4 / 11
4
しおりを挟む
部屋は足の踏み場もなかったが、義兄は何も言わなかった
万年布団の上に2人で座る
義兄は体が大きいのでなんだか妙な感じだ
「どうしたの?水帆にぃちゃん?何かあった?」
「鉄、お前いつの間に人見知りが直ったんだ?」
人見知りは直っていないのだが、義母がいなけりゃ俺はこんなもんだ
しかしそれは義兄には言えない
「んー、まあ直ってないけど」
「何で帰って来ない?」
いきなり低い声で言われて、びくりと身体を震わせる。目を合わせないまま、もじもじと冷や汗をかく俺を綺麗な瞳でじっと見据えている
「………あ、あの、……その……め、面倒で」
「義父さんも、母さんも寂しがっているから、たまには帰りなさい」
寂しくなんてないだろう。子供じみた反論を飲み込みながら俯く
「あ、あ…うん。また、帰るよ。ごめんね、水帆にぃちゃん」
もじもじと指を回しながら言うと、疑いの目で見られているのがわかる
「そうか、じゃあ一緒に帰ろう」
立ち上がる義兄に慌てる。俺はもう、家には帰りたくないのだ
「あ、今から?はダメ。安西、さっきのやつと遊ぶ約束が…あるから…」
万年布団の上に2人で座る
義兄は体が大きいのでなんだか妙な感じだ
「どうしたの?水帆にぃちゃん?何かあった?」
「鉄、お前いつの間に人見知りが直ったんだ?」
人見知りは直っていないのだが、義母がいなけりゃ俺はこんなもんだ
しかしそれは義兄には言えない
「んー、まあ直ってないけど」
「何で帰って来ない?」
いきなり低い声で言われて、びくりと身体を震わせる。目を合わせないまま、もじもじと冷や汗をかく俺を綺麗な瞳でじっと見据えている
「………あ、あの、……その……め、面倒で」
「義父さんも、母さんも寂しがっているから、たまには帰りなさい」
寂しくなんてないだろう。子供じみた反論を飲み込みながら俯く
「あ、あ…うん。また、帰るよ。ごめんね、水帆にぃちゃん」
もじもじと指を回しながら言うと、疑いの目で見られているのがわかる
「そうか、じゃあ一緒に帰ろう」
立ち上がる義兄に慌てる。俺はもう、家には帰りたくないのだ
「あ、今から?はダメ。安西、さっきのやつと遊ぶ約束が…あるから…」
235
お気に入りに追加
2,887
あなたにおすすめの小説
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
番に囲われ逃げられない
ネコフク
BL
高校の入学と同時に入寮した部屋へ一歩踏み出したら目の前に笑顔の綺麗な同室人がいてあれよあれよという間にベッドへ押し倒され即挿入!俺Ωなのに同室人で学校の理事長の息子である颯人と一緒にα寮で生活する事に。「ヒートが来たら噛むから」と宣言され有言実行され番に。そんなヤベェ奴に捕まったΩとヤベェαのちょっとしたお話。
結局現状を受け入れている受けとどこまでも囲い込もうとする攻めです。オメガバース。
βを囲って逃さない
ネコフク
BL
10才の時に偶然出会った優一郎(α)と晶(β)。一目で運命を感じコネを使い囲い込む。大学の推薦が決まったのをきっかけに優一郎は晶にある提案をする。
「αに囲われ逃げられない」「Ωを囲って逃さない」の囲い込みオメガバース第三弾。話が全くリンクしないので前の作品を見なくても大丈夫です。
やっぱりαってヤバいよね、というお話。第一弾、二弾に出てきた颯人がちょこっと出てきます。
独自のオメガバースの設定が出てきますのでそこはご了承くださいください(・∀・)
α×β、β→Ω。ピッチング有り。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
イケメンの後輩にめちゃめちゃお願いされて、一回だけやってしまったら、大変なことになってしまった話
ゆなな
BL
タイトルどおり熱烈に年下に口説かれるお話。Twitterに載せていたものに加筆しました。Twitter→@yuna_org
フェロモンで誘いたいかった
やなぎ怜
BL
学校でしつこい嫌がらせをしてきていたαに追われ、階段から落ちたΩの臣(おみ)。その一件で嫌がらせは明るみに出たし、学校は夏休みに入ったので好奇の目でも見られない。しかし臣の家で昔から同居しているひとつ下のαである大河(たいが)は、気づかなかったことに責任を感じている様子。利き手を骨折してしまった臣の世話を健気に焼く大河を見て、臣はもどかしく思う。互いに親愛以上の感情を抱いている感触はあるが、その関係は停滞している。いっそ発情期がきてしまえば、このもどかしい関係も変わるのだろうか――? そう思う臣だったが……。
※オメガバース。未成年同士の性的表現あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる