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番外編SS 王様※
しおりを挟む「ちょっと、そこのあなた、いらっしゃい」
静かな高い声で話しかけてきたのは、金色のベールを身に纏い、じゃらじゃらとした宝石で飾り立てられた異国のドレスを着た女性だった
彼女は先月、王様に嫁いできたお妃様だ
黙って着いていくと彼女の部屋に連れて行かれた。たくさんの侍女達も異国の人たちで、お妃様が連れて来た人達だそうだ
睨まれたり歓迎されているムードではないので、緊張しながら促されたソファに座る
「あなた、お名前は?」
小鳥のような声と、黄金色のウェーブした長い髪に、白く小さい顔に円なアンバーの瞳に少しドキドキしながら答える
「ヤージャといいます」
カチャカチャと目の前に用意されていく紅茶や変わったお菓子を目で追ってしまう
なかなか珍しく美味そうな、お菓子が並べられている
「ヤージャ、あなたは、どういうスタンスなのかしら?」
「と、いいますと?」
お妃様は静かにお茶を飲んでいるので倣ってお茶を口にする
「どういうスタンスで陛下に抱かれていますか?」
スタンス…考えたことなかった…なんになるんだろう?うーん?愛人ではなさそうだし…
「オナホですかね?」
まあこれが一番最適解かな?
ブーッとお妃様は、お茶を吹き出したので侍女達が慌てて布巾で拭きに飛んできた
「わ、弁えてるわね?で、でもあなたの中で陛下の存在は大きいものでしょう?」
うーん…?まあそうかな?母さんがお世話になってるし
「まあ…そうですね」
「そ、そうでしょう!で、その私が言いたいのはですね…」
あ、追い出されたりするのかな?別れろとか?
すこし構えて聞いていると、お妃様が咳払いをすると、侍女達が出ていく
侍女達が出て行ったを見届けて、もう一度咳払いをする
「その…コホン、私が聞きたいのは、何故陛下は、あなたが愛人なのに、その…ターズ様のお名前を呼ばれているのですか?」
「……あー、ね?うーん…わからないデス」
おもくそ聞かれとるやんケェええ!うかつにもターズの名前呼びながら抱いとるのを!!
仮にも実の兄弟なので言葉にするのは憚られる
「その…私の時もですね、陛下はターズ様のお名前を呼ばれるのです」
俺は天を仰いだ
いや、いいんだよ?俺は別に。でも嫁であり妃でもあるパートナーにする仕打ちかねと思うね
「ターズじゃなくて、あれじゃないですか?達するず!ターズ!と口にされてるのではないでしょうか?」
「なぜいきなり陛下が訛るのですか?誤魔化さないでください!やはり、やはり陛下は!!」
がばっと両手で顔を覆った。いや気持ちはわかるよ?異国からはるばる嫁いできて、正妃と思いきやジプシーのガキを囲ってると思いきや実の弟に懸想してるなんて、俺なら国に帰りたくなる
「あなたもこの結婚は失敗だと思ってるのでしょう!!」
「いや…その…ターズ様は、はっきり断っていらっしゃるので…」
慰めにかかるも、お妃様は泣いてしまっている。俺だって泣きたい。いやべつに王様が好きとかじゃなくて、抱かれることに対して
「つまり、ヤージャは陛下を想いながら…陛下は弟を忘れられず、そんな陛下を支え続けているのですね?」
あ?う?え?いや、違う…違うけど違うって言いにくい状況だ
「ま、まぁ…いやでも俺は諦めてます…大丈夫です…お妃様にいずれ気持ちは向くでしょ…う?」
「そういう事ではないのよ」
すくっとお妃様が立ち上がる
「もうこうなってしまったからには、私にも近くで観覧する権利というものがあるでしょう?私監修の元でヤージャにも陛下を誘惑してもらいたいの。わくわく」
ん?何を言い出したんだ?頭いかれてんのか?いや、ダメだ。相手はお妃様。話を聞こう
「ヤージャにだんだん惹かれていく陛下。その時ターズ様はどうなさるかしら?」
いや、何もしねぇと思うけれど俺に関しては嫌がるだろうけどとは言い難い空気だ
ターズは俺が王様に抱かれるの、まだ納得してないからな。全然好きな態度もないから許されてるだけで、俺が王様を好きな態度をとったら面倒くさいことになる予感がする
無駄にキラキラキラキラとしだしたお妃様の目が逆らうと、どうなるかわかってるわよね?と細められる
「いいこと!私はもうこの環境を楽しむことにしました。第一弾いくわよ?」
そう言ったお妃様に命じられて、禁欲的なのがいいのよと執事の格好をさせられた
髪を整えられ、恥ずかしくなってされるがままになっていると、お妃様は、いい仕事したわ。とひとりごちる
「あの…一応、陛下でも俺の貸し出しってターズ様の了承がいるんですけど…」
「嫌よ。私をこんなことに巻き込んだ責任があるでしょう!やりなさい」
どんと背中を押されて、侍女達に連行される形で王様の執務室まで来てしまった
もう本当に嫌なんだけれど、いかないとお妃様はゆるしてくれないらしい
早く入れと促されて、ノックして室内に入る
お茶を用意する名目なので、一応小道具にお茶のセットを持たされているが、お茶だけ用意して戻ったら駄目だろうか?
「し、失礼します」
頭を下げて室内に入ると、王様が真剣な顔で書類の山と向き合っていた
いつにない表情に凛々しさも加わり雄臭い美形なので、なんとなくセクシーだ
静かに西陽が入ってくる室内にコソコソと入り、お茶のセットを準備する
目も上げない王様に、なんとなく唇を尖らせて準備が終わったので出て行こうとしたら、ふと目線が上がった
鳶色の切れ長の目と視線が合う
「ヤージャ、どうしたんだ?こちらに来い」
疲れているのか目頭を揉みながら王様が言う
恐る恐る近づくと、リボンタイを引っ張られ、ぐいっと顔が近づく
「天からの褒美だな。最近余の元気がないからターズが気を使ってくれたのだろうか?ああ、じっとしてなさい」
ぷちぷちとボタンをはずされ、シャツを開襟すると、腰を抱き寄せられ舌を見せつけるように出して乳輪を丹念に舐め上げ、乳首を吸う
王様の硬い髪を撫でながら、んっ、と仰け反ると、ベルトを抜かれ、あっという間に下半身は裸になっていた
恐るべき早技だ
そのまま膝に乗る形になると、お尻を指で解しながら、雄っぱいに夢中になっているのが、なんだか可愛くて小さく笑うと、咎めるように歯を立てられた
「あっ、もう、はあ、陛下…」
窓の外でお妃様が鑑賞しているのが見えて、本当にいかれてると思いながら、王様が顔を上げたので唇を吸う
丁寧な手つきで執拗に中を調べるようにアナルをいじられ、快感に耐えるようにぎゅうと抱きつくと、王様が笑った気配がした
「ヤージャ、お前の中に入りたい。挿れてもいいか?」
耳元で囁かれ、ビキビキに勃起したブツをお尻に擦り付けられて、早く欲しいような、無理矢理、力づくで押さえつけて犯して欲しいような変な気持ちになる
「だめ、我慢し…あぁああ!」
腰を押さえつけられ、無理矢理こじ開けるように硬く熱いブツをぶち込まれて悲鳴に似た声をあげてしまった
みちみちと無理矢理捩じ込まれたペニスを驚いた内壁が収縮し、びくびくと痙攣する
「ヤージャ、気持ちいいくせに、いじめられたいくせに、駄目とはなんだ?こんないやらしい格好で来て、ちんこ咥え込まされるのはわかっていただろう?」
どちゅ、どちゅ、と重たく内部を征服するように突き上げられ、乳首を弄られながら、自らも合わせるように腰が動いてしまう
「わかんな、わかんな…い、あっ、ひっ、ぐっ、ん!あっ、ん!」
「ヤージャ、ヤージャ!先に出会っていれば独り占めできたものを!お前の中は最高だ。なんてエロい体なのだ…」
腰を逃げないように押さえつけられ、ごりごりと前立腺を潰しながら、腰をいやらしくまわし、快楽を追う腰の動きに、いやいやと首を振りながら逃げようとするが、激しく律動されそれも叶わない
「犯されながら笑うヤージャは、可愛いな。気持ちいいことが大好きなんだろう!?」
何度も王様の着衣しているシャツに射精しながら、いっているところを突き上げられ、最早喘ぎ声なのか悲鳴なのかわからない
「奥に出すぞ!生ですることを覚えたエロガキが!」
ぱちゅぱちゅと、いやらしく突かれ、執務机に乗せられて、抱きしめられながらびゅくびゅくと熱く中に出される感覚に、びくんびくんと痙攣する
熱い息を吐きながら、髪をかきあげる王様に思わず見惚れていると、唇を塞がれた
「ヤージャ、余の部屋に行こう。暫く預かるとターズに伝えておけ」
王様の言葉に扉の外でガタンという音と走り去る音が聞こえてくる
窓の外で、お妃様がグッと親指を立てているのが見えて、体が脱力していくのを感じた
end
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