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そんな神宮寺に吐き気を覚えながら、睨むと神宮寺は首を傾げる
「おい、まさかお前、俺のことが好きじゃないのか?」
今度はこちらが首を傾げる番だった
「お前のどこを好きになるんだ?」
神宮寺と奈津は暫く考えて2人とも神宮寺の下半身を見る
こいつら本当に情緒ってもんがないわ。情操教育やりなおしてもらったほうがいい
「あ、それより、シャワー一緒に浴びよう?その為に来たんだった」
奈津がくるんと振り返ってバスルームにスタスタ歩いていく
俺もいそいそとついて行ったら神宮寺までついてきた
「おい、さっさと自分の部屋帰れよ」
「いや、俺も一緒にシャワー浴びる」
「狭いだろ!自分の部屋で浴びろよ!」
神宮寺に後ろから腕を引かれ、倒れそうな所を抱きとめられる
「俺のこと、意識してるから恐いんだろ…」
耳元で囁き、耳たぶをあむっと噛まれて、俺は神宮寺を突き飛ばした
耳を押さえて、心臓がばくばく鳴る。何か変だ
「しおーん?早く来なよー」
奈津の声に我に帰り、足早にバスルームに向かう
心臓が高鳴るのが抑えられない。何か、本当に何かが変だ
振り返ると神宮寺は俺の状態を見透かすように笑っていた
なんか怖っ
。
。
。
「何だよ?ジロジロ見てきちゃってさ…。さっきじゅうぶん沢山見たでしょ?」
「いや、奈津は神宮寺のどこが好きなの?」
あんな最低なやつ
登校中、奈津は首を傾げた
「どこってわからないけど、フェロモンのせいじゃない?オメガは相性の良いアルファに惹かれるものでしょう?」
さっきの神宮寺に変に心臓が高鳴ったのが思い浮かんで慌てて打ち消す
「僕は、どうして紫苑が僕を好きになったのか解るよ」
奈津に襟首を掴まれて唇が触れそうでふにゃんとなる
間近にある奈津の猫みたいな瞳にきゅんきゅんする
「案外、紫苑もしっかりオメガだよね」
「そうかな?発情期もいまいちなんだよね。薄いっていうか、そんなに我を忘れたりみたいな事がないから自信ないや…」
「ちゃんと発情期になってないんじゃないの?何でかな?でも匂いはいい匂いたまにするけど」
すんすんと首筋の匂いを嗅いでくる奈津にドキとする
「まあ、次の発情期は一緒に楽しもう?」
「2人だよね?奈津とだけだよね?今誓ってよ、2人だけだって」
「何?今更仕返し手伝いたくないとかなしだよ?」
奈津は涼しい顔をしているが、あれから奈津と神宮寺にどんなやりとりがあったのかは知らない
知らないが、奈津と何か話をした後、神宮寺が熱っぽい目でお前の発情期を楽しみにしていると言ってきた
「あ、なんで鍵パンツやめたの?」
「よくよく考えてみれば、何で俺があんな蒸れるパンツを日常的に履かなきゃいけないかわかんないからやめた」
そう、トイレや風呂や奈津に構われるのは嬉しいが、トイレに関しては面倒臭そうに鍵を開けたり、我慢させてきたり、これはこれで良いのかもしれないが、やっぱり体に良くないから早々にやめることにした
無料でもらったものってつい使ってしまうけど、現実使い勝手が悪くて仕方がない
「あ、でも発情期に使うから捨てないでよ」
鍵を指で弄びながら言う奈津は、それは自分が楽しむ為なのか神宮寺絡みなのか怪しいから怖い
教室に着くと、窓際にオメガ達が集まっていて口々に何か叫んでいて、かなり煩かった
奈津はそのまま自分の席に着いたので、後ろから抱きついてすりすりする
「あれなんだろうね?」
訳がわからず聞くと、奈津は顎をこしょこしょ擽る
「戮様達が登校中なんだよ。あ、そか、紫苑は外部から来てるから知らないよね?ここ幼稚舎からスタートの良家の子息の鳥籠だからね。だから人気が高いαなんかがいると、ああなるんだよ」
「へぇ……」
気がしれんわ
騒ぐオメガ達の叫び声がどんどん大きくなったかと思うと、神宮寺がこちらに向かって歩いてきていた
つんざくような悲鳴に奈津の肩口に顔を埋める
「今後、オメガ同士の不純同性交遊は取り締まるべきだな。生産性がない事この上ない。そこのオメガ達、離れなさい」
聞き覚えのある神宮寺の声にうんざりする
知らん顔して聞こえないふりを決め込む
「紫苑、今は離れときな?後で沢山ひっついていいから」
奈津に言われて渋々離れると、窓の外の神宮寺と目があった
舐めるような視線に吐き気がする
罵倒的な何かを言おうとすれば、奈津が首を振る
「ダメだよ、紫苑、此処では彼は王様なんだから」
「ちぇ、自分の席に帰るね」
まだ煩いオメガ達を一瞥して、神宮寺も離れていく
間近で見て触っちゃったとはしゃぐオメガ達を見ながら、いずれ自分もこうなるのだろうかと疑問に思う
「おい、まさかお前、俺のことが好きじゃないのか?」
今度はこちらが首を傾げる番だった
「お前のどこを好きになるんだ?」
神宮寺と奈津は暫く考えて2人とも神宮寺の下半身を見る
こいつら本当に情緒ってもんがないわ。情操教育やりなおしてもらったほうがいい
「あ、それより、シャワー一緒に浴びよう?その為に来たんだった」
奈津がくるんと振り返ってバスルームにスタスタ歩いていく
俺もいそいそとついて行ったら神宮寺までついてきた
「おい、さっさと自分の部屋帰れよ」
「いや、俺も一緒にシャワー浴びる」
「狭いだろ!自分の部屋で浴びろよ!」
神宮寺に後ろから腕を引かれ、倒れそうな所を抱きとめられる
「俺のこと、意識してるから恐いんだろ…」
耳元で囁き、耳たぶをあむっと噛まれて、俺は神宮寺を突き飛ばした
耳を押さえて、心臓がばくばく鳴る。何か変だ
「しおーん?早く来なよー」
奈津の声に我に帰り、足早にバスルームに向かう
心臓が高鳴るのが抑えられない。何か、本当に何かが変だ
振り返ると神宮寺は俺の状態を見透かすように笑っていた
なんか怖っ
。
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「何だよ?ジロジロ見てきちゃってさ…。さっきじゅうぶん沢山見たでしょ?」
「いや、奈津は神宮寺のどこが好きなの?」
あんな最低なやつ
登校中、奈津は首を傾げた
「どこってわからないけど、フェロモンのせいじゃない?オメガは相性の良いアルファに惹かれるものでしょう?」
さっきの神宮寺に変に心臓が高鳴ったのが思い浮かんで慌てて打ち消す
「僕は、どうして紫苑が僕を好きになったのか解るよ」
奈津に襟首を掴まれて唇が触れそうでふにゃんとなる
間近にある奈津の猫みたいな瞳にきゅんきゅんする
「案外、紫苑もしっかりオメガだよね」
「そうかな?発情期もいまいちなんだよね。薄いっていうか、そんなに我を忘れたりみたいな事がないから自信ないや…」
「ちゃんと発情期になってないんじゃないの?何でかな?でも匂いはいい匂いたまにするけど」
すんすんと首筋の匂いを嗅いでくる奈津にドキとする
「まあ、次の発情期は一緒に楽しもう?」
「2人だよね?奈津とだけだよね?今誓ってよ、2人だけだって」
「何?今更仕返し手伝いたくないとかなしだよ?」
奈津は涼しい顔をしているが、あれから奈津と神宮寺にどんなやりとりがあったのかは知らない
知らないが、奈津と何か話をした後、神宮寺が熱っぽい目でお前の発情期を楽しみにしていると言ってきた
「あ、なんで鍵パンツやめたの?」
「よくよく考えてみれば、何で俺があんな蒸れるパンツを日常的に履かなきゃいけないかわかんないからやめた」
そう、トイレや風呂や奈津に構われるのは嬉しいが、トイレに関しては面倒臭そうに鍵を開けたり、我慢させてきたり、これはこれで良いのかもしれないが、やっぱり体に良くないから早々にやめることにした
無料でもらったものってつい使ってしまうけど、現実使い勝手が悪くて仕方がない
「あ、でも発情期に使うから捨てないでよ」
鍵を指で弄びながら言う奈津は、それは自分が楽しむ為なのか神宮寺絡みなのか怪しいから怖い
教室に着くと、窓際にオメガ達が集まっていて口々に何か叫んでいて、かなり煩かった
奈津はそのまま自分の席に着いたので、後ろから抱きついてすりすりする
「あれなんだろうね?」
訳がわからず聞くと、奈津は顎をこしょこしょ擽る
「戮様達が登校中なんだよ。あ、そか、紫苑は外部から来てるから知らないよね?ここ幼稚舎からスタートの良家の子息の鳥籠だからね。だから人気が高いαなんかがいると、ああなるんだよ」
「へぇ……」
気がしれんわ
騒ぐオメガ達の叫び声がどんどん大きくなったかと思うと、神宮寺がこちらに向かって歩いてきていた
つんざくような悲鳴に奈津の肩口に顔を埋める
「今後、オメガ同士の不純同性交遊は取り締まるべきだな。生産性がない事この上ない。そこのオメガ達、離れなさい」
聞き覚えのある神宮寺の声にうんざりする
知らん顔して聞こえないふりを決め込む
「紫苑、今は離れときな?後で沢山ひっついていいから」
奈津に言われて渋々離れると、窓の外の神宮寺と目があった
舐めるような視線に吐き気がする
罵倒的な何かを言おうとすれば、奈津が首を振る
「ダメだよ、紫苑、此処では彼は王様なんだから」
「ちぇ、自分の席に帰るね」
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