首輪のわ

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目を覚ますと神宮寺の部屋で、真っ裸で座らされた状態で脚は大きく開かされ足首に拘束具がつけられていた

首と手も手首と手の甲に拘束具がつけられている

「……なんだよ、これ!?戮!外せよ!奈津!奈津ぅ…!」

ガタガタと身体を揺するも、拘束具はびくともしない。真っ裸なのが嫌な感じだが、だだっ広い部屋の冷気でぶるりと肌が震える

神宮寺は上半身だけ脱いで、こちらに背を向けて、何かをカチャカチャと準備しているようだった

「…………戮?」

無言なのが気になり、呼びかけても神宮寺はこちらを見ない

「おい!外せよっ!いい加減にし………ろ……」

言葉尻が詰まってしまったのは、振り向いた神宮寺の目が、いってしまっていたからである

どす黒く濁った瞳は光がなく、どこまでも黒い。無表情で、四角いバケットを持ったまま虚な美貌は作りものめいていた

俺は、バケットに乗せられている物を見て、喉がごくりと動いた

冷や汗が背中を伝う

「しぃちゃんがさぁ、俺を好きになってくれるまで…頑張ろうね。きっとすぐに好きになるよ」

神宮寺の手には、長く細い針が銀色に光っている。ぶるぶると身体が震えた

「まずは、俺以外と口をきかない約束からしようか」

馬鹿みたいに震えている俺の指を撫でて、ちゅうと吸うと、爪の間に細い針があてがわれる

「傷も残らないから、安心して遊ぼうね?」

「あ…うそ、だよな?しないよな?戮、戮!やだやだやだやだ、やめて、やだ!ああああああ!いたい、いたい!やだ!痛いぃ!!」

爪の間に鋭く入ってくる針に、全身で暴れるも拘束具はびくともしない

神経が集まる指先の鋭い痛みに涙と涎がしたたる

「んー?かわい、他の人と口をきかないお約束、しぃちゃん出来るかな?」

とんとんと人差し指で、針を押し込まれる度に、凄まじい痛みに歯を食いしばる

「する、するぅ、きかない、きかないからっ…!戮以外と口きかないっ、だから、やめ、やめてっ…!お願いっ…ぃあ…」

神宮寺はにっこり笑うと、2本目の針を手に取る

「抑制剤、避妊薬を飲まないこと、お約束できる?」

優しい神宮寺の声に、ぐっとなる。抑制剤はともかく、避妊薬は飲みたい…子供が出来てしまったら、神宮寺から逃げられない

言葉に詰まった俺を冷徹な目で見下ろして、次は小指に針があてがわれる

喉が信じられないくらいひくついて、恐怖でしょろしょろと力なく漏らしてしまい、太腿を擦り合わせる

「飲む気なんだ?」

とんとんと押されて爪の間に入り込んでくる鋭い痛みに首を打ちつけるように激しく振る

「のま、飲まないっ、飲まな…いっぃい」

「でも、しぃちゃんて、この後、自由になったら態度急変させるタイプだからなぁ…本当にちゃんと、いい子になってお約束できる?」

神宮寺に目を覗きこまれて、力なく頷く

俺の性格をよく読んでいるが、再びこの針はきついし、無理

とんとんと、針が刺しこまれて俺は短く悲鳴をあげた

「いいこ、なる!なるからぁ!」

「ふぅん?素直になってきたね。じゃあ、紫苑は、誰が好き?」

次は、一際長い針を神宮寺は手にしていて身体が尋常じゃなく震えた

片頬だけ笑顔で眼は、再び黒く濁っている。神宮寺の見事な胸筋から割れている腹筋を眺めながら、身を強張らせる

「ねぇ、紫苑は誰が好きなのかな?」

「あ……、あ、戮、戮、嫌だ、痛いの嫌、やめて、やめて…」

神宮寺の大きな長い指が針を丁寧に爪の間に潜りこませる

「あ、嫌だ嫌だ!奈津、奈津、奈津ぅ…!助けて…助けてぇ…」

ぼたぼた涙をこぼすと、ぐっと針が爪の間に刺さる

あまりの激痛に悲鳴すらあげられない

「ふふ、見て、しぃちゃん勃ってる。気持ちよかった?奈津って誰?それが好きな人でいいの?」

とんとんと、形の良い指で押されて三本の針を刺激される

脂汗が噴き出て、痛みで頭が朦朧とする

「ぃ…嫌だああああ!あっ、ひっ、ちが、ちがうぅ、戮、戮、戮が好きっ!!」

髪を振り乱し、下半身は扱かれながら、針を刺されて神宮寺に媚びへつらう

力なく射精し、腹を汚す精液が信じられない

吐き気を堪えながら針が刺さったままの指を見つめる。もう、針を刺されたくない

「俺が好きなんだ?じゃあ奈津は?」

神宮寺の手に新しく2本の針が見えて、首を振る

痛みに耐える為に脂汗が滴り、生理的な涙が止まらない

「しらな…知らない人、知らない…戮、好き、大好き」

しゃくりあげて泣くと、頬を撫でながら神宮寺は首を傾げる

「この後、逃げないって誓える?今日言った事、ぜんぶ本当?」

奈津の笑顔が思い浮かぶ。針が刺さったままの指が血で汚れてて、もう耐えられない。

ごめん、ごめん、奈津

「…………ぅ、誓う。ほんと、戮が好き…」

俯いて、ぼたぼたぼたと涙が落ちる。顎を掬われて、神宮寺の唇で塞がれ、分厚い舌が口内に入ってきて、指の針が全部抜かれた衝撃に息が上がる

痛みに震える指先の血は乾いてきていて、新しく傷ついた部分から血が溢れる

「…も、しないで……。い、言う事、なんでも、聞くから…」

唇が離されたら、すかさず懇願する

神宮寺は返事をしなかった。多分逆らったらまた同じ事をするつもりだろう

「本当?次はないけど、そんな事言って大丈夫?」

神宮寺は興奮しているようで、アルコール綿で指先の血を拭い、軟膏を塗り絆創膏を貼り付けていく

神宮寺の目は、黒く濁ったままなのが恐ろしい

下唇を噛んで俯く

太腿に大きな手が添えられる

前を寛げると、神宮寺はそのまま腰を進めてきた

いつの間にか、痛みや何やらで濡れていたのか、つかえもなく、ぬぷっと圧迫感と共に改めて見ると、でかく赤黒い神宮寺のブツが侵入してくる

「ひ、ん!ああ!」

発情期と違って、圧迫された内壁はいきなりの挿入にみっちりと詰まったように収縮し、痛みを伴う

神宮寺は息を吐いて、馴染むのを待ってから腰を動かし始めた

キスをしながら、乳首を摘まれ、ペニスを扱かれる

「ん、んぅ……はぁ、はぁ、ちゅ、ん、…」

唇が腫れ上がるんじゃないかってくらい執拗に食まれ噛みつかれ、情欲に濡れた目に流されるように身体が反応する

激しく打ちつけられる腰に、辛すぎる刺激と快楽で身を捩る

「…しぃちゃん、俺の可愛い、番…、大好き…しぃちゃんも言って?」

耳に囁かれた言葉に戦慄する。うっとりとした目や、力が入った腕に縋りそうになり絶望する

「ぁ、はあ、戮、戮…ん、あ、すき、ん、好きぃ…」

もう、指が痛くて、無理だった。2ヶ月後には捨てられるとしても二度とこの拷問に耐えたくなかったし、神宮寺には逆らえない

自然にぼろぼろと溢れた涙に、神宮寺の目がまた悍ましく黒く濁る

「……今、何を思い浮かべたの?」

「戮、戮…好きぃ、もっと…もっとしよう?」

低くなった神宮寺の声に誤魔化すように誘うように腰を浮かせる

腰に手が添えられて、味わうように腰を回され、前立腺を抉るように突き上げられる

身体はもう自分のものではないかのように、歓喜し、神宮寺を迎え入れ、離れ難い恋人のように愛おしさを感じている

「ぁ、あ、う……あ、ん!戮…戮…」

「明日から、ずっと一緒に行動しろ。俺だけ見てろ…」

神宮寺の言葉に頷きながら、絶頂に身体を震わせる

しかし、神宮寺はそれを介することなく腰を動かし続けた

「…っ!ひ、や、あ!ちょっ…!ぁあ、も…いってる、いってるからぁ…!!」

「……堪らんだろ?」

楽しむように唇を舐めながら最奥を突き上げてくる

「……俺だけ見ろよ?」

囁かれた神宮寺の言葉に意識もなく頷く

拘束を解かれ、抱き上げられベッドに降ろされたかと思うと、背後からのしかかり再び挿入される

「ぁ、あ、や、あ!も、いき、たくなぃいい…!」

ぎゅうと背後から抱きしめられ、乳首をいじられながら、背中や項を吸われる

「気持ちいい…しぃちゃんの体、すごいね、全部、気持ちいいし、いい匂い…」

喉元を締められながら、腹の中に出されて、自分もシーツに身を震わせながら、射精する

中も、射精も、前も全部気持ち良かった

抱き上げられ、バスルームでも抱かれ、休憩中、トイレに立つとトイレでも襲われた

発情期でもないのに、性欲に恐ろしさも感じる

「……も、やめとこうぜ?出ない、もう…」

空も明るくなってきているのに、まだ色気垂れ流しでのしかかろうとしてくる神宮寺の顔を押す

もう、何も出ない

「まだ、足りない…」

脚を割り進めてくる神宮寺に顔を覆う

腹上死しそうーー
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