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第一章
7話目
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短いです!!
メイン…とは言えないけど、メインは次(の予定)。
次、なるべく早く更新できるようにします!!(*^^)v
あ… 試験あるんだっけ…(TдT)
じゅっ、12月くらいかなぁ?(;・∀・)
*******************
「本当にもう行くのかい?」
「ええ、長居させてもらう訳にはいきませんから。」
リルはカリスの家で既に一週間もの時を過ごしていた。
カリスの風邪が中々完全に治らなかったのと、カリスが倒れた日から雨が降り止まなかったからだ。
「そんなこと、気にしなくていいのに… ここに住んだっていいんだよ?」
「いえ、村の皆様のご迷惑にもなりますし…」
それに、ここは居心地が良すぎる。
口の中でリルはつぶやいた。
カリスの隣に居るのは心地良い。
村の人からは相変わらず疎まれているが、それを含めたとしても、カリスと共に居るのは楽しかった。
楽しくて、心地よくて、だからこそ、ここに居てはいけない気がしてしまう。
私はこんな所に居てもいい人間ではないと、どうしてもリルは思ってしまうのだ。
迷いを断ち切るように、リルはカリスに背を向けると、玄関ヘ向かう。
もう既に準備は整っている。あとは家を出ればいいだけだ。
「では、もう行きますね。また体調を崩されないように、お気をつけて。一週間、お世話になりました。」
せめて雨が上がってからと渋るカリスを尻目に、リルは頭を下げる。
そうして、しとしとと雨が降る中を歩き出した。
リルが角を曲がるまで、カリスはずっとその後ろ姿を見送っていた。
さて、これからどうしようか。
とりあえずは最初に行こうとしていた街にでも行こうか。
第一目標に街へ行く事を定めたリルは、街道に出ようと舗装されていない道を歩く。
カリスを背負って走った道を反対から辿ればいいだけなので、今度は迷わない。すぐにカリスを看病した場所まで来ることができた。
一週間振り続けている雨のせいで道はぬかるんでおり、一歩踏み出す度に泥がリルのショートブーツに跳ねる。
その時だった。
あたりに響きわたったのは雷が落ちたかのような、何かが爆発したような、でもそれとは異なる、耳をつんざく轟音。
一瞬雨の音が消え去り、思い出したかのように戻る。
轟音がした瞬間にしゃがみこんでいたリルは空を見上げた。
一縷の望みをかけて見上げた空を覆う雲の中に白い光は見えない。
リルがしゃがみこんでいたせいで、余計に大きく感じられた地響き。
長く降り続いた雨、轟音、そして地響き。
何が起こったかは明白だった。
バッと振り返り、リルは走り出す。
今まで歩いてきた道を、つまりカリスの住む村に向けて。
轟音は、リルの背後から聞こえていた。
メイン…とは言えないけど、メインは次(の予定)。
次、なるべく早く更新できるようにします!!(*^^)v
あ… 試験あるんだっけ…(TдT)
じゅっ、12月くらいかなぁ?(;・∀・)
*******************
「本当にもう行くのかい?」
「ええ、長居させてもらう訳にはいきませんから。」
リルはカリスの家で既に一週間もの時を過ごしていた。
カリスの風邪が中々完全に治らなかったのと、カリスが倒れた日から雨が降り止まなかったからだ。
「そんなこと、気にしなくていいのに… ここに住んだっていいんだよ?」
「いえ、村の皆様のご迷惑にもなりますし…」
それに、ここは居心地が良すぎる。
口の中でリルはつぶやいた。
カリスの隣に居るのは心地良い。
村の人からは相変わらず疎まれているが、それを含めたとしても、カリスと共に居るのは楽しかった。
楽しくて、心地よくて、だからこそ、ここに居てはいけない気がしてしまう。
私はこんな所に居てもいい人間ではないと、どうしてもリルは思ってしまうのだ。
迷いを断ち切るように、リルはカリスに背を向けると、玄関ヘ向かう。
もう既に準備は整っている。あとは家を出ればいいだけだ。
「では、もう行きますね。また体調を崩されないように、お気をつけて。一週間、お世話になりました。」
せめて雨が上がってからと渋るカリスを尻目に、リルは頭を下げる。
そうして、しとしとと雨が降る中を歩き出した。
リルが角を曲がるまで、カリスはずっとその後ろ姿を見送っていた。
さて、これからどうしようか。
とりあえずは最初に行こうとしていた街にでも行こうか。
第一目標に街へ行く事を定めたリルは、街道に出ようと舗装されていない道を歩く。
カリスを背負って走った道を反対から辿ればいいだけなので、今度は迷わない。すぐにカリスを看病した場所まで来ることができた。
一週間振り続けている雨のせいで道はぬかるんでおり、一歩踏み出す度に泥がリルのショートブーツに跳ねる。
その時だった。
あたりに響きわたったのは雷が落ちたかのような、何かが爆発したような、でもそれとは異なる、耳をつんざく轟音。
一瞬雨の音が消え去り、思い出したかのように戻る。
轟音がした瞬間にしゃがみこんでいたリルは空を見上げた。
一縷の望みをかけて見上げた空を覆う雲の中に白い光は見えない。
リルがしゃがみこんでいたせいで、余計に大きく感じられた地響き。
長く降り続いた雨、轟音、そして地響き。
何が起こったかは明白だった。
バッと振り返り、リルは走り出す。
今まで歩いてきた道を、つまりカリスの住む村に向けて。
轟音は、リルの背後から聞こえていた。
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ごめん、3話だった。(//∇//)
はぐれメタボ様
感想ありがとうございます!
3話ですね、確認しました。
名前…出しちゃってますね……ハイ。
ちゃんと直しましたので、またおかしい所がありましたら、是非教えて下さい!
*******************
作者の内心
ヤッタ〜!!! 初めての感想!!
更新楽しみにしてる!? マジで!!? これからも頑張ろ〜!!
*******************
今後とも、どうぞヨロシクお願いします!!!
こんにちは(´・ω・`)
楽しく読ませて頂来ました。
次回の更新をお待ちしております。
所で4話にて、カリスをテントに運び込む描写が有りますが、この時点ではカリスの名前はまだ出ていないのでは?