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しおりを挟む呟いて部屋から出て行く奈津の代わりに、大きな長身の男が部屋に入ってきて固まる
美貌の男は、怒りと剣呑な空気を背負いながら入ってきた
神宮寺ーーー
「今、大好きとか聞こえたけど、俺のことだよなあ?しぃちゃん?」
少しずつ神宮寺が近付いてくる
「あ!奈津!奈津!助けてっ!奈津!!」
恐慌状態に陥り、手錠をガチャガチャ鳴らしながら暴れる
「あん?なんだって?呼ぶ名前が違うだろうが」
神宮寺が制服を脱ぎ始めたのを泣きながら見つめる
奈津がこんなことするなんて信じられない
「嘘!奈津!嫌だっ!嫌だっ!助けてっ!」
全裸になった神宮寺は、暴れる俺の脚を押さえつけて、パンツを足から抜く
「この別荘、良かっただろ?神宮寺家の別荘だからな」
喉を鳴らしながら、神宮寺は胸元を指でなぞりながら身体を密着させてくる
此処が、神宮寺家の別荘ならば、はじめから、はじめから逃げようと言ったのは嘘だったんだ
はらはら泣きながら首を振る俺に、神宮寺は耳元で、諦めろと囁く
首元に鼻を埋めて匂いを嗅ぎながら、神宮寺は脚を割り、間に入り込んできた
「もうすぐ来るな…抑制剤、飲まなかったな…いいこだ…」
「嫌だ、嫌だぁ…奈津、奈津…助けてよぉ…!」
泣きじゃくりながら、喉元を晒す
ひどいよ、ひどいよ奈津…
抑制剤は飲んでなかった。奈津は神宮寺以外が駄目だから自分が受けをしようと思っていたから
「おい、首輪外しとけって言っただろ?ラット中、乱暴にされるぞ?」
神宮寺の言葉に泣きながら、気付く。鍵は、寮の部屋の額縁の裏だ
最悪、どうこうされても番にはならない
一縷の希望を持った俺に、神宮寺はまだセロハンテープのついた金色の鍵を見せびらかす
「これなぁんだ?」
涙がぴたりと止まり、がくがくと震えが来た
その鍵は、額縁の裏に貼っておいたーー
「はい、これ持って。首輪外して欲しくなったら自分で渡すんだよ?しぃちゃん」
手錠で戒められている俺の手のひらに握り込ませた鍵は、手汗で滑る
絶対に渡したらいけない
「嫌だ…嫌、やめて、お願い、神宮寺…もう、ヒートが、くるから…お願い…」
泣いてる俺を宥めるように神宮寺は、俺の唇を舐めて吸って濃いい、物凄い良い匂いを放ちながら嫣然とわらう
そのフェロモンに釣られるように甘い熱い塊が、身体から出ていこうとする
「いい匂い、しぃちゃん…甘い、あ、これ来るな…」
神宮寺が何か言うたび、動くたびに頭の芯がぼぅっとなって身体の芯が熱い
ぴちゃぴちゃと乳首を舐められ、びりびりとした痺れや甘やかな感覚に、身体を跳ねさせる姿は、どう見てもこの行為を甘受しているようにしか見えない
嫌で仕方がないのに、身体は裏切ってこの行為を喜んでいる
「すげ……俺も抑制剤、飲んでないから。ぐっちゃぐちゃのどろどろになろうな?」
噛み付く様に唇を奪われ、舌を絡ませ合い、乳首を弄られながら、しとどに濡れた後ろに神宮寺の巨大なぶつを擦り付けられる
ぬらぬらと這わされるそれに、体が戦慄き、今すぐにぶち込んで欲しい気持ちでいっぱいだった
唇は塞がれたまま、乳首を弄られ、自然に腰が求めるものへと動く
つぷりと先が入って舌を吸われながら軽く甘いきして体を震わせる
「ぁ……ん、神宮、じ、も、やだ…」
言葉に力がなくなり、頭の中はもう気持ちいいことがされたくていっぱいだった
本能に支配なんかされたくないのに、今は神宮寺に、ぐちゃぐちゃにして欲しいと思ってる
「入れてって言えば気持ちいいぞ?名前で呼べ…戮、入れてって強請ればすぐいれてやる…」
ゆらゆらと揺れている腰を腕で固定して神宮寺は、囁く
喉元もどこもかしこも熱い
もう2人ともヒートに入っているのは間違いなかった
本能がそうするべきといわんばかりに体が動く
神宮寺の逞しい腰に脚を回し、擦り付けるように動いてしまう
なんて浅ましいんだろう
理性はもう残っていないのかもしれなかった。ただひたすら目の前のアルファが欲しい。これは俺のもので、俺の為に存在している
「……っ、い、いれて、戮、戮、ほしい…っ」
神宮寺が笑った気配がした
ゆっくりと圧迫感を持って神宮寺のブツがぐちゅりと侵入してくる
圧迫感に身体が歓喜した。ゆっくりと抉るように侵入してくるそれに、涎が口端から溢れるくらい気持ちいい
こんな頭がぶっ飛ぶ快楽は知らなかった
脚を掴まれ、しとどに後ろが濡れるのがわかる
「あう…う!ひぃ!きもち、いー…きもちいい…」
全て収めて紫苑の顔を見下ろす神宮寺は、すでに獣のぎらぎらとした顔になっていた
支配者であるアルファ、抑制剤を飲んでないのもあり今は目の前にいるオメガを貪るだけだ
首筋の首輪を噛みながら、ゆっくりと腰を引き、一気に最奥に叩きつける
「ぁあああん!ひぃ、りく、りく!もっとぉ…」
身体をしならせて淫らに拙いながら腰を神宮寺に擦り付ける
脚はがっちり腰をホールドし、神宮寺の手を自らの乳首に擦り付け首に腕を回しキスを強請る
神宮寺もフェロモンに意識をもっていかれそうなのを、すんでのところでこらえていたのに、目の前の番が、あまりに淫らに誘うので中を味わうように腰を回し、舌を貪ると、もうダメだった
下半身が溶け合うような快楽に、本能のまま腰を動かす
「くっ……えっろ、気持ちいいか?ん、ちゅ、ちんぽ美味しい?」
「う…ぁ、いや、やだぁ、おいし、おいしいよぉ…」
不意に我に返って泣きじゃくったり身悶えたりする俺の顔を両手で囲い、顔を覗き込みながら、神宮寺は言い聞かす
「ん、ラットに入る前にお願いした方がいいよ?しぃちゃん、首輪、嫌だよね?外してほしいよね?」
鍵を握り込んだ手に力が入る。噛んでほしいし、涙と涎まみれで、今考えがまとまる事はない
「あう、あ!あ、ん!鍵、鍵…」
目の前のアルファが首輪を外せと言うのだ
こんなに気持ちいい事をしてくれるのに、逆らう理由がない
神宮寺は差し出された鍵を見て、その美貌を綻ばせ幸せそうに笑う
「番にしてくださいってお願いしてごらん?」
乳首を吸いながら中を抉り律動する。よく見ると、何度か射精したのか甘イキしているのか神宮寺のお腹は紫苑の放った白濁で濡れていた
「番に、番にして…!ぁ、あ!や、ダメ、ぁああ!」
乳首を引っ張っられ、また射精する
「番にしてやる。ラット状態に入ったらな」
カチリと音がして首から首輪がするりと落ちる
それを絶望しながら見ていた
律動が快楽を追うものになり、激しい突き上げに舌を伸ばしながらなきになく
腰を指が食い込むくらい持たれ、神宮寺はぶるりと震えながら最奥に射精する
熱い滾りを感じながら、そこは収縮する。まるで一滴も溢したくないというように
額に汗を浮かべたまま、神宮寺は抜こうとせず、まだ硬いままで精液を塗り込むように腰を回し、お互いビクビクしながら味わっているのがわかった
舌も、唇も乳首も下半身も何もかもが気持ちよくて充足に満ち溢れた気持ちになる
神宮寺は乱暴に腕を引くと、膝に乗せて下から突き上げてくる
「ん、ふっ、んぅ、ん、あ、ん、んー」
すぐに舌を絡め合うキスをしながら、深い挿入に腰を浮かせ逃げようとするのを逃がさないように固定され突き上げられ、自らも腰を動かす
ぐちゅぐちゅと水音を立てながら責め立てられ、乳首を噛まれた
首筋を何度も舐めあげられる
「ひぁん!ぁ、うう…」
「逃げようとすんな。ヒート中なのに逃げれるわけないだろ、深く突いてやるからな」
そのまま最奥に出され、うつ伏せにされて朝が来ても、まだ続く交合に意識は薄れていった
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