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第三部 オーブを求めて
第七十六話 光魔法
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そんなこんなで外に出ると、既に辺りは真っ暗だった。
船の上だから、波の音もほとんど聞こえない。
そして俺達は、甲板にランプが設置されているテーブルと椅子があるのでそこに座った。
「何かわからない事があれば聞いてください。」
俺は早速シロマから渡されたノートを読み始めると、シロマはそう言って黙っている。
ん~、なんか妙に視線を感じて集中できないんだけど。
「シロマ、何を見てるんだ?」
「サクセスさんです。好きな男性が読書している姿っていいですね。あっ、気が散りましたか?」
「いや、まぁいいんだけど。あんま見られると恥ずかしいかな。」
好きなら抱かせろや!
と考える俺は下衆なのだろうか……。
「わかりました。ではわからないように見る事にします。」
見るんかい!
まぁ気にしても仕方ないか。
それよりも早く読もう。
シロマが作った光魔法ノート。
そこには、光魔法の種類の他、どんな者が使えたのかや。歴史と背景等、事細かく記載されている。
だが流石にそれを、今熟読するのはナンセンスだろう。
細かく書かれているのはありがたいが、それは寝る前に読めばいい。
まずは、どんな魔法があるのかの確認
そして、魔法の名前だ。
とりあえず、俺の中で使えそうかなって思った魔法を整理する。
ライトキュア 光の浄化で状態異常を回復させる。
ライトアロー 光の矢で敵を貫く。
ライトスラッシュ 光の斬撃を飛ばす。
ライトクロス 光の十字架が闇を滅ぼす。
ライトボール 光の球を飛ばす。
ライトプリズン 光の結界
スターフォール 光の流星を敵に降らす。
スターストリーム 光の螺旋で闇を貫く。
シャイニング 光の大爆発。
ミラージュ 光の残像で己を消す。
うーむ、多すぎて覚えられない。
手数が増えるのは凄くありがたいが、俺にそれを上手く使えるかはまた別の話。
贅沢な悩みだな。
とりあえずは、まず使えるかどうか試してみるか。
ダメだった魔法は、ノートで何かヒントがないか後で確認してみるとしよう。
パタッ!
「うし、やってみるか?」
「え? もう全部読んだのですか?」
俺が本を閉じた事でシロマは勘違いした。
まさかこんなに早く読み終えるとは思いもしなかったようだ。
実際俺は、10分の1も読んでいないから当然である。
でも、一通り使えそうな魔法の名前と効果は覚えたからいけるだろ。
「サラッとだけな。細かいところは、毎日寝る前にゆっくり読むことにしてみるよ。」
「そうですか。そうですよね……。」
シロマがちょっとショックを受けている。
そりゃ、これだけのものを書くのは大変だっただろうしな。
でも蔑ろにするわけではない。
ちゃんと全部読むつもりだよ。
「シロマ、この本は凄いよ! 絶対全部読ませてもらう。でも、その前に試してみたいんだ。今の状態で何が使えて、何が使えないかを。」
「はい、大丈夫です。では、私は見学させてもらいます。」
俺がそう言って褒めるとシロマは元気を取り戻した。
でも見学って……。
シロマも後で試すつもりなのかな?
光魔法は使えないのでは?
まぁいい、とりあえず広い場所に行って試してみよう。
まずは手始めに、あまり影響が少なそうな……
【ライトキュア】
俺がそう唱えると、シロマの体が光の膜に包まれる。
どうやら成功したみたいだ。
ライトヒールが使えるのだから、使えるとは思ってたけどね。
「どうだ、シロマ。なんか変化はあるか?」
「そうですね、今は状態異常になっていませんので、特に変化は感じません。でもちゃんと発動していましたから、成功です。」
「やっぱそうか。よし、この調子でどんどんやっていこうか。」
「はい!」
続けて俺が選んだのは【ライトアロー】
なんとなく、初級魔法っぽいし、イメージもしやすいと思ったからだ。
しかし予想に反して、ライトアローを唱えてみるも、何も起こらない。
「これはダメっぽいな。」
「サクセスさん、ちょっと私の真似をしてもらっていいですか? こういう感じで、光の弓を持っているイメージをしてください。」
シロマはそういうと、まるで弓を引いているようなポーズをとる。
「こ、こうか?」
俺もそれを見よう見まねでやってみた。
「違います。もっとイメージしてください。ほら、見えませんか? 私の前にある弓が。」
シロマに言われて、じっくりシロマを見て見ると、あれ? 確かに弓があるように見えるぞ。なんでだ?
「うん、見える。見えるぞ!!」
「では、サクセスさんも同じように強くイメージして、さっきの魔法を唱えて下さい。」
俺は、もっと具体的な弓をイメージしながら構えてみた。
すると、気のせいかもしれないが手にズシンと弓の重さを感じる。
【ライトアロー】
今度は、矢を引いて撃つイメージで魔法を唱えた。
ピュゥゥゥーーン!!
すると、海の上をまるで流れ星のように光の矢が飛んでいく。
「で、でた! 出たぞ! シロマ!!」
「やりましたね、サクセスさん!」
成功だ。
どうやら光魔法は具体的なイメージが重要らしい。
これで俺に遠距離攻撃が増えたぞ。
「ありがとう、シロマのお蔭だ!!」
「いえ、サクセスさんの力です。」
「そんな事はない。シロマが教えてくれたおかげだよ。ありがとう。」
その後も俺は、色んな魔法を使ってみるが、実際に使えたのは半分程度。
レベルが足りないのか、それとも具体的なイメージが違うのか。
原因はわからないから、部屋に戻ったらじっくりシロマが書いた本を読んでみようと思う。
それと、今回もう一つわかった事がある。
それは魔法をキャンセルできるという事だ。
今回の魔法で、実際使えたのだがあまりに危険でやめた魔法があるのだ。
ーーそれは
【シャイニング】
あれは、やばかった。
あのまま使っていたら、船が吹っ飛んでいたかもしれない。
体からどんどん光の波動が溢れてきて、爆発しそうになったので咄嗟にキャンセルした。
ゲロゲロと戦った時、ディバインチャージを剣に纏わせて、押し留めた事があったがあれの応用だ。
まさか本当にキャンセルできるとは思わなかったが、できて良かった。
だが、その事もあり、魔法をキャンセルするコツも掴めたのは怪我の功名という奴だろう。
実際に被害はなかったんだけどね。
キャンセルを利用することで、今後はフェイントも使える。
つまり、戦術幅が増えたということだ。
それと【シャイニング】の他にもう一つヤバイ魔法があった。
【ミラージュ】だ
まさか、これが本当に使えるとは思わなかった。
今まで幾度となく、憧れていた魔法。
そう、透明化である。
これがあれば俺は、多くの欲望を満たすことができるだろう。
パンチラは見放題。
覗きだって、安全に行える。
正にロマン魔法と言えるだろう。
長年憧れていたのもあって、この魔法は一発で成功した。
イメージが既に熟練のそれだったのである。
そこに俺がいるのに、光の屈折によって周りからは俺が見えない。
こいつぁ、やべぇスキルを手にいれたぜ。
ぐへへへへ……。
「サクセスさん。ダメですよ。」
俺がそんな事を考えながら、怪しげな笑みを浮かべていると、シロマが釘を刺す。
どうやら、俺の考えを見透かしたらしい。
「誤解だべ、悪い事に使う気はないっぺ!!」
「本当ですか? でも、わかりました。私はサクセスさんを信じています。」
グサッ!
そんな澄んだ目で言われると、後ろめたさが半端ないぜ。
わかった、できるだけ使わないようにしよう。
保障はできないけど、シロマに嫌われたくはないからな。
それに覗きはスリルが無ければ意味がない。
こっそり、体に触れるだけにしておこう。
とまぁ、そんなわけで俺は新しい魔法を覚えることができた。
まだ使えそうな魔法もありそうだが、少しづつ覚えていくことにしよう。
一片に覚えても、上手く使えなければ宝の持ち腐れだしな。
ふぅ~。
今日も色々あったけど、最高の一日だったな!
船の上だから、波の音もほとんど聞こえない。
そして俺達は、甲板にランプが設置されているテーブルと椅子があるのでそこに座った。
「何かわからない事があれば聞いてください。」
俺は早速シロマから渡されたノートを読み始めると、シロマはそう言って黙っている。
ん~、なんか妙に視線を感じて集中できないんだけど。
「シロマ、何を見てるんだ?」
「サクセスさんです。好きな男性が読書している姿っていいですね。あっ、気が散りましたか?」
「いや、まぁいいんだけど。あんま見られると恥ずかしいかな。」
好きなら抱かせろや!
と考える俺は下衆なのだろうか……。
「わかりました。ではわからないように見る事にします。」
見るんかい!
まぁ気にしても仕方ないか。
それよりも早く読もう。
シロマが作った光魔法ノート。
そこには、光魔法の種類の他、どんな者が使えたのかや。歴史と背景等、事細かく記載されている。
だが流石にそれを、今熟読するのはナンセンスだろう。
細かく書かれているのはありがたいが、それは寝る前に読めばいい。
まずは、どんな魔法があるのかの確認
そして、魔法の名前だ。
とりあえず、俺の中で使えそうかなって思った魔法を整理する。
ライトキュア 光の浄化で状態異常を回復させる。
ライトアロー 光の矢で敵を貫く。
ライトスラッシュ 光の斬撃を飛ばす。
ライトクロス 光の十字架が闇を滅ぼす。
ライトボール 光の球を飛ばす。
ライトプリズン 光の結界
スターフォール 光の流星を敵に降らす。
スターストリーム 光の螺旋で闇を貫く。
シャイニング 光の大爆発。
ミラージュ 光の残像で己を消す。
うーむ、多すぎて覚えられない。
手数が増えるのは凄くありがたいが、俺にそれを上手く使えるかはまた別の話。
贅沢な悩みだな。
とりあえずは、まず使えるかどうか試してみるか。
ダメだった魔法は、ノートで何かヒントがないか後で確認してみるとしよう。
パタッ!
「うし、やってみるか?」
「え? もう全部読んだのですか?」
俺が本を閉じた事でシロマは勘違いした。
まさかこんなに早く読み終えるとは思いもしなかったようだ。
実際俺は、10分の1も読んでいないから当然である。
でも、一通り使えそうな魔法の名前と効果は覚えたからいけるだろ。
「サラッとだけな。細かいところは、毎日寝る前にゆっくり読むことにしてみるよ。」
「そうですか。そうですよね……。」
シロマがちょっとショックを受けている。
そりゃ、これだけのものを書くのは大変だっただろうしな。
でも蔑ろにするわけではない。
ちゃんと全部読むつもりだよ。
「シロマ、この本は凄いよ! 絶対全部読ませてもらう。でも、その前に試してみたいんだ。今の状態で何が使えて、何が使えないかを。」
「はい、大丈夫です。では、私は見学させてもらいます。」
俺がそう言って褒めるとシロマは元気を取り戻した。
でも見学って……。
シロマも後で試すつもりなのかな?
光魔法は使えないのでは?
まぁいい、とりあえず広い場所に行って試してみよう。
まずは手始めに、あまり影響が少なそうな……
【ライトキュア】
俺がそう唱えると、シロマの体が光の膜に包まれる。
どうやら成功したみたいだ。
ライトヒールが使えるのだから、使えるとは思ってたけどね。
「どうだ、シロマ。なんか変化はあるか?」
「そうですね、今は状態異常になっていませんので、特に変化は感じません。でもちゃんと発動していましたから、成功です。」
「やっぱそうか。よし、この調子でどんどんやっていこうか。」
「はい!」
続けて俺が選んだのは【ライトアロー】
なんとなく、初級魔法っぽいし、イメージもしやすいと思ったからだ。
しかし予想に反して、ライトアローを唱えてみるも、何も起こらない。
「これはダメっぽいな。」
「サクセスさん、ちょっと私の真似をしてもらっていいですか? こういう感じで、光の弓を持っているイメージをしてください。」
シロマはそういうと、まるで弓を引いているようなポーズをとる。
「こ、こうか?」
俺もそれを見よう見まねでやってみた。
「違います。もっとイメージしてください。ほら、見えませんか? 私の前にある弓が。」
シロマに言われて、じっくりシロマを見て見ると、あれ? 確かに弓があるように見えるぞ。なんでだ?
「うん、見える。見えるぞ!!」
「では、サクセスさんも同じように強くイメージして、さっきの魔法を唱えて下さい。」
俺は、もっと具体的な弓をイメージしながら構えてみた。
すると、気のせいかもしれないが手にズシンと弓の重さを感じる。
【ライトアロー】
今度は、矢を引いて撃つイメージで魔法を唱えた。
ピュゥゥゥーーン!!
すると、海の上をまるで流れ星のように光の矢が飛んでいく。
「で、でた! 出たぞ! シロマ!!」
「やりましたね、サクセスさん!」
成功だ。
どうやら光魔法は具体的なイメージが重要らしい。
これで俺に遠距離攻撃が増えたぞ。
「ありがとう、シロマのお蔭だ!!」
「いえ、サクセスさんの力です。」
「そんな事はない。シロマが教えてくれたおかげだよ。ありがとう。」
その後も俺は、色んな魔法を使ってみるが、実際に使えたのは半分程度。
レベルが足りないのか、それとも具体的なイメージが違うのか。
原因はわからないから、部屋に戻ったらじっくりシロマが書いた本を読んでみようと思う。
それと、今回もう一つわかった事がある。
それは魔法をキャンセルできるという事だ。
今回の魔法で、実際使えたのだがあまりに危険でやめた魔法があるのだ。
ーーそれは
【シャイニング】
あれは、やばかった。
あのまま使っていたら、船が吹っ飛んでいたかもしれない。
体からどんどん光の波動が溢れてきて、爆発しそうになったので咄嗟にキャンセルした。
ゲロゲロと戦った時、ディバインチャージを剣に纏わせて、押し留めた事があったがあれの応用だ。
まさか本当にキャンセルできるとは思わなかったが、できて良かった。
だが、その事もあり、魔法をキャンセルするコツも掴めたのは怪我の功名という奴だろう。
実際に被害はなかったんだけどね。
キャンセルを利用することで、今後はフェイントも使える。
つまり、戦術幅が増えたということだ。
それと【シャイニング】の他にもう一つヤバイ魔法があった。
【ミラージュ】だ
まさか、これが本当に使えるとは思わなかった。
今まで幾度となく、憧れていた魔法。
そう、透明化である。
これがあれば俺は、多くの欲望を満たすことができるだろう。
パンチラは見放題。
覗きだって、安全に行える。
正にロマン魔法と言えるだろう。
長年憧れていたのもあって、この魔法は一発で成功した。
イメージが既に熟練のそれだったのである。
そこに俺がいるのに、光の屈折によって周りからは俺が見えない。
こいつぁ、やべぇスキルを手にいれたぜ。
ぐへへへへ……。
「サクセスさん。ダメですよ。」
俺がそんな事を考えながら、怪しげな笑みを浮かべていると、シロマが釘を刺す。
どうやら、俺の考えを見透かしたらしい。
「誤解だべ、悪い事に使う気はないっぺ!!」
「本当ですか? でも、わかりました。私はサクセスさんを信じています。」
グサッ!
そんな澄んだ目で言われると、後ろめたさが半端ないぜ。
わかった、できるだけ使わないようにしよう。
保障はできないけど、シロマに嫌われたくはないからな。
それに覗きはスリルが無ければ意味がない。
こっそり、体に触れるだけにしておこう。
とまぁ、そんなわけで俺は新しい魔法を覚えることができた。
まだ使えそうな魔法もありそうだが、少しづつ覚えていくことにしよう。
一片に覚えても、上手く使えなければ宝の持ち腐れだしな。
ふぅ~。
今日も色々あったけど、最高の一日だったな!
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