[完結]キツネの嫁入り

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そして密着したことにより、清順の匂いが香り三宜は硬直した

なぜ、清順からあの匂いがするのだろうか?

それは確かに飾り紐と同じ匂いだった

「……あ、やっとわかったの?」

清順がにやりと笑ったのがわかった

運命の番だーー

離れなきゃいけない、せっかく出会えたのに、早く、離れないと

清順が腰に添えている手は優しく、いつでも抜け出せそうだが、体がいうことをきかない

いつまでもくっついていたい

離れたくなんてない

清順は殺されはしないだろうが、三宜は許されないだろう

許されない行為だ

清順がそのまま輿に三宜を連れて行こうとする。この輿に乗ってしまったら、どこにいくんだろうか

結局、三宜は逆らえず、輿に乗ってしまった

二人きりの空間で、衣擦れがする音がやけに耳に響く

清順に肩を寄せられ、離れがたいように抱きしめられた

首元に清順の唇が当たり、ぞくぞくする


輿が出され、動きだしてしまっても、清順は何も言わず、離れがたく抱き合っていた

清順の長い指が、三宜の着物から入ってきて素肌に触れる

その部分から熱く、火に炙られたように苦しい

清順の薄い唇がなん度も三宜の唇に押し付けられ、全身硬い清順の柔らかな部分に触れて涙が出てきた


離れがたく、幸せだった


長年ずっと清順を想ってきた

清順の手が三宜の腰帯を解き、宥めるように肩を撫で唇を合わせる

息が上がり清順にしがみつきながら、求めてしまいそうになる

「………許されないことです」

口にしながら、全身が引き裂かれるような痛みを感じる

三宜の言葉に清順も小さく頷く

「大丈夫、何もしないから…お願い、もう少しだけ…」


掠れた清順の声に、首元に執拗に鼻を埋め、唇の感触を感じる

幸せで胸が苦しい。許されないことなのに、こんなに耐え難いものだっとは


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