首輪のわ

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「ヒートじゃなくても解る。そのうちお前も解ると思う」

「何言って……触んな、こら!」

尻を撫でていた神宮寺の手を叩き落とすと、舌打ちして離れていった

なんなんだいったい

そのまま教室に戻ると、奈津が待っていた

「あれ?先に帰ったんじゃなかったの?」

「パンツが普通だったの思い出して慌てて迎えに来たんだよ。これからはずっと一緒にいよう。餌が予定外に奪われては本末転倒」

さらりと頬を撫でてくれる奈津にキュンとして出された右腕に縋り付くようにして引っ付く

最後の言葉は聞こえないことにした

「嬉しいなぁ。奈津、帰ったらいっぱいいちゃいちゃしようね?」

ハートマークをいっぱい飛ばしまくる俺に奈津は黙って頬にちゅうをする

「今日から21時までしか一緒にいられないから、21時からはちゃんと自衛するんだよ?大丈夫かなぁ…」

「えっ!?あの寮則って本当だったんだ!?奈津の部屋にずっと居ようと思ったのにぃ…」

「……なんか嫌な予感するから、今日はあのパンツ履いて寝てね」

奈津が考えこむように鍵を見せる

「えっ!深夜トイレに行きたくなった……ら…奈津さん?そのオムツは一体…」

「大丈夫、そういうプレイと思お?」

綺麗な笑顔で大人用オムツを出してくる奈津に目眩がする

まさか一晩オムツを着けて寝ろということだろうか?

手を繋ぎながら帰ったが、目が笑っていなかったから様子を見る

本気じゃないよね?

20時になったら一緒にお風呂に入ってくれたので、いちゃいちゃしながら入った

そして身体を拭いていたら、笑顔で出されたのが、やっぱりオムツだった

「や、やだからな!い、いくら奈津の頼みでも…!」

「じゃあ漏らしたいの?漏らす?鍵付きパンツ、そのまま履く?」

ぐぬぬとなっている俺を横目にぴらりと鍵付きパンツを、奈津はそのまま履かせようとする

「ちょ、待っ…!わかった、わかったから!」

俺の言葉に頷いてオムツをはかせてくる。最悪だ。

上から鍵をかけられて、奈津は満足そうに頷く

「これなら大丈夫でしょ。あ、紫苑、21時になるから帰らないと」

拗ねている俺の鼻の頭にちゅっとキスをしてきた奈津を恨めしげに見上げると頭を撫でられた

「仕方ないでしょう?それ以外で身を守れないよ…」

眉尻を下げる奈津に名残惜しさを感じながら、部屋を後にした

部屋に戻ると、神宮寺が入り口で待っていた

腕組みをしたまま見下ろされて、俺は不機嫌さを隠しもせずに横を通り抜けようとしたら、腕を掴まれた

「いつまでインプリンティングに気付かずに、運命の相手を間違え続けるつもりだ?お前が奈津を好きなのは、奈津から俺の匂いがしたからだよ。奈津から俺の匂いが消えないと正気に戻らないか?」

神宮寺の言葉に眉根が寄る

一体、何を言ってるんだこいつは

「……インプリンティング?」

首を傾げる俺を、神宮寺は自分の部屋まで引き摺っていく。力では敵わないので、されるがままになっているとベッドに放り投げられた

「たまにオメガ同士で起こるαの錯覚だよ。αの残滓で起こると言われているな」

手際良く服を脱がされて感心する。しかし、神宮寺はパンツで手を止めた

鍵付きのそれは、貞操帯もついているのでちょっとやそっとでは脱げない

「何だこれは?」

「叔父さんから貰った鍵付きパンツ」

俺がこんな状態でも平然としていられる理由だ。
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