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しおりを挟む「え?うまくいったの?良かったね?え?ボーナスくれるの?大好き戮様、これからもタブレットだけはお願いねぇー」
奈津はるんるんと通話を切る。
「紫苑には悪い事しちゃったけど、結果オーライならヨシだよねぇ」
神宮寺家の番となったのは、オメガを持て余した自分の家からの依頼だった
アルファの父親と兄と弟を抱えた奈津の家では、発情期のオメガを置いておけなかった
そこで、金持ちのジジイのアルファと番になるか神宮寺家の番もどきになるか選ばされた
奈津が選んだのは当然、イケメンで金持ちの神宮寺だった
本当の番になりたかったが、神宮寺は3ヶ月で匂いがダメになると有名だった
自分だけは大丈夫な気もしていたのだが、全くダメで3ヶ月がきたら、お払い箱にされた
悔しいし、悲しくもあったが、そこは流石神宮寺家
番のフェロモンが出る錠剤を、お気に入りのアルファに飲ませる事で本当の意味での番にはなれないが、発情期を一緒に過ごす相手は出来たのである
しかも神宮寺家の番もどきは良家のオメガが多く皆美人なので引くて数多だった
他の番もどきも同様で、汚い中年やジジイよりはマシと仮初の番もどきになっていたのだが、その後はしっかり相手がいる
発情期はそれだけ辛いのだ
ちゃんとした番になっているのは紫苑だけなのだ
少し羨ましくもあるが、紫苑だけは神宮寺が譲らず自ら番にしたオメガなので仕方がない
紫苑が残していった荷物を神宮寺家に郵送して、奈津は少しだけ寂しくなったような気がした
END
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