首輪のわ

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ぐったりとした紫苑の横に、にこにことした番は何度も自分の噛み痕を確かめるように舌を這わせる

「ヒート舐めてたわ…もう動けねぇ…やばいな、これ下手したら死ぬわ…触るな、戮…」

「これで晴れて番だな。俺はスッキリしたわ。最中に別の男の名前呼ばれた以外はスッキリしたわ」

神宮寺は紫苑を抱っこして、バスルームに向かう

「だめだ、もう力入らねぇ…なんでんな、元気なんだよ…。つかてめ、3ヶ月後どうするんだ?俺は奈津の部屋に移るからな」

「まただよ…また別の男の名前出してくるし、なんなの?やり殺されたいの?」

シャワーを浴びながらボディソープで洗ってくれたものの、空気は不穏だ

「しぃちゃんは運命の番だから大丈夫。もうヒートじゃないけど、やろうぜ」

泡の滑りを利用して下半身を扱かれ、短い悲鳴を上げる

後ろから大きな手で覆われ、先っぽを滑らせながら指で刺激され枯れたと思った喉から喘ぎが溢れる

「さ、触り方がやらしいんだよ、やめ、あ…!」

腹に回された腕に力が込められ、持ち上げられて挿入される

足裏も持ち上げられて、オナホみたいに好きなように突き上げられる

「ひ、ひ、ひん、も、やだ、やだぁ…」

泣きが入った紫苑の股間に勢いが一番強くされたシャワーヘッドが当てられる

「ぁああああ!ひぃ、ん!やあああああ!」

首を振りながら、顔を紅潮させ、何度もビクンビクンと身体を戦慄かせて絶頂する

神宮寺はやらしく突き上げながら唇を舐めた

身体から堕とすーー

寮に帰ってからは、後ろから口を塞ぎきながら朝まで犯し、学校では見かけたら、すぐに捕獲して快楽に流すように犯す

ほとんど意識がないまま朦朧としている所を、これ幸いと神宮寺は匂いを付けてくる

「なあ、神宮寺、奈津を抱く気はないのか?」

これを聞いたのは、奈津がもうそろそろヒートだなと思ったのと尋常ではない神宮寺の性欲に不安を抱いたからでもあった

抱き殺される……

「浮気しない主義だから」

どの口が言ってんだよ、テメェはよぉ

おらつきたい気持ちを押さえて、にこやかに笑みを作る

「俺、寝取られ、めちゃくちゃ興奮するんだよね。神宮寺と奈津がやってるとこ見たい」

奈津は神宮寺が好きなのだ。そして神宮寺は今は多分だけど俺、俺は奈津が好き

「……ど変態が。ダメだ。今後近付けさせない。お前、奈津が好きなんだろう?俺が番なのに、番よりも」

「奈津も混ぜてくれたら、しゃぶるのだって嫌がらずにやるし、いく時も奈津に助け求めるのやめるぞ?」

ちょっとグラついたらしい神宮寺はそれでも首を振った

でも時間の問題だろう

多分、もうすぐ手に入る。手に入れなければ

可愛い可愛い俺の番ーー

きっと奈津は今頃、罪悪感と嫉妬心で落ち込んでいることだろう。そこへ俺は弱々しく登場するのだ

自分のせいでつけられた噛み痕、神宮寺に無体をされた上、3ヶ月目に捨てられれば、奈津の罪悪感はいっぱいになるはず

本当に強姦は死刑にしてほしいぐらいだが、あまりオメガの人権はないし、まず発情期という時点で合意と見做されるだろう

何人も美しいオメガを番にする神宮寺に、いつまでも関心を持たれているとは思えない

捨てられたオメガ同士、何かが芽生えるのは間違いない

全然、抱けるし抱かれれるわ。奈津は嫌だろうけど、同情か罪悪感かしらないが、付け込める筈

むふむふと笑っていると、何故か神宮寺が物凄く複雑そうな顔をしていた

「おい、言っておくが、まだ奈津にこだわるなら此方にも考えがあるぞ」

脅すように言う神宮寺に鼻で笑う。どうせ、もう何ヶ月かだけの付き合いなのに何を言ってるんだろうか

番になってしまった事は仕方がないで済ましたくはないが、仕方ない

しかし、奈津と神宮寺は、きっと取引をしているだろう

奈津が以前言っていた、相性の良さそうなオメガを献上する事によって、発情期を耐えなくて済んでいると

今回、献上した紫苑がいるから神宮寺は奈津の発情期に付き合うと約束してある筈

現場を押さえれれば、神宮寺に対して浮気という事で強く出れるし奈津に改めてちょっかいを出せるだろう

「……考えってなに?」

前回の件もあるし、ちゃんと聞いておこう。奈津に害があるのならばいけないし

「……奈津を退学にさせる」

「俺にだけ貞淑を求める気?」

「オメガとはそういうものだろう!大体お前も発情期を耐えたくないなら言うことを聞け!」

けっ、ほんと都合の良い腹の立つ男だ

まだ喚いている神宮寺の言葉を遮るように耳を塞ぐ

「……っ、わかった!次回の発情期、抱かないからな!お前が泣いて縋るまで、俺は何もしないっ!」

神宮寺の言葉に、ぴぴん!とくる。こいつは俺の発情期の薄っぺらさを知らないのだ

全然耐えれるし、なんなら抑制剤なしでもいける

匂いはひどいものらしいけど

「り、戮………っ」

俺は健気そうに見えるように、神宮寺の名前を呼び胸の前で手を握り込む

神宮寺は勝ったとばかりに、悪辣に笑う

「わ、わかった…じゃあ、部屋に鍵をつけてくれないか?俺が、神宮寺を襲ってしまわないように…」

この確約で何が得られるかといえば2ヶ月間の安眠と身の安全である

そして鍵は神宮寺が襲ってこないようにする為のものだ

「ふん、最初っからそう言えばいいんだよ。鍵なんかつけても、こんなエロい身体が我慢できるわけないだろう…」

ん?あれ?
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