだことが、全ての始まりだ。親友だなんて思っているのは相手の方だけだったから、なおさら厄介だった。
高校のときは良かった。毎日、この目を離さずに、山田のしてることやっていることを、逐一監視することができたからだ。完全に、あの環境は、チート過ぎた。
ほんと、一生卒業なんてしたくなかったよ……一生童貞のままでいいから。でも、その願いはもちろん、叶わなかった。この恋は自分じゃもう、どうにも止められないとこまで来てたけど、人生だって、誰にも止めることなんてできないみたいだからさ。
俺と山田は、大学に入った途端に、高校時代が全て幻だったんじゃないかってくらいに、音沙汰がすっかり無くなってしまった。
……いや、俺は連絡したんだけど。
俺は、ね。
山田はもともと、他人に関心が無いタイプだから、高校時代に女にどんなに目をかけられようが、そんなのどこ吹く風だったけど、それは単に、色恋沙汰に興味が無かっただけの話で。
山田はゲイじゃない。
そんなことは、分かってる。
だけど、それでも、俺以外にロクに友達も作らずに、何をするでも俺が声を掛ければ笑って素直に付いてこられたらさ、嫌でも期待するだろ、フツー。
ダメだダメだって、頭では分かってても、身体が……心が、勝手にドキドキしちゃうんだよ。
それで、山田が人材派遣会社で働いていることを無理矢理こじつけ理由にして、つまり社会人になってから、ようやく再会できて、また前みたいに……高校のときみたいに、二人で仲良くやれたらな……だなんてな。
俺が甘かったよ。
そもそも仕事の件で、山田の会社を訪れるたびに半勃ちしてたしな。
山田のスーツ姿とか……ヤバ過ぎだろ……制服のブレザーで見慣れたとか抜かしてたヤツどこの誰よ……ってそれ俺だわ。いや、過信してた……スーツなにあれ、エロ過ぎだろ。頼むから誰か、R指定にしてください……。せめて、モザイク入れといてよ……。
うっかり気を抜いたら、ファスナー下ろしちゃいそうだったんだぜ……。
あ、思い出しただけでまた勃起してきた。
うん……もう、ね。
山田は……山田は、俺のことをちっとも好きなんかじゃなかった……。きっと、山田の中で、俺は、高校のときの、あのキレーな青春してたときのまんま、止まってんだろうな。
でもな、ははは。残念だったな、山田。
美しい青春の1ページ気取ってたの、お前だけだからな。
俺は……俺は、ほぼ毎日お前をおかずにして抜いてたからな。……それも……後ろでな!
……あー……、やりたかったな、山田と。
さっき、めっちゃ勃起してたな、アイツ……。
たぶんアレが、最初で最後のチャンスだった。
白状すると俺は、仕事とクリスマスにかこつけて山田を飲み屋に呼び出し、泥酔状態になった山田をラブホに連れ込んで、どうにかことに及ぼうとしていたのである。
何がどうなったとしても、お互い「酔ってた」で誤魔化せたのに。
あと……あと、ちょっとだったのに……。
そいや、フェラはさせてもらえなかったけど、結果的に顔射されたから、これ、俺らってセックスした内に入んのかな? ……んなわけねえーな。
俺が、タイミングよく口の中に放たれた、山田の精液を思わず飲み込んでしまったあとの、さっきのアイツの引きつった顔がまだ頭から離れない。
なんで飲んじゃうかな、俺。クソまずかったのにさ。……あー、でもまだ口ん中に残ってんな。山田の味がする。
たまらずに俺は、舌で自分の口の中をまさぐった。
まだ恍惚状態で山田の精液を飲み込んだまま、ぼんやりしていると、俺に無理矢理ディープキスされたせいで、気持ち悪くなり、トイレに駆け込んで嘔吐してる山田の声が聞こえてきた。
「……ウォエエエエエッッ!!」
……要するに、まあ……この差ですからね。
でも当の俺は、そのとき、
(山田の山田……山並みのデカさだったな)
強引にキスしたせいで、山並みの山田に蹴り飛ばされラブホの床に転げ落ち、尻を丸出しにしたまま、俺は、そんなことを性懲りもなく考えていた。
でも結局、山田が洗面所から出てくる前に、スゴスゴとラブホを退散したのだった。
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