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戀王国の仲間達
憎しみの連鎖、子には継がさずと
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ナイツと涼周の背で行われている于詮と張真の一騎討ち。
互いに地上戦となっている状態が于詮にとっては唯一の救いであるが、それ以外については最悪もいいところであった。
体力、兵力、武力、戦況、士気に於いて、于詮は圧倒的劣勢に立たされていた。
それでも尚、歯をくいしばって張真と戦い続けられる姿に、戀王国の将軍たる矜持と、ナイトの仲間衆たる所以が感じられた。
そして彼が見せた奮戦は、彼自身を救う事になる。
「ぬっ!? うぐぐぐ……!?」
銃弾以上の速さと大地を抉る威力を誇る斬撃が、于詮の首を狙える領域まで押し勝っていた張真を狙って急進撃。
対する張真は大剣を地に刺して防ぐものの、斬撃の威力は余力のある彼であっても大きく後退らせる程に重く、絶大な殺気を帯びていた。
「うおおおぉぉぉ!!」
続いて上がった咆哮は二人分であり、ナイツ達が逃げていった方角からだ。
「父上! 我昌明将軍!」
強敵の相手に全意識を向ける于詮に代わり、ナイツが大声を上げて存在を周知させた。
兄弟や逃げる于詮兵の前方に現れた者達は、ナイトと我昌明が率いる一千騎程度の騎馬隊。歩兵と別れて全速力で戦場に急行したのだ。
「うわっ!? 何の光……! えっ、母上!?」
更には兄弟の間近に出現した者がもう一人、一筋の光となって現れたキャンディだった。
彼女は動揺する兄弟に駆け寄るや、一言も発する事なく二人を強く抱き締め、次の瞬間には三人ともが一筋の光となって消え去る。
「ナイト殿、ご兄弟は無事に戦場を離脱できた様ですぞ!」
「ああ! 流石は奥だ! 後は于詮隊を連れて逃げるのみ!! 我昌明、久々に暴れるぞ!!」
「ゴッホッホ!! 何とも愉快痛快・大爽快!! 昔を思い出しまする!!」
十年ぶりの共闘は戦況を憂慮させる事を忘れ、両者の心を躍らせた。
ナイトは剣を、我昌明は大矛を構え、お互いが率いる騎馬小隊の先頭を駆ける。
「武運長久にして天衣無縫!!」
「単純明快にして一撃必殺!!」
ナイトに次いで我昌明が雄叫びを上げ、張真はこのやり取りに強い反応を示す。
何せ、彼にとっては忘れられない掛け声だったのだ。
「あの男……まさかジオ・ゼアイ・ナイトか!?」
途端に彼の顔色が変わる。驚きではない。憎しみを含んだ激情の色だ。
「双龍・協撃震!!」
そうとは知らずに、ナイトと我昌明は突撃の合言葉を叫び、互いの得物を振るう。
剣先と矛先からは魔力によって生成された猛烈な渦の衝撃波が顕現し、付かず離れずの状態で隣り合った突撃を見せながら、一足先に張真隊へ襲い掛かる。
敵と接触しても当たるべからざる勢いを保持するそれは、擦れ違う者を次々と切り伏せていく。差し詰、鎌鼬の弾丸といったものだ。
「全騎突っ込めぇー!!」
先駆けの刃に便乗するナイトと我昌明及び二将の騎馬小隊。
勇猛果敢たる張真兵を恐れ戦かせる豪勇を示し、于詮までの道を力尽くで抉じ開ける。
「何という暴れっぷりだ! 我々の鉄壁が、まるで通用せぬだと!?」
「お……おのれ! 何としても阻むぞ! 中の敵と合流させ――ぎゃあっ!?」
「ゴハハハハ!! 無駄よ無駄無駄ァ!!」
たった一千騎程度の小隊が、戦場の流れを変えようとしていた。
将の指示がなくとも適切な行動をとって迎撃する張真兵の働きは無駄に終わり、ナイト達は敵中包囲を受けつつある于詮隊の許まで行き着こうとする。
当然、于詮隊残兵もこの勢いに乗り、最後の力を振り絞った突破に出た。
「オオオォォ!!」
「!?」
然し、戦局を一変させんとする二つの人型台風の前に、張真が立ちはだかった。
激情を力に変えた大剣による横薙ぎの一閃で、ナイトと我昌明の進撃を阻んだのだ。
「長らく求めていた仇敵、ジオ・ゼアイ・ナイト! 我は戀王国独立戦争の折り、貴様に討たれた臧褒が子・張真なり!! 父の雪辱を晴らさんが為、我は貴様の前に立った!! 男たるならば、神妙に一騎討ちを受けよ!!」
歩を止めたナイトに対して大剣を突きつける張真の怒声は、戦場全体に響き渡った。
それによって多くのゲルファン王国兵と、少数の戀王国兵は戦いを忘れ、張真に次いでナイトを見る。
一方のナイトは何時になく謹厳な表情を浮かべ、戦闘行為の止んだ戦場を一瞥後、改めて張真と向き合い、彼の瞳を見詰め返した。
「……臧褒か。忘れる訳がない、マノトが戦死する一因を築いた仇だからな。…………だが妙だな、彼の子はあの戦で玉砕したと聞いていたが……」
独立戦争最終決戦の折り、戀王国の前身国家・惰唖王国は、敵対関係にあるゲルファン王国に援軍を要請。犬猿の仲である筈のゲルファン王国がそれに応えるとはマノトも予期しておらず、前哨戦の勝利で勢いを得ていた事も影響し、独立軍の最先鋒を司る彼はナイトの後軍を待たずして開戦した。
その最中、援軍と称して惰唖王国に入り、漁夫の利によって同国を占領せんとして派遣されたのが、臧褒率いるゲルファン王国軍だった。
それ故に、独立連合軍(旧戀王国軍とナイトの多国籍同盟軍)が臧褒の子を見逃す筈はなく、ナイトは不審に思って理由を問うが、張真は黙り込む。父の仇と、馴れ馴れしく語るつもりはないと。
「…………そう言えば戦場を脱した一隊がありましたな。恐らくはあれが、張真を連れて撤退する部隊だったのでは? そして名を変え、国を変え、我らの目から逃れたのでしょう」
「成る程、そういう事か」
代弁する我昌明の推測は的中し、図星を突かれた張真は彼を一睨みする。
だが必要以上に喚かないところが、如何にも張真らしかった。
余計な口出しをするなと無言の訴えをするだけに留め、あくまで自分の狙いはナイトであるとして、殆どの意識を仇敵に向けているのだ。
「…………それで、俺を殺してどうする。この無精髭頭を墓前にでも供えるか?」
「ただ親の仇を討つ!! それだけだ!!」
これ以上の問答は無用。騎乗した張真は全身に覇気を纏って突撃した。
「俺を殺して、先程逃げた俺の子供達を第二第三の張真にするつもりか」
「っ……!?」
だが……ナイトの一声を前にして、張真は思わず殺意を緩めてしまった。
「――!!!」
次の一瞬未満の刹那! 張真の視界に白眼の鬼神が映り、間合いに入った彼は馬ごと宙に放り投げられる。
彼は即座に体勢を立て直し、動転して目を白黒させる馬を宥めると同時、禍々しい気配のする方へと向き直った。
(……何だ……今の一撃は……!? 何だ……この殺気は……!?)
その気配は、ついさっきまで対面していたナイトから放たれていた。
表情は変えずに殺気を漲らせ、魔法大剣・王道を顕現し、敢えて張真の大剣を狙って一瞬の剣技で彼を弾いたのだ。
「父に似ず、お前は俺の目に映った。だから一度は見逃そう。然し、憎しみに囚われて徒に乱を呼び、あまつさえ俺の子供達を復讐の鬼とさせるなら――」
静かな怒声と全てを威圧させる殺意が、敵味方の心を戦慄させる。
「容赦なく、お前の素っ首を切り落とす……!!」
それは心の底から息子兄弟を想うナイトの、許容できない怒りの顕れに他ならなかった。
仇討ちを否定する訳ではないが、討った後を考えない暴勇に同情の余地はないと、目に映るお前の目を自分自身が曇らせてなんとすると……何よりお前の自己満足に、俺の子供達を巻き込むなっ!! と、彼なりに抱く激情だった。
(無論、俺は偉そうに言える立場ではない。だが……それだけは許さん!!)
自分自身、身勝手を言っている事は重々承知の上。それでもナイトは、睨まずにはいられなかった。
「……ナイト殿、救援、感謝致します……!」
この間にも、于詮隊残兵は味方との合流を果たした。
張真はナイトと我昌明を阻む事には成功したが、于詮隊は張真を迂回して、新手迎撃の為に背後を見せた張真兵を突破したのだ。
「…………充分だ。全騎、全速力で退くぞ!」
ナイトと我昌明は、再び黙り込んだ張真に背を向け、于詮兵を同乗させて速度の落ちた騎馬小隊の殿を務めるように最後衛の備えに就く。
「張真様……追撃のご指示は……」
「…………捨て置け。それより、此方も下がるとシュクーズ殿に伝えよ。敵の後続が迫っている故に、バティム城まで退いて態勢を立て直すのだ」
張真は于詮隊に大打撃を与えただけで良しとする。
シュクーズに関しても、乱れに乱れた味方の軍を再編成する前に我昌明軍と戦うのは不利と見て、禹凝城攻略を断念して全軍撤退に踏み切った。
互いに地上戦となっている状態が于詮にとっては唯一の救いであるが、それ以外については最悪もいいところであった。
体力、兵力、武力、戦況、士気に於いて、于詮は圧倒的劣勢に立たされていた。
それでも尚、歯をくいしばって張真と戦い続けられる姿に、戀王国の将軍たる矜持と、ナイトの仲間衆たる所以が感じられた。
そして彼が見せた奮戦は、彼自身を救う事になる。
「ぬっ!? うぐぐぐ……!?」
銃弾以上の速さと大地を抉る威力を誇る斬撃が、于詮の首を狙える領域まで押し勝っていた張真を狙って急進撃。
対する張真は大剣を地に刺して防ぐものの、斬撃の威力は余力のある彼であっても大きく後退らせる程に重く、絶大な殺気を帯びていた。
「うおおおぉぉぉ!!」
続いて上がった咆哮は二人分であり、ナイツ達が逃げていった方角からだ。
「父上! 我昌明将軍!」
強敵の相手に全意識を向ける于詮に代わり、ナイツが大声を上げて存在を周知させた。
兄弟や逃げる于詮兵の前方に現れた者達は、ナイトと我昌明が率いる一千騎程度の騎馬隊。歩兵と別れて全速力で戦場に急行したのだ。
「うわっ!? 何の光……! えっ、母上!?」
更には兄弟の間近に出現した者がもう一人、一筋の光となって現れたキャンディだった。
彼女は動揺する兄弟に駆け寄るや、一言も発する事なく二人を強く抱き締め、次の瞬間には三人ともが一筋の光となって消え去る。
「ナイト殿、ご兄弟は無事に戦場を離脱できた様ですぞ!」
「ああ! 流石は奥だ! 後は于詮隊を連れて逃げるのみ!! 我昌明、久々に暴れるぞ!!」
「ゴッホッホ!! 何とも愉快痛快・大爽快!! 昔を思い出しまする!!」
十年ぶりの共闘は戦況を憂慮させる事を忘れ、両者の心を躍らせた。
ナイトは剣を、我昌明は大矛を構え、お互いが率いる騎馬小隊の先頭を駆ける。
「武運長久にして天衣無縫!!」
「単純明快にして一撃必殺!!」
ナイトに次いで我昌明が雄叫びを上げ、張真はこのやり取りに強い反応を示す。
何せ、彼にとっては忘れられない掛け声だったのだ。
「あの男……まさかジオ・ゼアイ・ナイトか!?」
途端に彼の顔色が変わる。驚きではない。憎しみを含んだ激情の色だ。
「双龍・協撃震!!」
そうとは知らずに、ナイトと我昌明は突撃の合言葉を叫び、互いの得物を振るう。
剣先と矛先からは魔力によって生成された猛烈な渦の衝撃波が顕現し、付かず離れずの状態で隣り合った突撃を見せながら、一足先に張真隊へ襲い掛かる。
敵と接触しても当たるべからざる勢いを保持するそれは、擦れ違う者を次々と切り伏せていく。差し詰、鎌鼬の弾丸といったものだ。
「全騎突っ込めぇー!!」
先駆けの刃に便乗するナイトと我昌明及び二将の騎馬小隊。
勇猛果敢たる張真兵を恐れ戦かせる豪勇を示し、于詮までの道を力尽くで抉じ開ける。
「何という暴れっぷりだ! 我々の鉄壁が、まるで通用せぬだと!?」
「お……おのれ! 何としても阻むぞ! 中の敵と合流させ――ぎゃあっ!?」
「ゴハハハハ!! 無駄よ無駄無駄ァ!!」
たった一千騎程度の小隊が、戦場の流れを変えようとしていた。
将の指示がなくとも適切な行動をとって迎撃する張真兵の働きは無駄に終わり、ナイト達は敵中包囲を受けつつある于詮隊の許まで行き着こうとする。
当然、于詮隊残兵もこの勢いに乗り、最後の力を振り絞った突破に出た。
「オオオォォ!!」
「!?」
然し、戦局を一変させんとする二つの人型台風の前に、張真が立ちはだかった。
激情を力に変えた大剣による横薙ぎの一閃で、ナイトと我昌明の進撃を阻んだのだ。
「長らく求めていた仇敵、ジオ・ゼアイ・ナイト! 我は戀王国独立戦争の折り、貴様に討たれた臧褒が子・張真なり!! 父の雪辱を晴らさんが為、我は貴様の前に立った!! 男たるならば、神妙に一騎討ちを受けよ!!」
歩を止めたナイトに対して大剣を突きつける張真の怒声は、戦場全体に響き渡った。
それによって多くのゲルファン王国兵と、少数の戀王国兵は戦いを忘れ、張真に次いでナイトを見る。
一方のナイトは何時になく謹厳な表情を浮かべ、戦闘行為の止んだ戦場を一瞥後、改めて張真と向き合い、彼の瞳を見詰め返した。
「……臧褒か。忘れる訳がない、マノトが戦死する一因を築いた仇だからな。…………だが妙だな、彼の子はあの戦で玉砕したと聞いていたが……」
独立戦争最終決戦の折り、戀王国の前身国家・惰唖王国は、敵対関係にあるゲルファン王国に援軍を要請。犬猿の仲である筈のゲルファン王国がそれに応えるとはマノトも予期しておらず、前哨戦の勝利で勢いを得ていた事も影響し、独立軍の最先鋒を司る彼はナイトの後軍を待たずして開戦した。
その最中、援軍と称して惰唖王国に入り、漁夫の利によって同国を占領せんとして派遣されたのが、臧褒率いるゲルファン王国軍だった。
それ故に、独立連合軍(旧戀王国軍とナイトの多国籍同盟軍)が臧褒の子を見逃す筈はなく、ナイトは不審に思って理由を問うが、張真は黙り込む。父の仇と、馴れ馴れしく語るつもりはないと。
「…………そう言えば戦場を脱した一隊がありましたな。恐らくはあれが、張真を連れて撤退する部隊だったのでは? そして名を変え、国を変え、我らの目から逃れたのでしょう」
「成る程、そういう事か」
代弁する我昌明の推測は的中し、図星を突かれた張真は彼を一睨みする。
だが必要以上に喚かないところが、如何にも張真らしかった。
余計な口出しをするなと無言の訴えをするだけに留め、あくまで自分の狙いはナイトであるとして、殆どの意識を仇敵に向けているのだ。
「…………それで、俺を殺してどうする。この無精髭頭を墓前にでも供えるか?」
「ただ親の仇を討つ!! それだけだ!!」
これ以上の問答は無用。騎乗した張真は全身に覇気を纏って突撃した。
「俺を殺して、先程逃げた俺の子供達を第二第三の張真にするつもりか」
「っ……!?」
だが……ナイトの一声を前にして、張真は思わず殺意を緩めてしまった。
「――!!!」
次の一瞬未満の刹那! 張真の視界に白眼の鬼神が映り、間合いに入った彼は馬ごと宙に放り投げられる。
彼は即座に体勢を立て直し、動転して目を白黒させる馬を宥めると同時、禍々しい気配のする方へと向き直った。
(……何だ……今の一撃は……!? 何だ……この殺気は……!?)
その気配は、ついさっきまで対面していたナイトから放たれていた。
表情は変えずに殺気を漲らせ、魔法大剣・王道を顕現し、敢えて張真の大剣を狙って一瞬の剣技で彼を弾いたのだ。
「父に似ず、お前は俺の目に映った。だから一度は見逃そう。然し、憎しみに囚われて徒に乱を呼び、あまつさえ俺の子供達を復讐の鬼とさせるなら――」
静かな怒声と全てを威圧させる殺意が、敵味方の心を戦慄させる。
「容赦なく、お前の素っ首を切り落とす……!!」
それは心の底から息子兄弟を想うナイトの、許容できない怒りの顕れに他ならなかった。
仇討ちを否定する訳ではないが、討った後を考えない暴勇に同情の余地はないと、目に映るお前の目を自分自身が曇らせてなんとすると……何よりお前の自己満足に、俺の子供達を巻き込むなっ!! と、彼なりに抱く激情だった。
(無論、俺は偉そうに言える立場ではない。だが……それだけは許さん!!)
自分自身、身勝手を言っている事は重々承知の上。それでもナイトは、睨まずにはいられなかった。
「……ナイト殿、救援、感謝致します……!」
この間にも、于詮隊残兵は味方との合流を果たした。
張真はナイトと我昌明を阻む事には成功したが、于詮隊は張真を迂回して、新手迎撃の為に背後を見せた張真兵を突破したのだ。
「…………充分だ。全騎、全速力で退くぞ!」
ナイトと我昌明は、再び黙り込んだ張真に背を向け、于詮兵を同乗させて速度の落ちた騎馬小隊の殿を務めるように最後衛の備えに就く。
「張真様……追撃のご指示は……」
「…………捨て置け。それより、此方も下がるとシュクーズ殿に伝えよ。敵の後続が迫っている故に、バティム城まで退いて態勢を立て直すのだ」
張真は于詮隊に大打撃を与えただけで良しとする。
シュクーズに関しても、乱れに乱れた味方の軍を再編成する前に我昌明軍と戦うのは不利と見て、禹凝城攻略を断念して全軍撤退に踏み切った。
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