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腑抜けになる僕

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 夢魔と夢の中で愛し合ってしまった僕は生気を少し吸われて完全におかしくなった?いや、イヴの事はとても愛しているが、仕事中も集中できずずっと頭の中は可愛くていやらしいイヴで常に僕は発情している獣みたいな状態に困った。

 これじゃ仕事の報告にもいけやしないし、正直今すぐにでも何日でもイヴと繋がりたくなっている!!
 頭の片隅ではこれはサキュバスの効果が出まくってるとわかっているがこの天才魔術師の僕でも完全に消し去るのは無理だ。

 だからしばらく仕事を休む手続きをした。口元を布で隠して魔法省へ行き、少し病気だと休暇を取った。

 家に戻るとイヴは流石に心配した。


「ごめんなさいルイスさん。私…貴方を腑抜けにしちゃった!?」

「別にいいよぉ…。僕は腑抜けになってもイヴさえいてくれれば…」
 とゴロンとイヴの膝に寝転がり甘えまくる。
 イヴは

「ダメです!やはり少し生気を吸ったから影響出てます!夢の中ではこれからはいやらしい事禁止しますね!!」
 と言うから

「ええ!?なんでえ??」
 とトロンとした口調で言うと

「こ、こうなるからです!!」
 と叱られた。

「そんな…。あ、じゃ、じゃあ現実ではいいの?していいの?」
 と言うとイヴは

「ごめんなさい、こんな状態のルイスさんとじゃ無理!ちゃんと正気になって!」

 と言うから

「な、何を?僕は正気で君のことを愛しているよ?今も…」
 と見つめるとイヴは

「私のこの胸です。まだ少し生気の影響で大きいでしょ?これが元の大きさになるまで貴方は正気に戻れません!」
 と言った。

「うっ…」
 それは確かに証拠として存在した。胸が大きくなっている間はお預けなのだ。

 そして現実で本当に結ばれないとダメだと僕もようやくわかった。

「わ、わかったよ…我慢するよ僕。で、でも…キスだけはいい?」
 と聞いてみたらイヴは

「本にキスだけでもしちゃったら結局は最後までしちゃう展開が多いのでダメです!!」
 と拒否られた。
 しかし僕は諦めない。これも影響されてるから仕方ない。

「なら、ほっぺにキス!手にキスならいいでしょ!?」
 と言うとイヴは流石に折れた。

「わかりました。それだけなら…」
 と。
 なんてことだ。この僕が骨抜きにされるなんて!

 しかしそれだけでも嬉しい僕は早速イヴに近づいてホッペにキスをする。

 チュッチュッと何度も何度もキスをする。

「もお、ホッペベタベタになりますよ!」
 とイヴが言うと僕は

「えへへ、愛してるから」
 と言い今度は手の甲にキスを落とした。

「イヴの手白くてとても綺麗で柔らかくて好きだよ?」
 イヴは照れて

「そうですか?ルイスさんの方がとても綺麗だし私なんて全然ですよ」
 と言うので

「そんなことないよ!イヴは魅力的だ!」

「それはまだ私の魅了が効いてるので」

「そんなの関係ない!好きなものは好きなの!わかって欲しい!!」
 と言うとイヴは赤くなる。
 もうダメだ。本当に可愛いし今すぐに押し倒したい!!あああっ!

 と思ってると、ドーンと上の屋根が吹っ飛んだ音がして驚いた。

「な、なんだ!?」

「ひ!!そ、そんな!この気配!!」
 とイヴは怯えた。

 そして上からムッチムッチで際どい露出の多い夢魔サキュバスが3人現れた。
 真ん中のサキュバスは褐色の肌で下着みたいな格好で、他の2人は白い肌だがこちらもみていられない様な面積の少ない服だ!!

「見つけたわよ!イヴリン!あんたの匂いこの家からしてたけど結界みたいなので入れなかったけど弱くなってたから破ってしまったわ!」
 褐色の肌のサキュバスは羽を広げて言う。

「ビアンカ!!ウルズリ!!メイラ!!」

 とイヴは真っ青になる。

「ねぇ、見て!イヴリン!あんた胸がほんの少し大きくなってる!その美少年の生気を少し吸ったの!?あはは!」

「あんたみたいな落ちこぼれが!?」

「ううっ…」
 イヴは泣きそうになる。僕は

「やめろ!イヴをいじめるな!この露出サキュバス!!」

「は!?サキュバスは本来こういう格好なの!変なのはこいつよ!」

「待って?すっごい美少年じゃない!この子の生気をイヴリンが吸ったの!?憎たらしい!」

「でもまだこの子生きてるのね。本当は生気吸い尽して殺すまでやるのに…」
 な、何!?

「落ちこぼれだから全部吸わなかったんだわ!くくく、それなら私達にその獲物を献上しなさい!!」

「あんたなんかが上級サキュバスは似合わないもの!!」

「あー、私ブランドのバッグ欲しかったのよね!!新しい服も!!
 この獲物の生気を吸い尽くして殺してお金ガッポリもらおう!」

「じゃあ3人で頂こうよ!!」

「いいわね!!」
 などと僕を無視して勝手にそんな話になっているぞ!?冗談じゃない!僕はイヴとしか寝ない!夢の中でも!!

 流石に怒りが込み上げ僕は気を引き締めて魔術を放つ。

「この家から出ていけ!邪な魔物達!!」
 弾く様に魔力を底上げしてサキュバス達を風の魔術で吹き飛ばした!

「きゃああああ!!」
「いやあああ!髪の毛のセットが!」
「あああん!私の宝石が!!」
 と3人は叫びつつ吹っ飛んだ。

 イヴは震え胸が元に戻って僕もようやく正気に戻った。

 イヴは涙を流す。

「ごめんなさい、二度と生気なんて吸わない私!夢の中ではしない!!愛してる人を殺したくない!!」
 と震えるのを僕はソッと抱きしめる。

「大丈夫だよイヴ。君は僕の奥さんになるんだからね。まだ恋人だけど…。でもそうだね、なるべくここを離れて結婚して子供を作りたい」
 と告げるとイヴは顔上げた。涙を拭き取ってやるとイヴは震えつつも

「私…私と子供?人間と…サキュバスの?」

「うん…。夢の中じゃなく現実でだよ…イヴ…」

「ルイスさん…わ、私…私も!ルイスさんの子供!!欲しい!!」
 と言うから僕は赤くなる。

「ま、まあ今すぐじゃないからね?将来にだからね!!」

「う、うん…」
 と僕とイヴは笑い合った。
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