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第二章(謎解きのおわり)

間宮先生、

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 L◯NEも既読にならず、電話も繋がらず、間宮と何の連絡も取れないまま数日が過ぎていた。

 為す術もない僕の気持ちを、どんどん置いてけぼりにされたまま、例の間宮のCM案件はなにやら順調に進んでいるらしかった。

 というのも、会合のときには仲の良かった候補者の女の子たちが、今やお互いに挨拶すらロクに交わしていない状況からして、選考の忌避こもごもが窺われるのだ。

 僕にだって、何かしらの仕事に関する連絡が来ても良さそうなものの、もちろん、そんなものがあるわけもなかった。

 日が過ぎるにつれて、僕の間宮への感情も少しずつ変化していった。それは後悔だったり、心配だったり、怒りに似た気持ちだったり、不安だったりなどした。

 変化というより、無限ループと言ったほうが正しいかもしれない。

 間宮と連絡が取れないだけで、こんなにも自分が憔悴するとは思ってもみなかった。

 かと言って、いざ連絡が取れたとして、間宮から何を聞き出したいのか、もう僕にはよく分からなくなっていた。


 その日、珍しく定時で仕事を上がれたので、帰りに寄ったコンビニで久しぶりにビールを買って帰った。

 冷蔵庫に入れるのが面倒で、帰宅するなり空きっ腹に流し込んだせいで、あっという間に酔っ払ってしまった。

 テレビをつけたらやっていたバラエティー番組をぼんやり眺めていると、突然、画面がぼやけだしたかと思いきや、急に目頭が熱くなり、自分の頬を伝うものが涙だと分かって、呆然とした。

 一体、僕のメンタルはどうなってるんだ? それとも、これも酒のせいなのか?

 気がつけば僕は、間宮にL◯NEを送っていた。

「話がしたいです」

 でも、翌朝まで待っても、やっぱり既読にはならなかった。

 そこで、僕は、

「眠れなかった、返事が欲しいです」

 そう追加で送ってから出社した。

 でも、その日の昼休みになっても、間宮はL◯NEを読んでいなかった。

 そこでようやく、僕は、もしかしたら、自分は間宮にL◯NEをブロックされているのかもしれない、と思い当たった。

 職場の同僚たちが、合コンか何かでL◯NE交換した女の子たちに、いくら送っても既読にならないんだけど、これブロックされてんのかな? などと愚痴っていたのを耳にしたことがあるのだ。

 当時は、そんな同僚たちのやりとりに、げんなりしていたものだが、いざ、こうして自分が同じ立場に立たされてみて初めて分かったことがある。

 あの、既読が付かないのは、マジでしんどいです。

 思わず、同僚たちに、そんなツラい胸の内を明かしたくなったけれど、まさか男にブロックされているだなんてこと、言えるはずもない僕なのだった。

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