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何者カンパーニュとクマさん2
しおりを挟む「龍王様の生誕祭ならば、使用人も殆ど出払うね。脱走の手配を、その日に頼んでみる。船着場が待ち合わせ場所だから…船は使えないから浮島内に潜伏しないと駄目だね」
ホーイの言葉に頷くと、扉がバンと開く
「話は聞かせてもらった!孕んだ女房のために泣ける話だぜ!俺も脱走……いや、協力させてもらう!」
「あ、私も脱……ついて行きます!産気づいたり病人がいたら私がいるでしょ?」
どうやら怪我人とはクマさんだったようだ。包帯を巻かれたクマさんとカンパーニュが叫びなら入ってきたのでホーイと顔を見合わす
「え、でも危険だし…責任もてないよ?」
俺の説得に2人は首を振る
「元々、私は悪いことしてないしクソアルファに陥れられただけだし!」
「俺はまあ犯罪は犯したが、岩を砕くの飽きたし元々犯罪者だし」
やっぱりクマさんは犯罪者だったか。なんとなく、そんな気はしていた
「まあとにかく、話を聞かれたんだし、私たちも一緒に連れていくのが得策だと思わない?」
「勝手についていくがな」
「大勢のが楽しいんじゃないか?亜貴、クマさんに案内を頼もう?今夜の24時に監視システムや警報が鳴らないようになってるから、今夜のうちに脱走しろって」
大勢の方が楽しいって、そんなピクニックじゃないんだからとも思ったが、脱走計画がバレているのにクマさん達を置いていくのも危険だろう
「わかった。じゃあ、夜に皆で脱走しよう。それなら他の人たちも脱走しそうだけど…クルルーシュカの生誕祭の日までどうするの?」
「潜伏先ならあるぜぇ」
ニヤリと笑うクマさんに皆んなで顔を見合わせた
「とりあえず、女房の奪還が先だな。俺が指揮をとる!お前らはちゃんと俺の言う事をきけよ!」
びしりと全員を指差すクマさんに顔を見合わせる
「あ、それは用件によります」
「おいらのクリマ姉さんの安全第一で」
「なんで、クマさんがしきんの~?俺がホーイじゃないの?」
まるで協調性のない自分を含む面々に不安にもなるが、一番年長者であるクマさんがとりあえず仕切る形に落ち着いた
「たくよぉ、おめぇら素人の集まりだろうが!とりあえず今夜、手下達に迎えを頼む
から、守備よく脱走すっぞ!」
どうやら、クマさんには手下までいるらしい。そして何故かカンパーニュが目をキラキラとさせている
「私、今まで厳格な家庭に産まれて真面目に生きてきたの。脱走なんてわくわくするわ」
まあそれは俺も同じだ。なんかちょっと楽しくなってきてしまっている
とにかく、夜になったら脱走して、クマさんの手下と合流してユティエル家への侵入方法を考えようということになった
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