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第一章
5話目
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どうも! 安蒜佑香です!!
この度は本作を読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m
投稿した時って24時間ポイントが増えるので嬉しいんですよね~(*^▽^*)
これからも出来るだけ書いていこうと思いますので、応援ヨロシクです!!
(↑日本語が変… まぁ、いっか!)
では、こちらもお楽しみ下さい!! (短めです!)
* * * * * * * * * * * * * * *
「カリスさん! この道はどっちに行けばいいですか?」
「ここは、右です!」
「了解です」
リルは走っていた。だが、カリスは走っていない。
では、カリスはどこにいるか。
正解は…リルの背である。
リルとカリスが歩き出してから1時間ほど経った時だろうか、リルが予想した通りに雨が降ってきた。
最初は小降りだったのだが、今ではすっかり土砂降りだ。
雨に長く当たれば風邪が悪化するのは当然のこと。
なるべく早くカリスの家に着きたいところだが、走ろうにもカリスは病人で弱っている。
更に雨でぬかるんだ道に足を取られて思うように進まない。
このままでは冗談じゃ済まなくなると判断したリルがとった行動は、薬師に偽装する為に背負っていた薬箱をポイッと地面に放り、テントと同じように魔術をかけた後、代わりにカリスを背負って走る事だった。
今はもう村まであと少しというところ。
雨が降り出してから、実に2時間程過ぎていた。
「このまま、真っ直ぐで、いいんですよね?」
森の中をひたすら駆けながらリルは多少息を切らせながら問うが、カリスから返事はない。
「カリスさん? どうしました? カリスさん!?」
急いで止まって背を見ると、カリスはリルの背にぐったりともたれ掛かっている。
一旦背から下ろし、額に手をあてると、燃えるように熱い。
(まずいな… このままだと下手したら命に関わるし、そもそも村までの道のりが分からない。カリスさんの話だと、あと少しらしいけど……)
雨を少しでも防ごうとカリスの上にかけていた旅用のローブを絞りながら、どうすればいいか考える。
カリスは今、雨が当たらない小さな洞窟の中だ。
だが、その洞窟は小さすぎて大人が一人蹲るようにして入ってしまえば身動きが取りにくい程。
広ければここで治療をするところだが、横になれない程狭くては、かえって悪化しそうだ。
(道のり…… 空から見ればわかるか? カリスさんの意識も幸いと言ってはなんだが無いし、まぁ、大丈夫だろう。)
もはや魔術を使うことに抵抗が薄れてきたリルは、またしも魔術を使う事に決めた。
今度は空気中にある水分ーー今は雨だがーーを一瞬だけ凍らせて、足場にし、空に駆け上がる。
傍から見れば “飛んで”いるわけだが、実際は“跳んで”いる状態だ。
ある程度の高さまで駆け上がると、高度を保ちながら、落ちないようにその場で空中を歩き回る。
雨のせいで視界は悪いが、見えない事も無い。
リルはそこから1km程先の場所に村らしき場所を見つける。十中八九、カリスの言っていた村だろうが、違かったとしても休ませて貰おう。
そう決めると、リルは階段を降りるかのように軽やかに地面に降りた。
すぐに意識を失ったままのカリスを洞窟から引っ張り出して背負うと、さっき見つけた村に向かって走り出す。
カリスの病が悪化しないように急ぐリルを嘲笑うかのように、雨は一層強くなって2人の上に降り注いだ。
この度は本作を読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m
投稿した時って24時間ポイントが増えるので嬉しいんですよね~(*^▽^*)
これからも出来るだけ書いていこうと思いますので、応援ヨロシクです!!
(↑日本語が変… まぁ、いっか!)
では、こちらもお楽しみ下さい!! (短めです!)
* * * * * * * * * * * * * * *
「カリスさん! この道はどっちに行けばいいですか?」
「ここは、右です!」
「了解です」
リルは走っていた。だが、カリスは走っていない。
では、カリスはどこにいるか。
正解は…リルの背である。
リルとカリスが歩き出してから1時間ほど経った時だろうか、リルが予想した通りに雨が降ってきた。
最初は小降りだったのだが、今ではすっかり土砂降りだ。
雨に長く当たれば風邪が悪化するのは当然のこと。
なるべく早くカリスの家に着きたいところだが、走ろうにもカリスは病人で弱っている。
更に雨でぬかるんだ道に足を取られて思うように進まない。
このままでは冗談じゃ済まなくなると判断したリルがとった行動は、薬師に偽装する為に背負っていた薬箱をポイッと地面に放り、テントと同じように魔術をかけた後、代わりにカリスを背負って走る事だった。
今はもう村まであと少しというところ。
雨が降り出してから、実に2時間程過ぎていた。
「このまま、真っ直ぐで、いいんですよね?」
森の中をひたすら駆けながらリルは多少息を切らせながら問うが、カリスから返事はない。
「カリスさん? どうしました? カリスさん!?」
急いで止まって背を見ると、カリスはリルの背にぐったりともたれ掛かっている。
一旦背から下ろし、額に手をあてると、燃えるように熱い。
(まずいな… このままだと下手したら命に関わるし、そもそも村までの道のりが分からない。カリスさんの話だと、あと少しらしいけど……)
雨を少しでも防ごうとカリスの上にかけていた旅用のローブを絞りながら、どうすればいいか考える。
カリスは今、雨が当たらない小さな洞窟の中だ。
だが、その洞窟は小さすぎて大人が一人蹲るようにして入ってしまえば身動きが取りにくい程。
広ければここで治療をするところだが、横になれない程狭くては、かえって悪化しそうだ。
(道のり…… 空から見ればわかるか? カリスさんの意識も幸いと言ってはなんだが無いし、まぁ、大丈夫だろう。)
もはや魔術を使うことに抵抗が薄れてきたリルは、またしも魔術を使う事に決めた。
今度は空気中にある水分ーー今は雨だがーーを一瞬だけ凍らせて、足場にし、空に駆け上がる。
傍から見れば “飛んで”いるわけだが、実際は“跳んで”いる状態だ。
ある程度の高さまで駆け上がると、高度を保ちながら、落ちないようにその場で空中を歩き回る。
雨のせいで視界は悪いが、見えない事も無い。
リルはそこから1km程先の場所に村らしき場所を見つける。十中八九、カリスの言っていた村だろうが、違かったとしても休ませて貰おう。
そう決めると、リルは階段を降りるかのように軽やかに地面に降りた。
すぐに意識を失ったままのカリスを洞窟から引っ張り出して背負うと、さっき見つけた村に向かって走り出す。
カリスの病が悪化しないように急ぐリルを嘲笑うかのように、雨は一層強くなって2人の上に降り注いだ。
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