完結⭐︎キツネの嫁入り

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三宜が自分の匂いさえ纏ってくれれば、全て我慢できたのだ

それなのにーーー

清順の前に現れた三宜はよそよそしく、あまつさえ他のアルファの匂いがした

嬰林を排除したのに、一体誰が


目の前が暗くなって、全て破壊したくなる衝動を抑え、三宜の後ろでおどおどとしている小女が目につく

小女は清順を認めてから、恐怖に顔を引き攣らせながらも三宜につきしたがっいる

この女が、邪魔をしたのだ

三宜の周りをうろうろしている、この塵が

清順の匂いがついているもの全てを処分し、三宜と清順を近付けさせたくないのか目の前に立ち邪魔をする

アルファの匂いは蕭家の家族のものだとわかり、毛が逆立つような怒りは治ったが

ちょこちょこと邪魔をするこいつは何なんだろうか

せっかく三宜の為に離宮も清順の匂いで満たしておいたのに

責めるような視線は、清順のしていることがわかっているのだろう

しかし、目の前の獲物、アルファがオメガを手に入れようとする労力は並大抵のことでは邪魔すらできない

ましてや三宜は清順のものなのだ

誰かに奪われることも、ましてや小女如きに邪魔されるなどあってはいけない

むかついたから三宜のその侍女を三宜が弓矢をする的に選んだ

残念ながら一命を取り留めてしまい死ななかったが、三宜が清順の髪の飾り紐を嬉しそうに受け入れたので一度はゆるそうかとも思ったのだ

三宜が小女如きで悲しんでいたのもある

だが、次に現れた三宜は手首の飾り紐を外していたのだ

「気持ちがあるならつけていて欲しい」

そう清順が懇願した、あの紐を
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