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黄金の力

生命の探究者 バイオ

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 ディープの森を抜けると、そこには暗黒都市デザリアが、黒々とした暗雲を立ち込めながら現れた。

 デザリアは、様々な異教徒が集まり、日夜犯罪が横行している。

「さすがに、ここへ立ち寄るのは気が引けるな」

 俺はそこをうまく避けるように、迂回を試みた。

 そして、無事にデザリアを抜ける橋までだどり着いたところで、俺は落とし穴のようなものに掛り、洞窟のようなところに転落してしまった。

ダン!

 「くそ!なんて日だ!」

 俺は、短く毒づいた。

 俺は周りを見渡した。

 暗くて何も見えないが、自分が落ちてきたところからは、少し日が差していた。

 眼をこらすと、次第に中の様子がうかがえた。

 小さな祠になっているようだ。

 その祠は、ほこりをかぶっていた。

「秘匿されている神か?まあ、いい。スリプ神と同じように、神貨でも与えるか……」

 俺は、祭壇に神貨を1枚置いた。

 ……
 …

 しばらく反応が無い。

 「いないのかな?まあいい」

 俺は神貨を回収しようとしたが、それが無いことに気が付いた。

 「おい!ただとは言っていないぞ!」

 祠に向かって一喝した。

 『ちっ!ケチ!』

 そこには、細く蒼白な顔をした女が立っていた。

 「全く、これの意味が分かっているから良いものを、もし知らなかったら、ただで上げていたな。ん?待てよ……。セラー神ももしや……」

 『じゃあ、お取込み中のようなので、私はこのへんで……』

 俺は、がっしりその女を取り押さえた。

 『なっ!痴漢!この人です皆さーん!!』

 女はじたばた暴れた。

 「おい!ここじゃ誰も来ないぞ!」

 俺は脅した。そして、なんなんだこの女は?

 俺は拘束の手を緩めなかった。

 『あーあ。分かりましたよ。ちょっと離してよ!』

 女は逆切れした。

 「でっ?お前は誰だ?」

 『プンスカ!何その態度!私は神よ』

 無い胸をはった。

 「また、絞められたいのか?」

 俺は今日一でどすの効いた声で脅す。

 『な、なによ。わ、私はバイオ。生命の探究者バイオ』

 神ではないのか?いや、神だ。間違いない。

 「おい。依代人形を寄越せ」

 俺は短答直入に答える。
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