掴む恋、勝ち取るキス

yourin

文字の大きさ
上 下
1 / 2

大事件、糸口!

しおりを挟む
大事件、糸口
  
 生徒会室まで先輩は特段変わった様子は無かった。
私と先輩が出会ってまだ2ヵ月ほどではあるが、
その期間に先輩は私に隠し事をしていて、とうとう嘘までつかせてしまった。
そんな悲哀なことを知ってしまったことに多少の辛さとそれ以上の申し訳なさに襲われる。
先輩がこれ以上の嘘を重ねないためにも、私はそれ以上の詮索を止め、生徒会室に戻る

「戻りました。今日は遅れて本当にすみませんでした。気を付けます。」

必死に頭を冷やし、気持ちを切り替える。

「イイよイイよ!たまには遅刻したくなることもあるよね!」

天音は、まったく気にかけていないようだし、隣の寄香先輩も頷いてくれている。

「そうそう。あんまり気にしすぎなくていいわよ。」

何より先輩に感づかれていないことに安心した。

「その代わり、今日の活動は少し頑張ってもらうわよ。」

「は、はい。それで、今日はどんなことをするんですか?」

先輩は天音と寄香先輩にも聞こえるように少し声を大きくして

「今日の活動は・・・掃除よ、生徒会室のね。
去年の資料がまだその棚に入ってるでしょ?それを職員室まで届けてくれればいいわ。」

と言い、私と天音に資料、もといファイルが詰まった段ボール箱を持たせた。

「力仕事は任せるから、ね。」

(この前のこと気にしてたんだ...)

少し申し訳ない気持ちになりながらも、

「行ってきますね。天音、行こう。」

私と天音は先輩2人を残して生徒会室を出た。
_________________________________________________________________________

(はぁ...ツライ...)

何の前触れもなく訪れた衝動は今も心の重りとなっている。
先輩の前ではなんとか隠すことができたが、しばらくは尾を引きそうだ。

「そんな溜息ついて、どうしたの?なんか、意気消沈!って感じだよ?」

天音は肩を落としてうなだれている私を見て心配してくれた。

「ううん、大丈夫。こ、この段ボールが意外と重くてね。」

先輩のことを言えるほど、私は力が強いわけではないらしい。
もしかしたら、これは先輩の私へのささやかな仕返しなのかもしれない・・・と思っていたところ、
ヒョイッと箱が軽くなった。

「そんなことないと思うけどな~精華ちゃん、私はまだ余裕あるから、代わりに持つよ!」

片手におよそ5㎏ほどある段ボール箱を易々と持ち上げる天音に驚きを隠せないが、

「ううん、大丈夫だよ。職員室にはすぐ着くからね。」

天音だけに任せるのは忍びないので箱を返してもらう。

「それよりさ、今日は生徒会室まで一人で行かせてごめんね。」

こんなにも私を心配して、助けてくれる天音に私は随分と酷いことをしてしまった。
無我夢中で教室を飛び出した私は、結果的に天音を一人教室に残すこととなってしまった。
それでもなお、私に気をまわしてくれるのだから、彼女にはかなわない。

「・・・ううん、大丈夫!次は私から誘うから!」

元気な返事をする天音だったが、
その視線は地面に向いていて、やはり寂しい思いをさせたのだとわかった。
笑顔を繕う天音だったが、彼女の纏う雰囲気は暗がりを見せている。

「ごめんね、一人で行かせちゃって。次は絶対、一緒に行くから。」

罪滅ぼしと言っては大袈裟だが、一つ一つ、私が気付かなかった分も
何かしらで天音に返せたら・・・と思っていたのだが、

「うん!でも、今日は唯奈と寄香先輩も一緒だったから、そんなに寂しくなかったよ!」

(そっかー、先輩たちと一緒にね...って、なんで⁉)

先輩は私より先に生徒会室に着いていたはずで、
天音は私より後に生徒会室に向かっていた。
必然、この二人が出会うのは生徒会室のはずである...が、そうではないらしい。

「先輩たちとはどこで会ったの?」

内側から沸々と気持ちが溢れだし、何か手がかりがないか、
そんな望みを携えて聞いてみたところ、

「えーと、唯奈は私たちの教室に迎えに来てくれて、寄香先輩は私たちが教室まで迎えに行ったよ」

・・・つまり、先輩は一度生徒会室に向かった後、
わざわざ私たちの教室まで迎えに来たらしい。

(相手は...キスしてた相手はどうしたんだろう...)

「ねぇ、天音って唯奈先輩と幼馴染なんでしょ?
その、えーと、先輩って付き合ってる人がいる・・・とか聞いたことある?」

私に遠回しに聞く技量は無く、かなり直線的に聞くこととなってしまった。

「うーん、あんまり学校のことは聞いかないけど、近所の男の子とはよく話してたよ。」

・・・ということは、その人にも話を聞く必要がありそうだ。

「その、天音、私その人と会いたいんだけど、その人は今どこにいるかわかる?」

さすがにやり過ぎたかと思ったが、

「うーんとね、その人はついこの前に引っ越しちゃったから、よくわかんないな~」

とだけ言い、気にする様子は無かった。

(また振り出しかぁ。。。)

そう打ちひしがれているうちに、私たちは中庭の前まで来ていて、
目的地まであと少し・・・のはずが、再び箱がヒョイッと軽くなる感覚、、、
そして、私自身が宙に浮かぶ感覚があった。

「きゃぁ!?」

直後、ゴンッという音とともに、私は盛大に転んだ。
幸い、怪我はなく、その代わりに箱の中のファイルが散らかってしまっていた。

「精華ちゃん!大丈夫⁉ケガは...無いみたいだけど...歩くの速かったよね、ごめんね。」

天音は私に優しく手を差し伸べ、申し訳なさそうにしている。
私が転んだのは彼女のせいではなく、打ちひしがれていた私自身の不注意によるものだ。
しかし、彼女は責任感からか、散らかったファイルを拾い集めている。

「ううん、天音は悪くないよ。私の不注意だから。拾ってくれてありがとね。」

散らかったファイルのいくつかは開かれ、中の資料や名簿が露わになっている。

(うん?これって先輩の...写真、というか昨年度の生徒会のアルバム?)

楽しそうに笑う先輩の学年証は1年生のもので、
そこには数人の役員・・・と、先輩の隣で親しそうにしている男性の写真があった。

「あっ!この人だよ!仲良かった男の子!弟君といつも遊んでたな~」

天音が欣快の至りといった様子で飛び跳ねる。
他の役員と明らかに先輩との距離感が近いその男性。

(この人・・・どんな関係なんだろう...知らないと、この人のこと!)

あの事件の重要な鍵になることを感じながら、私は生徒会の活動を全うするのだった。

大事件、出会い①
 少しのトラブルはあったが、生徒会室の片付けは終わり、今日のところは解散となった。
全員が生徒会室から出たのを見計らって私は生徒会室に戻る。
ドアのカギは先輩が閉めて行ってしまったので、窓からの侵入だ。

(なんだか泥棒みたい・・・)

罪悪感に苛まれるが、目的の場所まで歩を進める。
生徒会室のおあつらえ向きな棚には無数のファイルがあり、その一つ一つを開いていく。
昨年度の生徒会役員の名簿を開き、一人一人確認していく。
その中には当然だが、先輩の名前もあった。
しかし、それ以上の情報は得られず、あの男性の名前も分からず終いとなってしまった。
若林、滝、井沢、来生、寅、・・・人数も少ないので覚えるのは容易であったが、
これをどうするかは今のところは思いつかない。
私は生徒会室から出て、電車で帰路についた。

(あのアルバムって…)

段ボールの中にはいくつかのファイルがあり、その中にあのアルバムがあった。
無造作に開かれたページには確かに昨年度の先輩の姿があった。
その隣には笑顔を湛える先輩の肩にそっと手を添える特徴的なネックレスをした男がいた。
市販では売っていない、まさに特注品といった緋色のネックレスは
彼のために作られたようで、彼の雰囲気に完璧にフィットしていた。
そんな彼は写真にも関わらず、優しい視線で目下の先輩を見つめていた。
彼が一体誰であるのか、先輩とはどんな関係なのか、私には知る由もない。

(もしかして、先輩には彼氏がいる...とか、そうだよね。。。)

刹那に頭によぎった考えから目をそらし、私は電車を降りた。
ここまで10分、駅から家まで20分歩いて、やっとこさ家に着いた。
私の家は住宅街では高層のマンションの一室で13階中5階に位置する。

(さすがに疲れたな…)

エレベーターのボタンを押し、しばらくして扉が開く。
乗り込もうとしたところ、後ろからスッと足元を駆けていく影があった。

「こんにちは」

私よりも僅かに小さい少年に声をかける。

「こっ、こん…にちは…」

少しカールのかかった髪とそこから覗く端正な顔立ちは幼さを携えながらも印象に残る。

(友達の家に遊びに来たのかな?)

見覚えのない少年はこちらには目を向けず、懸命に手を伸ばしている。
どうやら頂上の13階が目的らしいが、悲しいかな10階が彼の限界らしい。

「13階で大丈夫?」

横から声をかけると、少年はこちらを伺いながらも、

「お、お願い、します」

と歯切れ悪く言った。
その姿も愛くるしく、様になる。

「私は5階の狭間です。君は?」

可愛がると言っては押しつけがましいが、気付けば私は少年に声をかけていた。

「えっと、13、階の…えっと...と,寅 昇(とら のぼる)・・・です。」

少年が言い切ると同時に、エレベーターは5階に到着した。

「昇君ね。またね。」

そう言って私はエレベーターから降りた。

(13階に住人なんていたかなぁ...)

13階はこのマンションで最も家賃が高く、住み着く住人は居なかったはずだ。
マンションの住人が多いとはいえ、
玄関ホールや駐車場などで住人のことを目にすることはある。

(・・・あれ?寅って生徒会の名簿にもあったような...)

天音から聞いたわけではないので確実ではないが、昇君はおそらく・・・

その時は特別気にかけることはしなかったが、見慣れない顔の少年、昇君と
13階の住人「寅」さんに少しの疑問を持ちながら、私は家の鍵を開ける。

両親は現在、短期間の海外出張中で今日の夜には帰ってくるはずだ。
洗濯、炊事、食器洗い、大方の家事を終わらせ、入浴を済ませ、両親の帰りを待つ。
ベットに横になり、今日のことを振り返る。

(今日はいろいろと大変だったなぁ)

今日起こったことは私の人生で類を見ないほどの強烈なものだった。

(・・・初恋、だったのになぁ。。。)

初恋の相手、千歳 唯華 には恋人がいて、まさかのキス現場を目撃してしまった。
天音によれば、先輩は私たちの教室まで迎えに来ていたらしく、
生徒会室に居たキスの相手のことは誰も見ていないらしい。
そして、あのアルバム。
先輩の肩に手を置く男性は特徴的なネックレスをしていて、
その視線はカメラではなく、先輩の一点を見つめていた。

(きっと、あの人が、先輩の・・・でも、それじゃあ...)

彼が先輩と親しいのは確かで、それ以上の関係かもしれないというのは容易に想像できる。
しかし、もしそうだとしたら、なぜ彼は今年度の生徒会役員ではないのか。
あのアルバムは昨年度の生徒会役員の写真なのだから、
当然、彼も生徒会役員だったはずだ。
しかし、彼は今年度の生徒会役員ではない、人数不足にも関わらずだ。

(何かしら事情があったのかな...)

そんな、考えていても仕方がないことを続けていた私であったが、
気が付けば眠りに落ちていた...

大事件、出会い②
 「ちょっと。起きなさい、精華。」

どこか懐かしい声に揺さぶられながら、私は目を覚ます。

「・・・うん?お母さん、お帰りなさい。どうしたの?何かあった?」

まだ帰って時間が経っていないであろう外着の母親に聞くと、

「お父さんが海外のお土産を買いすぎちゃって、消費しきれないからおすそ分けしようと思うんだけど、お父さんは会社に届けに行ったから、精華とお母さんは近隣の人にね。」

両親は同じ職場で働いているので、お父さんが会社に届けに行くのはわかるのだけど・・・

「それにしても買い過ぎじゃない...」

山のように積もったお土産に圧巻されていた私であったが、

「精華もおすそ分け手伝ってね。はいこれ、これでも少ないほうなのよ。」

そういって渡された紙袋には、いかにも海外らしいチョコの箱が入っていた。

(うーん、まだ眠いのに・・・)

しかし、出張帰りの母に任せきるのは忍びないので

「わかった、じゃあ私は準備するからお母さんは先行ってて。」

眠い体に鞭を打って起き上がる。
年頃の女の子はどこに行くにもおめかししなければならない、とお父さんはよく言う。
しかし、そんなに時間もかけていられないので少しのオシャレをして玄関ホールに向かう。
このマンションでは強盗事件などが起きないようにマンション住人の間でも、
一度、玄関ホールのインターフォンを経由する必要がある。

(都内のマンションなんて人付き合いは皆無なのになぁ、、、だからこそなのかな?)

(いつもお世話になっている人はお母さんが届けるだろうし・・・)

思い出されたのは昼の少年、寅 昇君だ。
彼がアルバムのあの男性の弟であることを予期しながらも、

(ひとまず、会ってみよう)

目線を上げ、13階に視線を向ける。

13階 寅

天音によれば先輩はよく「寅」さんと話していたという。
・・・覚悟を決めてインターフォンを押す。

ピンポーン

威圧感のある音に緊張しながらも、私はインターフォンの返事を待つ。

ガチャン

「・・・はい、寅です。どちら様でしょうか?」

寅君とは異なる、高校生らしき声が返ってきた。

「はい、私、5階の狭間なんですけど、
両親が海外からお土産を持ってきたので、おすそ分けどうでしょうか?」

・・・少しの間があったが、

「そうですか。では頂きます。」

自動ドアは開かれ、来た道を戻り、乗り込んだエレベーターが13階に到着する。
寅家の表札を探しているうちに、角部屋へと辿り着く。
角部屋への道が生徒会室のそれと似ているため、少し足踏みしてしまう。
しかし、いつまでもそうしているわけにはいかず、私はインターフォンを鳴らす。

「はい、狭間さんですね。今開けます。」

直後に開かれたドアから覗く印象深い緋色のペンダント、寅家と書かれた表札、
目の前に現れた男性は、間違いなくあのアルバムの彼だった。。。

大事件、逃避
 「・・・こんばんは...」

目の前に広げられた現実に気圧されながらも、なんとか言葉を吐きだす。

「あの。。。5階の狭間 精華です。両親が旅行のおすそ分けということで…」

扉を背に立つ彼からの返事が来ることはなく、沈黙が流れた。

(もしかして、一息に言ったせいで聞こえなかった...とか?)

「あ、あの!おすそ分けを...」

「・・・あぁ、すみません。ありがとうございます。」

シャイそうな寅君とは異なり、彼はまさに好青年といった風貌だ。
短めに切られた髪や肢体の隅々にまで隆起する筋肉から、
一目で彼がスポーツマンなのだと分かった。

(これが、先輩の・・・彼氏...かもしれないんだよね。。。)

昼の光景が思い起こされ、胸が苦しくなる。

「引っ越してきたばかりなのにわざわざありがとうございます。家族で頂きます。」

「いえいえ、どうぞご家族の皆さんで召し上がってください。」

彼は頭を小さく下げ、

「はい、頂きます。近いうちに、挨拶に参りますので。よろしくお願いします。」

そう丁寧に伝える。

「はい、こちらこそよろしくお願いします。失礼します。」

そう言って戻ろうとした私だったが、

(...ダメ、ここで聞かないときっと、いや絶対に後悔する!)

「ちょっと、待って...ください、、、」

扉に手をかけて部屋に戻ろうとする彼を私は咄嗟に引き留める。
彼が誰で先輩とどんな関係を持つのか、その一点が胸中を刺激する。

(やっぱり、聞かないと!)

こちらに振り返った彼の眼を見て、

「・・・名前、教えてください。それで・・・えっと、その...」

言葉に詰まる私を気にかけてか、

「僕は寅 駆(とら かける)です。それで、どうかしましたか?」

彼はそう名乗り、私の続きを待つ。
私は胸に手を当て、自分を鼓舞する。

(聞かないと...関係を、どんな関係なのかと!)

「いえ、その・・・あ、あの、だから、その、かん・・・」

「・・・かん?」

言葉にしようとすると、決意は揺らぎ、情熱の炎は急速に火力を引き下げ、

「その・・・か、かん。。。感想を、そう!おすそ分けの感想を!」

(や、やってしまった。。。!)

・・・全く見当違いなことを言うこととなってしまった。

「そ、そういうことなので、おやすみなさい!」

「え、は、はい。またお会いした時にでも言わせて頂きます。」

返事する彼には目もくれず、私は逃げるように駆け出した。

噛んだ唇はほんのりと血を滲ませていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

君の瞳のその奥に

楠富 つかさ
恋愛
地方都市、空の宮市に位置する中高一貫の女子校『星花女子学園』で繰り広げられる恋模様。それは時に甘く……時に苦い。 失恋を引き摺ったまま誰かに好意を寄せられたとき、その瞳に映るのは誰ですか? 片想いの相手に彼女が出来た。その事実にうちひしがれながらも日常を送る主人公、西恵玲奈。彼女は新聞部の活動で高等部一年の須川美海と出会う。人の温もりを欲する二人が出会い……新たな恋が芽吹く。

義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です

渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。 愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。 そんな生活に耐えかねたマーガレットは… 結末は見方によって色々系だと思います。 なろうにも同じものを掲載しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛のゆくえ【完結】

春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした ですが、告白した私にあなたは言いました 「妹にしか思えない」 私は幼馴染みと婚約しました それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか? ☆12時30分より1時間更新 (6月1日0時30分 完結) こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね? ……違う? とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。 他社でも公開

初めて愛をくれたのはあなたでした

紫音
恋愛
初めまして、この小説を開いてくださってありがとうございます。 私、この小説の主人公の宮本 日菜と申します。 こんなひよっこ著者の小説を開いてくれたことが奇跡であり、本当に私からも感謝します…。 さて実は私、半ば強制的に内容紹介を任された訳なんですが…。 えぇと、渡された台本によると…? 「一見完璧だが裏表ありの残念腹黒女子 宮本 日菜と 運動神経抜群でいつも笑顔で人気者、しかし誰にも言わない闇を抱えている日菜の想い人,蓮見 真乃香 とその友達が送る爽快…」 …ってなんですかこれ? せっかく今のうちに読者の皆さんへ印象操作をしようと計画していたのに…((ボソッ… まあ、さっきのは聞かなかった見なかったことにして… はいっ! このお話は生徒会に所属していて高嶺の花と称される私、「宮本 日菜(みやもと ひな)」と 私が密かに想いを寄せている同性の「蓮見 真乃香(はすみ まのか)」さんとの 百合系恋愛小説です! 少し闇(?)な所もあるかもしれませんが 未熟な私達に愛を下さればとても嬉しいです。 更新頻度については奇数の日の午後9時〜午後11時の間にできるだけ更新していきます。 このような回りくどり内容紹介文を最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。

ふまさ
恋愛
 楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。  でも。  愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。

勘違い令嬢の心の声

にのまえ
恋愛
僕の婚約者 シンシアの心の声が聞こえた。 シア、それは君の勘違いだ。

処理中です...