首輪のわ

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そう言ったチビ1は本当に夕方に部屋に上がり込んできた

そのまま一緒にゲームしたり課題を問いたりして普通に楽しく過ごす

何日間か本当に友達のように過ごした

案外、性格は悪いし手癖も悪いが、悪い奴ではないらしい。なんなら可愛い

数日しか経ってないが、神宮寺は一度も部屋に帰ってきてない

最悪な事に鍵はパンツのだった。チビ1は首から鍵をぶら下げて毎日お風呂の時に鍵を開けにくる

しかもたまにパンツをずらしたり、セクハラまでしてくる

「きゃはは!ちいさーい!しゃぶってやろうか?地味男」

と、お綺麗なチビ1に言われ精神攻撃もされている。決して小さくはないのに

「首輪も兼用の鍵ね…合理的だねぇ」

首輪の鍵は別にあるが、口が裂けても言えない

「僕、もうすぐヒートなんだ…。どうしよう…怖いよ…」

落ち込むチビ1によしよしする。俺は、人の逸物見ながら、パンツ握りしめていきなり泣き出すお前のほうがこわい

「あ、俺が掘ってやろうか?チビ1可愛いかおだし出来るわ」

まじでチビ1は可愛いからと思った俺の言葉をチビ1は下半身を見て鼻で笑い出て行く

「……何も鼻で笑わなくとも……」

今日も泊まっていくだろうチビ1に、涎垂らして寝ている間とか、いつでも鍵は取り返せたのだけれど、そのままにしてある

多分、チビ1はまだ一度も帰って来ない神宮寺の帰りを待っている

神宮寺が帰ってきたらどうするつもりなのか?すでにΩクラスの岬というチビ4がチビ3の後釜に据えられたというのに

首輪をずらして首を洗っていると、室内から叫び声が聞こえた

慌てて泡を流してタオルを腰に巻いて飛び出ると、鼻を押さえて怒りまくっている神宮寺と、殴られたのか頬が赤くなって泣いているチビ1がいた

因みに後ろにはニューフェイスのチビ4がいる

「おい!何かってに部屋に入れている!!?においが嫌だって言ったよな?!」

怒りまくる美貌の神宮寺は無視して、チビ1を抱き起こす

可哀想に、仕返しだとか言いながらいざ目の前にすると何も出来ないんだ

「お友達だから仕方ないだろ。大体ニオイが嫌なら、この部屋入ってくるなよ」

チビ1をよしよししながら言うと、神宮寺はますます顔を真っ赤にして怒りまくっている

「は、葉原?葉原が同室なんだ?ね、早く部屋行こうよ」

明らかに同室が俺で安心したようなチビ4もとい岬の項にはくっきりと新しい歯形がついている

神宮寺の腕を取り引っ張るが、神宮寺はまだぶすくれて動かない

「今すぐ追い出せ!早く!部屋にそいつを上げるのは禁止だ!……ちょっと待て、お前…」

神宮寺の目線がピタリと首輪で止まる

それに続いて、舐めるような目で、ちゃんとふいていないためまだ濡れている胸や腹、その下まで視線を這わせた時、ゾワリとした寒気が身体に走った


「……首輪、Ωだったのか…」

「ちょっと、もう行こうよ!」

焦ったように手を引く岬に、ひたりと視線を逸らさないまま岬に連れて行かれる神宮寺、驚いた顔で俺を見ているチビ1

扉が閉まると、力が抜けた

チビ1は呆然と扉を見て、笑い始めた。そしてピタリと笑いを止めて上目遣いで俺を見る

可愛い

「……お願い、聞いてくれるよね?」

チビ1の言葉に黙って風呂場に戻る。チビ1も無言でついてきた

「う…う、う…友達だって言ったのに、協力してくれないんだぁ…」

「嘘泣きはよせ。仕返しなんか生産性のないことするより、次のヒート対策した方がよっぽど建設的だぞ?」

「ヒート中はここに居るつもりだよ」

チビ1の言葉に、勢い良く振り返る

まだ少年ぽいまるい頬や睫毛の長いアーモンドアイ、すらりとした肢体に美少年という言葉が相応しい

そんな彼がにっこりと闇深い笑みを浮かべていて目が離せない

「今の目見ただろ?僕が居る方が安全だし…紫苑にお願いがあるんだ…」

俺の首に腕を回し、唇がふれるかふれないかの位置でチビ1は唇を舐める

「僕のこと、好きでしょう?言う事聞いてくれるよね?」

びくりと体が震えた。いつからバレていたんだろう

俺は振り回す小悪魔タイプに弱いのだ

顔も真っ赤になっているだろう

「……何したらいい?」

「言う事聞くなら、ヒート中の相手に選んでやってもいいよ…」

ぐっと手を握り込みチビ1の言葉に頷く

神宮寺のお下がりΩはめちゃくちゃ人気がある。項をかみ放題だからだ。チビ1のヒート中に違うαが相手になるのが嫌だった

それに全く経験がない俺に、好きな子の言うことに逆らえるはずなかった
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