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第二章

6 ラギリと闇の影

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……一方、外に出て行ったラギリはとある人物と接触している。
 
 その相手は漆黒のローブに身を包んだ怪しげな者。
 そしてラギリが頭を下げると、その者がラギリに声をかけた。


「ふむ。よくやったラギリよ。それで姫にアレは施したか?」

「はっ! 言われた通り姫が眠っている間に行いました。しかし、本当に現れるのでしょうか? 噂だと、かなり遠くの地にて魔王軍と戦っているとお聞きしましたが。」

「それについてはわからぬ。しかし、念には念を入れておいた方が良いだろう。ちなみにズークからの報告では、既にシルク王子は10人程の兵士を連れてここに向かっているようだ。一応万が一の為にに、魔物を周囲に配置はしている。好きに使え。そして必ずやシルク王子を抹殺せよ。」

「はっ! 必ずやこのラギリ、ダークマドウ様のご期待に沿うことを誓います。」


 森の中でラギリがあっていた人物。
 それは魔王がこの国に派遣した魔王軍幹部ダークマドウだった。

 ダークマドウは、魔王軍の中で最も知略に優れた幹部である。
 まずはこの国を混乱させるために王を殺す事なく動けなくさせ、更にはそれによって王子が行動を起こす事を見越して国を混乱させた。

 そしてズークを抱える事でこの国を裏で操り、表側では侵略されてないように見えて、裏からの実効支配を目論んでいる。
 なぜそんな遠回しな事をしているかというと、今まで通り直接敵に侵略すると勇者が現れて魔王軍自体が壊滅するおそれがあったからだ。魔王もズークも勇者をとても危険視している。


 しかしながら、それでもダークマドウは安心できない。

 
 ズークから報告を受けて勇者の噂からその足取りを追ったのだが、確実な情報はなかった。

 魔王軍にとって勇者は神出鬼没の爆弾のような存在であり、勇者が現れた場所は全て魔王軍は破れている。
 故にダークマドウは、もしも勇者が現れた時の為の対応をあらかじめ施した。


……そう、ローズの体内に。
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