6 / 8
第一章
5話目
しおりを挟む
どうも! 安蒜佑香です!!
この度は本作を読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m
投稿した時って24時間ポイントが増えるので嬉しいんですよね~(*^▽^*)
これからも出来るだけ書いていこうと思いますので、応援ヨロシクです!!
(↑日本語が変… まぁ、いっか!)
では、こちらもお楽しみ下さい!! (短めです!)
* * * * * * * * * * * * * * *
「カリスさん! この道はどっちに行けばいいですか?」
「ここは、右です!」
「了解です」
リルは走っていた。だが、カリスは走っていない。
では、カリスはどこにいるか。
正解は…リルの背である。
リルとカリスが歩き出してから1時間ほど経った時だろうか、リルが予想した通りに雨が降ってきた。
最初は小降りだったのだが、今ではすっかり土砂降りだ。
雨に長く当たれば風邪が悪化するのは当然のこと。
なるべく早くカリスの家に着きたいところだが、走ろうにもカリスは病人で弱っている。
更に雨でぬかるんだ道に足を取られて思うように進まない。
このままでは冗談じゃ済まなくなると判断したリルがとった行動は、薬師に偽装する為に背負っていた薬箱をポイッと地面に放り、テントと同じように魔術をかけた後、代わりにカリスを背負って走る事だった。
今はもう村まであと少しというところ。
雨が降り出してから、実に2時間程過ぎていた。
「このまま、真っ直ぐで、いいんですよね?」
森の中をひたすら駆けながらリルは多少息を切らせながら問うが、カリスから返事はない。
「カリスさん? どうしました? カリスさん!?」
急いで止まって背を見ると、カリスはリルの背にぐったりともたれ掛かっている。
一旦背から下ろし、額に手をあてると、燃えるように熱い。
(まずいな… このままだと下手したら命に関わるし、そもそも村までの道のりが分からない。カリスさんの話だと、あと少しらしいけど……)
雨を少しでも防ごうとカリスの上にかけていた旅用のローブを絞りながら、どうすればいいか考える。
カリスは今、雨が当たらない小さな洞窟の中だ。
だが、その洞窟は小さすぎて大人が一人蹲るようにして入ってしまえば身動きが取りにくい程。
広ければここで治療をするところだが、横になれない程狭くては、かえって悪化しそうだ。
(道のり…… 空から見ればわかるか? カリスさんの意識も幸いと言ってはなんだが無いし、まぁ、大丈夫だろう。)
もはや魔術を使うことに抵抗が薄れてきたリルは、またしも魔術を使う事に決めた。
今度は空気中にある水分ーー今は雨だがーーを一瞬だけ凍らせて、足場にし、空に駆け上がる。
傍から見れば “飛んで”いるわけだが、実際は“跳んで”いる状態だ。
ある程度の高さまで駆け上がると、高度を保ちながら、落ちないようにその場で空中を歩き回る。
雨のせいで視界は悪いが、見えない事も無い。
リルはそこから1km程先の場所に村らしき場所を見つける。十中八九、カリスの言っていた村だろうが、違かったとしても休ませて貰おう。
そう決めると、リルは階段を降りるかのように軽やかに地面に降りた。
すぐに意識を失ったままのカリスを洞窟から引っ張り出して背負うと、さっき見つけた村に向かって走り出す。
カリスの病が悪化しないように急ぐリルを嘲笑うかのように、雨は一層強くなって2人の上に降り注いだ。
この度は本作を読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m
投稿した時って24時間ポイントが増えるので嬉しいんですよね~(*^▽^*)
これからも出来るだけ書いていこうと思いますので、応援ヨロシクです!!
(↑日本語が変… まぁ、いっか!)
では、こちらもお楽しみ下さい!! (短めです!)
* * * * * * * * * * * * * * *
「カリスさん! この道はどっちに行けばいいですか?」
「ここは、右です!」
「了解です」
リルは走っていた。だが、カリスは走っていない。
では、カリスはどこにいるか。
正解は…リルの背である。
リルとカリスが歩き出してから1時間ほど経った時だろうか、リルが予想した通りに雨が降ってきた。
最初は小降りだったのだが、今ではすっかり土砂降りだ。
雨に長く当たれば風邪が悪化するのは当然のこと。
なるべく早くカリスの家に着きたいところだが、走ろうにもカリスは病人で弱っている。
更に雨でぬかるんだ道に足を取られて思うように進まない。
このままでは冗談じゃ済まなくなると判断したリルがとった行動は、薬師に偽装する為に背負っていた薬箱をポイッと地面に放り、テントと同じように魔術をかけた後、代わりにカリスを背負って走る事だった。
今はもう村まであと少しというところ。
雨が降り出してから、実に2時間程過ぎていた。
「このまま、真っ直ぐで、いいんですよね?」
森の中をひたすら駆けながらリルは多少息を切らせながら問うが、カリスから返事はない。
「カリスさん? どうしました? カリスさん!?」
急いで止まって背を見ると、カリスはリルの背にぐったりともたれ掛かっている。
一旦背から下ろし、額に手をあてると、燃えるように熱い。
(まずいな… このままだと下手したら命に関わるし、そもそも村までの道のりが分からない。カリスさんの話だと、あと少しらしいけど……)
雨を少しでも防ごうとカリスの上にかけていた旅用のローブを絞りながら、どうすればいいか考える。
カリスは今、雨が当たらない小さな洞窟の中だ。
だが、その洞窟は小さすぎて大人が一人蹲るようにして入ってしまえば身動きが取りにくい程。
広ければここで治療をするところだが、横になれない程狭くては、かえって悪化しそうだ。
(道のり…… 空から見ればわかるか? カリスさんの意識も幸いと言ってはなんだが無いし、まぁ、大丈夫だろう。)
もはや魔術を使うことに抵抗が薄れてきたリルは、またしも魔術を使う事に決めた。
今度は空気中にある水分ーー今は雨だがーーを一瞬だけ凍らせて、足場にし、空に駆け上がる。
傍から見れば “飛んで”いるわけだが、実際は“跳んで”いる状態だ。
ある程度の高さまで駆け上がると、高度を保ちながら、落ちないようにその場で空中を歩き回る。
雨のせいで視界は悪いが、見えない事も無い。
リルはそこから1km程先の場所に村らしき場所を見つける。十中八九、カリスの言っていた村だろうが、違かったとしても休ませて貰おう。
そう決めると、リルは階段を降りるかのように軽やかに地面に降りた。
すぐに意識を失ったままのカリスを洞窟から引っ張り出して背負うと、さっき見つけた村に向かって走り出す。
カリスの病が悪化しないように急ぐリルを嘲笑うかのように、雨は一層強くなって2人の上に降り注いだ。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ダンマス(異端者)
AN@RCHY
ファンタジー
幼女女神に召喚で呼び出されたシュウ。
元の世界に戻れないことを知って自由気ままに過ごすことを決めた。
人の作ったレールなんかのってやらねえぞ!
地球での痕跡をすべて消されて、幼女女神に召喚された風間修。そこで突然、ダンジョンマスターになって他のダンジョンマスターたちと競えと言われた。
戻りたくても戻る事の出来ない現実を受け入れ、異世界へ旅立つ。
始めこそ異世界だとワクワクしていたが、すぐに碇石からズレおかしなことを始めた。
小説になろうで『AN@CHY』名義で投稿している、同タイトルをアルファポリスにも投稿させていただきます。
向こうの小説を多少修正して投稿しています。
修正をかけながらなので更新ペースは不明です。
異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~
ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ
以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ
唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活
かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる